『若者の「習っていません」発言に40代以上が「やる気がないのか?」と思うワケ』




全文転載〈原田由美子
Business Media 誠リンク済み


『若者の「習っていません」発言に40代以上が
「やる気がないのか?」と思うワケ』

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 先日、40代半ばを過ぎて初めて人材育成に携わるようになったある人が次のようなことを言っていました。
 「最近若手が、すぐに『習ってない』と言うんだよね。これって、みんなそうなんですか? 私たちの世代は『習ってない』というのは禁句だったので、すごく違和感を感じるのですが……」

 実は私、この気持ちがとてもよく分かるのです。
 そこで今回は、若手の人には上司の考え方を。そして「やる気がないのか?」と感じる人には、若手とのコミュニケーション上のポイントを紹介します。


◆40代以上の価値観-20年前の仕事の覚え方

 私が20代のころの経験が、上司世代の価値観を知る上で役立ちそうなので述べていきます。

 新卒入社した生命保険会社は、人材育成システムがしっかりしていました。
 入社3年目までに身に付けなければならない知識やスキルの基準と方法、得なければならない情報は常に用意されていて、それを一定期間で身に付け次のステップを目指していくのです。そして売上成果を上げるための支援役として、5~6人のチームに1人のトレーナーが付き、配属後3カ月間はほぼつきっきりでした。

 半年目以降は、自立して行動しつつ必要なサポートが得られます。
 常に、何を求められているのか、何をすればよいのかが非常に分かりやすい環境でした。また、身近に世代の近い先輩や同期も多いので、分からないことや困ったことがあれば聞きやすくもありました。


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 その後、人材育成企業に入社しますが、その会社での人材育成の中心はOJTでした。
 といっても上司は全員役員で、コンサルタント。常にオフィスにいるわけではありません。指示がなくても動かざるをえないOJT環境でした。そのような環境下で仕事を覚える方法は4つでした。


引用者註:OJT環境:実際の仕事を通じて行う人材育成(能力開発=OJT・On the Job Training の略)職場内で上司・先輩が、部下に日常の仕事を通じて、必要な知識・技能・仕事への取り組み等を教育することである。職場内訓練とも言う。

 長所は、労働時間内に行うことができ、費用がかからない、また、業務に即した内容を指導できるなど。
 短所は監督者が技術不足だと成果が上がらない、また、業務が忙しいと教育時間がないなど。

 本来は計画的に行われるものであるので、そのためのプログラムもなく単に「現場に出て仕事を覚えろ」という捨て育ちにすることはOJTとは言わない


 1つ目は、上司の担当企業先に同行させてもらい、そこで打ち合わせ~研修実施の現場を肌で感じること。

 2つ目は、上司が手書き(当時はまだPCが普及しておらず、上司はワープロが苦手)で書いた原稿をワープロ入力する過程で、研修運営の構造を理解していくこと。

 3つ目は、社内にある既存の企画に目を通すことや、参考文献を読むこと。
 分からないことは図書館で調べること。

 そして最後に、顧客先に1人で行き、会話の中で分からないことを書き留め、戻ってから上司に教えてもらったり、自分で調べたりしながら身に付ける。

 これが、仕事を覚える方法でした。

 そして、社内の専門分野以外の知識や情報(世の中の動向や営業手法のトレンドやノウハウ)は、書店に行き、売れている雑誌や本をチェックしたり、何となく「ピン!」ときた書籍を手に入れたりして学んでいました。

 生命保険会社と人材育成会社。ある程度決まったことをシステムにのっとって仕事を覚えさせる会社と、常に新しい状況に対応しながら仕事を覚える会社。
 全て用意された中で手際よく対応することを求める会社と、常に未知のテーマを与えられ、試行錯誤しながら取り組むことを求める会社。当時はただガムシャラに取り組んでいたので全く気が付きませんでしたが、置かれた環境により、仕事の覚え方も異なるわけです。

