劇場版名探偵コナン『異次元の狙撃手(スナイパー)』について、出て来る銃器など。



劇場版名探偵コナン異次元の狙撃手スナイパーの作品そのものではなく、この作品の中でもう一つのキャラクターとも言える活躍?をした、銃器。
特に狙撃銃に関して、その銃弾と共に考えてみたいと思います。

なお、本来銃弾の大きさ(口径)をインチ表示する場合(特にアメリカ製の場合)、1/1000インチ単位になります。
つまり45口径とは0.45インチになりますので、必ず本来は数字の前には小数点を付けて表示するのが、正式なのですが、ここでは小数点を省かせていただいています。
ですので有名な0.44インチの直径を持つマグナム拳銃弾は、「.44(口径)マグナム弾」と表記すべきですが単純に44マグナム弾と、表記させていただいています。また読み方も、44マグナム弾の場合は「よんじゅうよん・まぐなむだん」と、2桁は10進法で、逆に357マグナム弾のように、3桁以上のものは「さんごうなな・まぐなむだん」と数字の並びで、読んでいただくつもりで、表記します。
その理由は、簡単に言えば「アメリカの現地の呼び方」を参考にしたものだと、御理解下さい。映画を見ても決して、ダーティ・ハリーに扮するクリント・イーストウッドは、「フォーフォー・マグナム」ではなく、「フォーティフォー・マグナム」と呼んでいます。
逆に357マグナム場合は、そもそもが通常のこの場合38口径ですが、それと同じ口径で在る事から、差別化を図りたいのか、同じ口径でも銃身内で渦巻き状に掘られた溝(ライフリング、これにより弾頭は進行方向に対して、横回転を与えられ、与えられ無い場合よりも遙かに安定した直進性を、得る事が出来ます。)。当然ですが、溝の山同士と谷同士では僅かに直径が変わります。
通常は谷同士の直径で口径を決めますが、銃弾の都合によっては山同士の直径を用いて、銃弾の名前を決めます。この為38口径の銃弾なのに、357マグナムと38スペシャルという銃弾が存在します。なおこの場合は、標準の口径とは異なるので3桁でも、「さんびゃくごじゅうなな」とは呼ばず、「さんごうなな」と数字の並び読みになります。

アメリカ以外の主にヨーロッパの国では、イギリスを除いてメートル法で統一されている為に、ミリ単位の口径の大きさ表示を行いますが、例えばアメリカ製の銃の口径や銃弾の種類を呼ぶ時には、慣例としてインチ表記を使うようです。
ですが、アメリカが主導権を持っている有名な「北大西洋条約機構」通称NATOと呼ばれる組織の、連合軍では銃器や銃弾が共通しないと、非常に不便ですのでいわゆるNATO弾というのは、欧米共通でメートル法を用いています。
特に、機銃(重機関銃からライフルまで)用の銃弾は口径ミリ×薬莢の長さで示されるので、NATO弾以外の機銃弾とはまた違うややこしさがあります。

なお基本的に拳銃弾でもそうですが、口径が20ミリを越えると銃弾ではなく、砲弾となります。
これはインチ表示では、ほぼ55口径に当たります。ですので、現在拳銃の最大口径はこの50口径で、これを越えると拳銃用でも機銃用でも一応「砲弾」という表現になると思います。


