引用記事〈想像力の領域―小原篤のアニマゲ丼(2010年12月6日)〉『マンガ「妹ぱらだいす!2~お兄ちゃんと5人の妹のも~っと!エッチしまくりな毎日~」』なぜ不健全図書?



朝日新聞デジタルより、完全無断引用です。

都庁の人に聞いてきた


小原篤リンク済み






東京都が青少年健全育成条例に基づいて「不健全図書類」に指定した漫画「妹ぱらだいす!2」が、書店から自主回収されていることがわかった。
複数の大手書店などによると、発行元の出版大手・KADOKAWAから「諸般の事情に鑑み、店頭から撤去し、返品して下さい」と書かれたファクスや電子メールが、おわび文とともに17日までに届いたという。

 漫画本は近親者間の性行為を描く内容で、都の審議会は12日、「社会規範に反する性交を著しく不当に賛美している」と答申。
都は2011年の条例改正で設けた新基準の「社会規範に反する性行為を著しく不当に賛美し誇張する」場合にあたるとして、不健全図書類に16日付で指定していた。



《こちらが指定されたマンガ版です》
問題は〈18禁指定〉されていなかった!事のようです・・・

妹パラ表紙

『妹ぱらだいす!2-お兄ちゃんと5人の妹のもーっと!エッチしまくりな毎日-』
著者:御影石材
原作:MOON STONE Cherry
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KADOKAWAのマンガ「妹ぱらだいす!2~お兄ちゃんと5人の妹のも~っと!エッチしまくりな毎日~」が、東京都青少年健全育成条例のいわゆる「新基準」適用第1号となり、16日付で「不健全図書」に指定されました。

 おさらいしておきますと、都が2010年12月に改正し翌11年7月に施行した同条例は、従来から規制対象だった過激な性描写などに加え、強姦(ごうかん)や近親相姦といった設定の性描写を含むマンガやアニメに新たな規制をかけました。
 本欄はこれまで、強姦や近親相姦のグレーゾーンについて考えた10年12月6日の回「想像力の領域」、その疑問を都の担当者にぶつけた11年8月29日の回「都庁の人に聞いてきた」などで、この条例の新基準について書いてきましたので、ついに初適用!とあっては放っておくわけにいきません。紙面でも、都の見解や出版社の対応や識者の意見をまとめて記事にする予定ですので、さっそく「妹ぱらだいす!2~お兄ちゃんと5人の妹のも~っと!エッチしまくりな毎日~」(長いので以下「妹ぱら2」)を本屋で買って、読んでみました。

 結論から言うとこうです。「近親相姦であることは間違いないが、これのどこが条例の言う『不当に賛美・誇張』にあたるのか?」というのが私の感想。
 「近親相姦がよくないことであると表現されていないので『不当に賛美・誇張』にあたる」というのが都庁の人の答え。さあ! それでは詳しく書くことにいたしましょう。少々エッチな表現が出てきますので、その点はご留意、ご容赦を。



妹ぱらだいす! 2 ~お兄ちゃんと5人の妹のも~っと! エッチしまくりな毎日~妹ぱらだいす! 2 ~お兄ちゃんと5人の妹のも~っと! エッチしまくりな毎日~
(2013/05/31)
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〈原作となるゲームのパッケージです〉
もちろん最初から〈18禁成人指定!です。




 マンガやアニメに新たな規制を設けた東京都の青少年健全育成条例について先日、都庁の人に聞いてきました。
昨年12月の本欄「想像力の領域」で条例改正案(その後可決・成立し、7月に施行)に対して抱いた疑問を書きましたが、記者として書きっぱなしではイケナイと思い、都庁で担当者に質問をぶつけてみたのです。

 新条例は、強姦(ごうかん)など刑罰法規に触れるような性行為や、近親相姦など著しく社会規範に反する性行為を「不当に賛美・誇張」したマンガやアニメを18歳未満に販売しないよう規制するものですが、強姦か否か、近親相姦か否か、判断に迷うような設定をいくつも思いついたので、列挙して「コレはどっち?」と聞いてみました。答えて下さったのは都の青少年・治安対策本部総合対策部の安井一彦連絡調整担当課長と、総合対策部青少年課の天草士健全育成係長のお二人。