 実は、今の40代以上の多くは、OJTで仕事を覚えてきた人達が大半です。
 その人達にとって仕事を覚えるとは、きっかけをもらいながら、自分でつかみ取っていくもので、誰かが教えてくれるまで待つという感覚が希薄です。そのため、誰かが教えてくれることが前提となる「習っていない」という表現に違和感を感じます。その理由は、この表現からとても受け身な印象を持つためです。

◆若手が「習っていません」という理由

 一方、当事者の若手側に視点を移すと、彼らが「習っていない」というのは、ムリもありません。
 というのは、大きく分けて2つの要因があるからです。

 1つは、採用環境の変化。
 20年前は、就職活動期に「会社が人材育成に投資しているか」を気にする人はほとんどいませんでした。
 しかし今は、採用時に「人材育成制度があるか」をチェックする人が増えています。そのため、採用情報には必ずと言っていいほど、人材育成について紹介があり、「基礎から丁寧に指導します」「OJTでしっかり仕事を身に付けていただけます」などの文言が添えられています。
 彼らにとってみれば、生命保険会社を例に挙げて紹介した、システムにのっとった人材育成こそ、イメージするものでしょう。

 もう1つは、仕事を覚えにくくなった環境にあります。

 IT化が進んだことにより、多くの仕事はパーソナルになっています。
 そのため、人材育成会社の例で紹介したようなOJT中心の育成は、上司や先輩の仕事を見て覚えることがしにくく、機能しないと言えます。

 また職場は余裕がない上に、年の近い先輩も少ないため、ちょっとしたことなどの相談や質問もためらわれます。

 結果、さまざまなことを1人で抱えた上、指示者の意向とズレが生じたアウトプットを出します。
 さらに評価されない経験を1度でもすると、そこで気持ちが萎縮します。気持ちの萎縮が起こると、それからは自己防衛を始めます。よって「習っていない」という表現をする必要が出てくるのです。

 彼らが「習っていません」と言う時は、何の他意もなく素直に言っている場合と、ミスや失敗をしたくないという自己防衛心から言っている場合があるわけです。

◆「やる気がないのか?」と思った時は

 ここからは、若手に「習っていません」と言われ、「やる気がないのか?」と思った時のアプローチ方法を紹介します。

 私は最初、彼らに「やる気がない」ことを前提にアプローチしました。そのため「やる気を出すためのアプローチ」に必死になって取り組みました。
 コミュニケーションを取る頻度を増やしたり、褒めたり、叱ったり、動機付けをするための方法論を試したり、仕事の心構え(自立姿勢)などを伝えていました。

 しかしコミュニケーションを取っていると、何となく違和感を感じます。彼らは伝えたことはしっかりやってくれるし、ミスや間違いもとても少ないです。
 私が20代のころよりも、はるかに優秀とさえ感じます。

 どうやら、やる気がないのではないのです。

 そこで次に試したのは、「仕事の覚え方」を教えることでした。
 私が人材育成会社時代にやっていた方法の一部を伝えることです。

 例えば、仕事は全体像を見せて、その中で今取り組んでいる業務の位置付けを伝え、その前後も考えながら仕事をすること。
 顧客先に同行する際には、議事録を書いてもらい、その議事録の中で分からない用語を確認し、それを調べる方法を教えること。

 1つの仕事が終わったら、課題を見つけてその改善策のアイデアをいくつか出してもらい、やってみてもらうこと。

 などです。

 すると「習っていません」という表現は使わずに、「ここはどうしたらいいですか?」や「自分としてはこう考えてみたんですが」という表現に変わっていきます。

 その方法が上手くいっているかどうかを測る目安として、私はメンバー1人1人の表情が明るくなっているか、口数の少なかった人の口数が増えているか。こんな点をポイントに置いています。

◆まとめ

 紹介したアプローチ方法は一例にすぎませんが、「習っていません」と言われ「やる気がないのか?」と頭をよぎった時の参考になれば幸いです。

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※この記事は、誠ブログのひといくNow! -人材育成の今とこれから-:「習っていません」と言われると、「やる気がないのか?」と40代以上が思うワケより転載、編集しています。


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