〈50口径マグナム弾の威力!?〉




ここで面白いのは、フルメタル・ジャケット(FMJ)タイプの世界を2分している拳銃弾、45ACPと9ミリ・パラベラム弾の双方の威力が、実はこの軍用弾頭(FMJタイプはその名の通り、弾頭全体が鉄や真鍮製のカバーに包まれています)に限り、ほとんど同じだと言う事です。
ちなみにFMJタイプは軍用で、警察や治安司法機関などと民間用の場合は、弾頭の鉛が露出しているホロー・ポイントと呼ばれる、貫通力は弱い変わりに命中直後の破壊力の大きい弾頭が使用されます。これは、民間人の犯罪者等の相手をする場合、まず1撃で相手の行動力を奪える事。それから、うっかり貫通させて背後の一般人に、間違っても二次被害が及ばない事が理由だそうです。
軍事目的の場合は、前線の敵兵を1人でも多く減らす事が目的ですので、何も確実に致命傷を与える必要はありません。むしろ1人に怪我を負わせれば、その1人を後方に運ぶ為に他に2人以上の兵士が必要となり、1発で3人分の兵力を減らす事が出来て、効率的だというのですが、さて‥‥‥。


〈拳銃弾、9ミリ・パラベラムと45ACPの比較〉




45vs9

〈拳銃弾比較・左から、44マグナム/
38スペシャル/45ACP/9ミリ・パラベラム
(9ミリ・ルガー弾)/25ACP〉


45vs91A.jpg

〈左9ミリ・パラベラム、右の45ACPです。
これが、弾頭鉛露出型のホロー・ポイント弾〉



また現在最大の機銃弾(重機関銃からライフルまで含みます)はNATO弾では、12.7×99ミリでこれはアメリカの50BMG(50口径、ブラウニング・マシンガン弾)と同じです。



14・5x114弾A


例外として、元々旧ソ連で第2次大戦中に対戦車用ライフル弾として開発された、非常識な大きさと威力の機銃弾カートリッジがあります。
それが現在もロシアを中心に、広く旧東側の戦闘ヘリコプターなどの、機銃弾として普及しているこの14.5×114ミリ弾です。


《機銃弾の実際の大きさ》

99mm対比

〈12.7×99ミリ・NATO弾の大きさ比較〉


ダミーですが、NATO弾最大の機銃弾(元々重機関銃弾で、現在でも戦闘ヘリを始め戦車などに搭載されている機銃用に、使用されています。)で、大きさを現すネーミングの数値は、12.7×99ミリNATO弾!



《CG画像による機銃弾の大きさ比較》

CG銃弾比較03

〈向かって右から2つ目、規格外の元ソ連製14.5×114ミリ
弾。実用の機銃及びライフル用の銃弾としては、文句無く最大。
その右隣が、通称50BMG(50口径ブラウニング・マシンガン)
現在、最大の12.7×99ミリNATO弾です。右端のガトリング
機銃用20ミリ弾頭は、「20ミリ以上は銃弾ではなく砲弾
という規定により、もはや銃弾という枠には入りません。〉



12.7×99ミリ、NATO規格では最大の機銃弾です。
同じものですが、50BGMとも呼ばれているのはこれがアメリカ製で、自動銃器作りの天才ジョン・ブラウニング(日本ではブローニングの方が有名ですが、発音としてはこちらの方が正しいそうなので、ブラウニングと表記させていただきます)が何と、第二次大戦末期に自らが設計したM2重機関銃用の機銃弾として、開発したものだそうです。


M2重機関銃B

〈ブラウニング・M2重機関銃〉


P-51H2.jpg

〈P-51H戦闘機〉


余り楽しくない歴史ですが、この機関銃と銃弾はその第二次世界大戦でアメリカと戦っていた日本に向けて、多く使用されました。
戦争の末期に投入された、アメリカ陸軍の戦闘機P-51・ムスタングなどの機銃として搭載され、民間人に対する機銃掃射などにも使われました。
特に敢えて、昼間の焼夷弾による絨毯爆撃とP-51の低空を低速で飛ぶ能力及び、その時の機銃掃射の威力を、《実験的》に行ったと言われている、1945年05月29日に行われた「横浜大空襲」では、101機のP-51の一部が非戦闘民間人を狙い撃ちにするという、当時でも戦時の国際法違反で、多大な被害が出たそうです。
また、密集爆撃の為に517機ものB29が、平均すると20センチに1発の間隔で、焼夷弾を集中的に木造住宅密集地に投下し、焼け野原としました。この規模は、あの1945年03月10日の「東京大空襲」を、遙かに上回るものでした