 まず私から、「これこれこういう設定の作品があったとして、性描写の度合い(性器や体液の描き方など)だけでは『不健全図書』にあたらないレベルで、新条例の規制対象になり得るかどうかは強姦や近親相姦にあたるかあたらないかで決まる、というのが質問の前提です」と説明しました。
 安井さん天草さんからは「ここでお答えするのは個人の見解であって都の見解ではないので、これを教科書のようにとらないでほしい。実際の図書を見ないと分からないケースもある」。

 前置きが長くなりましたが、始めましょう。
 性にまつわるあまり上品ではない言葉も出てきますが、その点はご容赦を。

 【設定A】タブーを犯す快楽を賛美しながらセックスにふけるきょうだい。しかし実は血がつながっておらず、きょうだいではないが、そのことを誰も知らない、あるいは知らせないので、2人はこれが近親相姦だと思い込みながらセックスを続ける。

 私「これは近親相姦にあたりますか?」

 天草係長「条例は『婚姻を禁止されている近親者間における性交もしくは性交類似行為』が対象なので、この2人が民法で婚姻を禁止されている近親者にあたらないことが作中に明記されていれば、規制の対象とはなりません。似たケースで、例えば作中でずっと『おにいちゃん』と呼んでいても近親者でなく『幼いころよく遊んでもらった近所のおにいさん』という設定だと書かれていれば、これも該当しません」

 【設定B】仲よくセックスする男女。本人たちは知らないが、実はきょうだいである。
 そのことを誰も知らない、あるいは知らせないので、2人は普通の男女のようにセックスを続ける。

 天草係長「これは近親相姦にあたります」

 【設定C】母が不倫をして生まれた娘と、その不倫相手が妻との間に作った息子。
 2人は腹違いのきょうだいだがセックスをする。戸籍上はきょうだいではなく、結婚もできる。

 私「戸籍上は他人だが血はつながっている、と作中に書かれている場合です」

 天草係長「近親相姦にはあたりません。これを『あたる』としてしまうと『都が拡大解釈を始めた』と言われかねない。あくまでも条文にある通り『刑罰法規に触れる性交・性交類似行為』か『婚姻を禁止されている近親者間』に対象を絞っています」

 安井課長「条例が根拠とするものは法律、刑罰法規や民法ですから」

 私「Aはモラルをおかしているような描写があり、Bはまるで普通の恋人同士。しかし判断は戸籍上どうなのかが基準ということですね。だからCもあたらない」

 天草係長「倫理上そっち(設定A)がよくないというのはその通りだが、条文でこう言っていますので」

 私「刑罰法規や民法に基づき、条文通り運用するのが都の基本姿勢ということ?」

 天草係長「その通りです。条文の文言にそって運用していくということです」

 【設定D】母の愛人だった男とセックスをする女。
 血のつながった親子の可能性が高く、2人ともそれを承知していながら背徳的なセックスにおぼれる。
 本当の親子かどうかは作品内では明かされない。

 私「ではこれも近親相姦にあたらない?」

 安井課長「あたらない。劇画にありそうな話だな」

 【設定E】嫌がる女性をムリヤリ強姦する男性。
 しかし結末で、それは強姦のフリをして2人が「陵辱プレイ」を楽しんでいた、と明かされる。

 私「これは強姦にあたりますか?」

 天草係長「刑罰法規に触れるかどうかで判断する。合意の上の行為なら強姦にはあたらない」

 【設定F】仲よくセックスをする男女。
 実は、女には「本心とは正反対の言動をしてしまう」魔法がかけられており、男を喜んで迎え入れていた言葉やしぐさは、本心とは正反対のものだったと結末で明かされる。

 安井課長「強姦にあたるでしょう」

 私「Eは、どう見ても強姦、という描写があり、Fは仲のよい男女の性行為にしか見えない。それでも刑罰法規に照らしてどうか、ということですね」

 天草係長「Fの魔法は、女性と性交するために麻酔をかける、というケースに似ていると考えられますね」

 私「セックスしていたきょうだいが結末で実は戸籍上きょうだいではなかったと分かる、といった話がもし上下巻に分かれていたら、どうなります?」

 天草係長「上巻だけ読めばきょうだいとしか見えないのなら、そしてその性行為がいいことだと描かれていたら、下巻を見ない子だっているだろうと考えると、上巻は規制の対象となり得ます」