〈TVアニメ『夏のあらし!』第1期・11話参照〉


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ついでですが、その日本と戦った第二次大戦時からつい最近まで、アメリカ軍の正式採用拳銃だったコルト・ガバメント。
正式名称が、コルト・オーマチック・ピストル1911A2、その味気ない正式名称が示す通り、開発は1911年です!そしてその為に開発されたのが上の写真の、45ACP弾(ACPとはオート・コルト・ピストルの略、そのままです!)。
その上更に、その45ACPと世界を2分する自動拳銃弾が、これも上の写真にある9ミリ・パラベラム弾ですが、これは何とあの第1次大戦で、ドイツ軍の正式拳銃として採用されたルガーP08用に同じく1908年に開発したのが、9ミリ・ルガー弾です!これがそのまま、今日の9ミリ・パラベラム弾として、現在はアメリカ軍も採用しています)ちなみに、1908年とは日本では明治41年で、1911年は明治44年になります。


〈ルガーP08〉

P-08・01


さて、今回話題にする劇場版名探偵コナン異次元の狙撃手スナイパーでは、タイトルにも在る通り「狙撃」がもう1人の主役級の活躍?をします。


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そして、映画の冒頭でいきなりその遠距離狙撃の、脅威が見せ付けられます。
その主役とされたのが、MK-11と呼ばれる狙撃用セミ・オート・ライフル(フル・オートは引き金を引き続けたまま連射できる事で、セミ・オートは1度引き金を引けば1発を発射出来る機能です。)です。
これに対して、狩猟や狙撃用の長射程ライフル銃に良くあるのが、ボルト・アクション式と呼ばれる、単発式です。自動式と違って、1発撃つ度に射撃手がボルトを引いて、空薬莢を排出して狩猟用の場合には、ここで更に狙撃手が1発ずつ弾込めをするものが主流です。
軍事及び司法公安機関用の場合は、現在では数発から数十発の弾は、自動的に装填されます。単発式は、より構造が単純で銃弾の発射エネルギーを、まさに発射の為だけに使える上、手入れも容易なので趣味の狩猟や競技には向いています。
しかし戦場やどんな武器を持っているか分から無い、犯罪者やテロリスト相手にはやはり不向きなようです。



MK-11
(主に軍用、民間用はナイツSR-25)
使用銃弾
7.62mm×51・NATO弾(308ウィンチェスター弾と同じ)

mk11m0.jpg




 アメリカ海軍と同海兵隊で「MK-11」の名で採用されているほか、2005年には同陸軍のM24-SWSの後継として、本銃の発展型が「M110-SASS」の制式名で採用された。なおUSSOCOMでは、既存のMK-11を、M110のアッパーアセンブリに換装したモデルを「MK-11・Mod1」、M110のコンプリートモデルを「MK-11・Mod2」としている。またアメリカ国外では、イスラエル国防軍とオーストラリア軍で本銃が採用されている。

 M110採用後は、SR-25はシビリアンモデルの名称となり、M110に準じた仕様に更新された。
フォアエンド部はRASからURX(Upper Reciever eXtending)に置き換えられ、ボディはアンビのマガジンリリースとボルトリリースボタンを備えたものとなり、カートディフレクターはオプションではなく、オリジナルAR同様のレシーバー一体型とされた。名称も「SR-25 EM(Enhanced Match)」へと改められている。




SR-25B.jpg





《前略》

〈アメリカ合衆国海軍〉

海軍のMK-11・Mod0 Sniper Weapons Systemは、このSR-25を基に開発されたライフルシステムであり、銃本体の他に装弾数20発のマガジン、クイックデタッチ(素早く着脱可能な)スコープリング、リューポルド製 Vari-Xミルドット光学スコープ、ハリス製バイポッド、ナイツ製クイックデタッチサプレッサーそしてバックアップ用のアイアンサイトが標準装備されている。MK-11・Mod0は、米海軍特殊部隊SEALsの要求事項を満たすように開発された。
米海軍での採用後のMK-11既存の銃の中でも非常に信頼性が高く、また、最も精度の高いセミオート狙撃銃の一つであるとして世界中で認知されるようになった。 このMK-11・Mod0は308ウィンチェスター弾とほぼ同一規格のマッチグレード7.62×51mm NATO弾を使用する。
ナイツアーマメントによると、このシステムの最大の売りが銃身のフリーフローティングを実現する、レールシステムであるという。これによって銃を保持している時や、バイポッドを使用して地面に依託している際にもレールハンドガードを介して力が銃身に掛からず、最高の精度を発揮する。長さ288mmのナイツアーマメント製レールシステムも、素早く取り付け外しが行える。

このMK-11は同じくナイツアーマメント製のXM110-SWSと外観が非常に似ているが、レールシステムが異なるほか、ストックが折りたたみ式になっており、さらに銃口には一体型のフラッシュサプレッサーが搭載されている点で異なる。


〈アメリカ合衆国海兵隊〉

アメリカ海兵隊ではSR-25M(上述のMk-11と同一の銃)をスナイパーライフルとして使用している。
2005年11月、海兵隊はイラクに派遣されている海兵隊の第二外遣隊司令官などからの要求を受けて、180丁のMK-11・Mod0を導入すると発表した。現在海兵隊で使用されているM-40スナイパーライフルは都市部での狙撃任務に適さないという報告が来ているという。
主武装をM40A3にする場合、狙撃位置の変更を行う際の自衛用に2丁の銃(M16A4とM9拳銃)を副武装として携行する必要があるが、SR-25は装弾数が20発あり、1丁で狙撃から緊急時の自衛射撃も行えるという。

引用者註:M9拳銃とは1世紀近くに渡って、アメリカ軍の正式拳銃だった45コルト1911A2(通称は官給品を意味する「ガバメント」)の45ACP弾に代わって、新しく採用されたアメリカ軍正式採用の拳銃ベレッタM92の事です。
当然弾丸も9ミリ・パラベラム弾に、変わりました。アメリカ軍が正式採用銃器に、自国のものを採用しなかった事は極めて珍しく、色々と物議を醸したようです。


ベレッタM92B

〈ベレッタM92〉
(現在はM9が正式名称だそうです。)



《後略》





MK-11の原型?SR-25の実写映像



チェイタックM200

使用銃弾
(専用408/375チェイ・タック弾)

チェイタックM200B





アメリカのチェイ・タック(Cheyenne Tactical/シャイアン・タクティカル)社が販売する大口径ボルト・アクションライフル。
M200インターベンション(調停、介入)は、チェイ・タック社がLRRS(超長距離射撃用ライフルシステム)と呼んでいる、弾道計算用コンピューターと同社独自の408チェイ・タック弾をセットとしたシステムの中核となるライフルである。 
ライフル本体は、同国の大口径ライフルメーカーであるEDMアームズ社が製造しているもので、同社が1996年から製造・販売している『ウインドランナーM96』とほぼ同等の製品である。M200は、これを元に408チェイ・タック弾に合わせて設計された。

408チェイ・タック弾は、338ラプアマグナム弾と50BMG(12.7×99mmNATO弾と同じ)の中間にあたる弾薬で、.50BMGより低反動ながら、338ラプアを超える2km超の長射程を実現している。
またPDA型の弾道計算用コンピューター「ABC」が付属し、気候条件などを反映するのに必要な、射手自身のノウハウに基づいた煩雑な暗算を肩代わりし、かつ精密な長距離狙撃が行えるようになっている。さらに印刷された弾道計算用のデータ集も付属しており、電池切れ等の不測の事態にも考慮されている。
ただ、これだけの性能があっても、408チェイ・タック弾の製法が特殊で、大量生産に向いていないことから、軍への大口採用のネックとなっているようだ。しかし、この特殊弾の超遠距離における精度の高さは、ホビーシューターには注目されており、小型版の375チェイ・タック弾と共に、様々なライフル用のコンバージョンキットが販売されている。