 私「同じ物語でも、1冊にまとめて出したら対象外で、上下に分けたら上巻のみ対象に?」

 天草係長「1冊でまとめて、最後にきょうだいでなかったと描かれていたら対象とはなり得ない」

 私「セックスしていた男女が2巻目で『きょうだいでした』とわかる。この場合は?」

 天草係長「2巻目は対象となり得るが、第1巻だけ買った子が普通の男女の恋愛として読んでいるなら1巻は対象となり得ない。単体で判断します」

 なるほど。
 強姦や近親相姦については、モラルを踏みにじったように見える描写があっても法に照らしてどうかで判断する、いわば厳密な「形式主義」を取るのだと私は受け止めました。条例では、近親相姦や強姦(そのほか刑罰法規に触れる性行為)にあたるとしてもその上で「不当に賛美または不当に誇張した表現」でないと規制対象にはならないことになっていて、「不当に賛美・誇張って?」というなおあいまいに思える部分はありますが、今回お二人が示した見解は、グレーゾーンをできるだけ狭めるという意味で評価できます。
 ただ、例えば設定Cが近親相姦にあたらないとなると、規制の賛成派からも反対派からも「そんな規制に意味があるのか?」という疑問が湧くのでは、とも思えます。

 さて実は、天草さんも安井さんもウーンとうなって「わかりません」と答えた設定が一つあったのです。

 【設定G】ある男の妻と娘の人格が事故で入れ替わり、「体は妻だが人格は娘」の女aと、「体は娘だが人格は妻」の女bが存在することになった。
 aとのセックスは近親相姦にあたるかあたらないか? bとのセックスは近親相姦にあたるかあたらないか?

 私「人格と肉体に分裂してしまった場合、戸籍上その人と判断されるのはどっち? という疑問なわけです。モラル上の問題とすると、犯す相手が娘の体か娘の人格か、ということに」

 安井課長「モラル上はどっちもいけないことだとは思うが…議論の余地はありますね」

 私「これは実在する有名作品の設定をアレンジしました。単なる描写の過激度でなく、物語の設定に踏み込んで規制をかけるなら、ああいうケースは、こういうケースはどうなんだ?という思考実験を事前に――」

 安井課長「してもらいたかった?」

 私「はい」

 18歳未満に売ってはいけない「不健全図書」の指定は、関係業界や保護者の代表、学識経験者らで構成する都青少年健全育成審議会で判断します。
 施行後の7月に販売されたものを対象とした8月の審議会では、新条例に関しては該当なしだったそうです。安井課長は「自主規制がそれだけ効いているのかも」と言いましたが、私としてはそれが「萎縮」でないことを願います。天草係長は「強姦や近親相姦にあたるのかあたらないのか、大事なセリフを読み落としたりしないよう、我々も審議会に本をあげる際に慎重に内容をチェックしなければならないし、審議会の委員にもストーリーを読むためにじっくり時間をかけてご覧いただくという考えだ」と話していました。

 以上、長くなりましたが都庁取材の報告でした。今回の都の担当者の回答を読み返すと新たな疑問がまたイロイロ出てくるのですが、ひとまずはここまで。



青少年健全育成条例の改正点を解説した東京都のパンフレット

http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/
seisyounen/pdf/08_jyourei/jourei_kaiseiten.pdf

※想像力の領域―小原篤のアニマゲ丼(2010年12月6日)


何かのCMのように「何も足さない何も引かない」のが良いという、具体的事例ととして《無断》で大変失礼ではありますが、ここに全文引用させていただきました。

今回の処置について、作品にはアダルト・美少女アドベンチャー・ゲームと呼ばれる、予め〈18歳未満購入禁止〉と、売り手側の定めた「成人指定版アダルト・ゲーム」されたモノが存在します。
これはレッキとした?「成人指定版」として、販売されていますので今回の規制の対象には、当然入っていません!今回の規制対象は、飽くまでもこれのゲームを原作としてマンガ化したものを、コミック本化して出版されたモノです。

こちら(マンガ本)は自主規制の無い、一般のコミックとして発売された為に、今回規制の対象になったようです。
現在出版元のKADOKAWA側は、「予め見本誌を送って確認してもらった」として、不服を申し立てていますが、既に記事にあるように「混乱を避ける為」として、自主回収を行っています。ただ今後の都の諮問次第では、裁判も辞さ無いとはしているようですが、連載掲載誌が一般誌であった為に、一般コミックとして販売した事が問題のようです。
ですから、改めて「成人指定版」のコミックとして発売すると言う事に、なるのでは無いでしょうか?