M200には、通常モデルの他、短銃身タイプの「M200カービン」や、CFRP製の軽量ストックモデルなどのバリアントが用意されていたが、現在は名称が統一され、仕様の違いはオプションとなっている。




〈チェイタックM200・狙撃銃の動画〉




さてこうなって来ると、そもそもライフルの射程距離や威力は、何で決まるのか?という事が、何よりも問題となってきます。
もちろん答えは、銃弾です。ここで重要なのは、どんな銃器が優れていても、使用される日本語では実包。通常はカートリッジと呼ばれる、現代のスタンダードな銃弾のスタイルがあります。
これは、拳銃弾でもライフル弾でも、基本構造は同じです。では、その基本構造はどうなっていて、何を持って優れた銃弾。あるいは優れた銃器と言うのか?を考えてみます。

先ずは銃弾、実は未使用の銃弾は日本語では「実包」と言う名前があります。
しかしほとんど使われていない為に、身近に本物の銃器が無い日本では、銃弾・弾丸・未使用の銃弾?という言葉が、入り乱れて使われています。多少リアリティのある小説やマンガ・アニメ、そして実写ドラマになると「カートリッジ」という言葉が、いわゆる未使用の銃弾に関して使われます。これはアメリカなどでも使われ、映画などでも出て来るので、最も一般的な表現と言えると思います。


拳銃弾構造

〈拳銃弾の内部図解〉


機銃弾内部2

〈機銃(ライフル)弾の内部〉


図にも書いてある通り、先頭が弾丸もしくは弾頭で、直接飛んで行くのはこの部分です。
その後ろの「ケース」ですが、通常は日本では薬莢と呼んでいますが、ここに火薬が詰まっています。結局、銃の威力とはこの火薬の質と量。それが爆発する勢いで、飛び出す弾頭もしくは弾丸の大きさや形で、ほぼ決まっています。いわゆる射程距離(有効射程・最大射程共に)も、威力も単純にいえば火薬量と弾頭の形状や重さで、決まってきます。

ちなみにこれに慣れていない、日本人が良く勘違いするのは、「空包」です。
いわゆる大口径の、砲弾のように更には大昔の大砲のように、まず火薬を詰めてそれから砲弾を入れるタイプで在れば、その砲弾入れずに中の火薬がこぼれないように上に向けて撃てば、弾は出ずに音だけ響きます。ところが、このカートリッジ式の場合、弾頭が即ち弾丸であり、同時に火薬ケースの蓋の役目をしています。
よくTVドラマや映画などで、この弾頭を予め外して、カートリッジを蓋の無い状態にする事で、「空包にした」という表現がされますが、これは大きな間違いです。なぜなら弾頭を外した薬莢は、蓋の無い筒状態なので、簡単に中の火薬がこぼれてしまい、まったく役に立たない。音もしなければ、周囲に火薬を撒き散らす事で、むしろ危険だったりします。