ただ〈18禁〉の「成人指定コミック」となると、いきなり大幅に売り場が狭くなります。
地方によっては、半径100キロ圏内に「成人指定コミック」を販売している、書店などは無いッ!というところも、少なくありません。実際に都会に住んでいても「中小書店の過疎化」と、「大規模書店がショッピング・モールの一角として進出」により、結局小売店舗で「18禁・成人指定」のマンガ本を手にする事は、極端に難しくなっています。
当然のように、そのような読み手を限定するものは、発行部数が極端に少なくなり、結果的には1冊の単価が上がり、ますます手に入り難くなります。読み手(購買者)を限定する事により、より厳しいというか難しい選択を迫られます。

今回話題になった作品で言えば、確かに一般マンガとしては煽りが過激かも知れませんが、内容としてはいわゆる最初から、「成人指定」を意識した作品と比べるには、明らかに無理があります。
簡単に言えば、「成人指定マンガ」としてはどうしても、表現が緩い!と言わざるを得ないと思います。理由は当然の事ながら、本来が一般マンガ誌の連載作品ですから、これはもう仕方がありません。困った事に特に、年少男子及び成人前男性に向けたマンガ作品には、多くの場合にこの「成人指定」と「一般販売」の間に、大きな溝がありそれが根本的に矛盾を生んでいます。

分かり易く言えば、「少年マンガ誌はキスが限界でそれ以上は結婚してから!(する事が前提!)」という、ほぼ暗黙の了解があります。
ところが、これがいわゆる青年誌になるといきなり「ラブホテル行こうか?」この強烈なギャップは、いわゆる恋のABCで良く揶揄として使用されます。
純朴な青年は、Aを手を繋ぐもしくは話しをする!として、何と「Z」で祝結婚!!おいチョット待て!と言いたくなりますが、特に少年マンガ誌では、告白の次のページで結婚式のシーンというのは、いわば鉄板です。
逆に青年誌では、いきなり「Cから始まる」事も、珍しくはありません。

そんな元々の問題を残したまま、見当ハズレな方から「規制という名の締め付け」を行えば、少年マンガから性行動や衝動を伴う、もしくは無関係な身体的露出や、接触行為などは簡単に消え去ります。
そして、男ばかりの疑似恋愛行為?や、高校生のハズなのにやたら女子の出番の無い、不自然な作品。そして、中学生という設定ハズなのに、やたらと偉そうな男ばかりと、子供っぽい女子ばかりという、不思議な世界。そこでやむなく異世界とか、宇宙からとか大人っぽい、あるいは事実大人な女性を絡める事で、有り得無いハーレム型のコメディにしてしまうとか……。

少女マンガや女性マンガどれだけ苦労して、思春期(もう死語でしょうか?)の第2次性成長期を迎えた、深刻な女の子の心と体の悩みを、マンガという媒体を通して描いて来たのか?
これに対して、真正面から少年マンガでこの問題に取り組んだ人が、あるいは向き合おうとした作品がどうなったのか?死屍累々の現状を見れば、語る事もありません。

一応最後に、作者自身が「まだまだ少女マンガ的」と評している、津雲むつみ氏の彩りの頃ウイキペディアフリー百科事典Wikipediaリンク済みと向き合えるような、少年マンガや青年マンガがあるのか?大いに疑問です。


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尤も活字が苦手な人に、「書籍の優劣を判断して貰う」事と同様、マンガやコミックそしてアニメを見慣れていない人に、それを要求する事自体無意味だと思います
同様に、東京都のいう諮問機関、「有識者懇談会」のメンバーでマンガやアニメの好きな人って、いるのでしょうか?マンガそのものを読むのが苦痛な人に、判断して貰っても困るんですが・・・。
ちなみに石原元東京都知事は、「漫画は『のらくろ』しか知らない」と、豪語していたそうです。



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