この為、銃弾の空包とは特別に作られた「空包弾」が、使用されます。
しかし、どんなに軽くて柔らかい材質で作ろうとも、蓋の部分は火薬の爆発により銃口から、飛び出します。日本の場合そもそも本物が使えない事から、模造銃に発火装置を付けて、あたかも火薬が炸裂したように見せるのが、伝統でした。しかし昨今はCG特撮の発達で、あたかも本物のように、後から発射の際の火花を合成する事が、多くなっています。
逆にアメリカのハリウッド製実写映画などでは、なまじ本物が使えるだけに稀に空包弾を使って、撮影する事があるそうです。
しかし、飛び出した蓋の部分が運悪く命中して、役者が怪我や時に死亡事故さえ起こる事が、あったそうです。
現在では、本物を改造したりしたいわゆるステージ・ガンやブロップ・ガンと呼ばれる模擬銃で、後からCGで火花を描いたり、銃弾とは無関係の花火の要領で、火花を出したりしているそうです。ただ、特に同時に薬莢も排出される、自動・オートマティックの銃器の場合には、その都度工夫が必要で撮影現場では、様々な苦労が絶え無いそうです。なお、自動拳銃の空包弾では、完全に排莢させる事が難しい上に、実銃の場合スムーズにスライドカバーを、後退させる事も難しいようです。
現実に実銃で空砲を撃った場合などは、いちいち発砲の都度その場で空包弾の薬莢を、手動で取り除かなければなら無くなります。ですので余程の事が無い以上は、先に説明したステージ・ガンとかプロップ・ガンと呼ばれる、実銃そっくりか実銃を撮影用に少し改造した、模擬銃を使用するそうです。

有名なところでは、拳銃そのものがもう1人の主役と呼ばれた、アメリカ映画『ダーティ・ハリー』に登場し、以降爆発的な人気を誇る、44マグナム・リボルバー拳銃のS&W・M29があります。
それまでは、「威力が在り過ぎる」とか「拳銃なのに大きくて重いとか」などの理由で、売れ行きがサッパリの不人気商品の為、銃砲店で簡単に手に入らず撮影までに必要な、各種のM29が手に入らないという、状況だったそうです。それでこれは有名な話しですが、監督のドン・シーゲル氏自らがS&W本社に手紙を書き、協力を要請したとの事です。
これを千載一遇の宣伝のチャンスと判断した、S&Wの首脳陣は全面協力を監督に申し出ると共に、撮影用の各種ブロップ・ガンを実際のM29設計制作メンバーに依頼し、撮影現場にはS&W専任のインストラクターを派遣し、M29の撃ち方はもちろん、細かい使用法まで主演のイーストウッド氏に伝授したそうです。その為このダーティ・ハリー版のM29は、それまで発売されていた6インチの銃身ではなく、6+1/3インチというやや大きく長い特製のモノになったそうです。
しかし、映画のヒット以降爆発的に売れ出したM29に、映画と同じ仕様を求める声も多く、S&Wは改めて6+1/3インチ・バージョンや、8インチというロング・バレル(銃身)も売り出したそうです。

ちなみに、『ダーティ・ハリー4』に登場する44オートマグに関しても、同様のエピソードがあります。
映画に登場した44オートマグは、8+1/3インチのロング・バレルですがこれは製作者自らが、イーストウッド氏に贈った特注品で世界に二つと無い事から、シリアル・ナンバーの刻印が「CLINT-1(クリント・ワン)」となっている事は有名です。
更にこれを気に入ったイーストウッド氏が、自らが監督も務めた「ダーティ・ハリー4」で使用する事にした為。その撮影用の銃もこれも同様に特注品として、同じ銃器メーカーで作りこれに「CLINT-2(クリント・ツー)」と刻印したのも、有名な話しです。

さてもう一度図解に戻ると、その火薬の詰まったケースの奧、つまりカートリッジの一番後ろに、日本語で「雷管」と呼ばれる装置が付いています。
この「雷管」の発明が、現在使用されている近代銃器の、まさに原型を形作る事になります。雷管とは要は発火装置であり、撃針と呼ばれるピンを背後から叩く事により発火し、カートリッジ内の火薬に引火させます。現在の銃器の普及・発展は、まさにこの雷管の発明に他ならない!と、言えるでしょう。
ちなみにこれは逸話があり、そもそもはスコットランドのとある教会の牧師様が普段は非常に勤勉に、また熱心に活動されていて近隣の住民からも、信頼し尊敬されていました。ただこの神父様には、チョッとらしからぬ趣味があって、それが狩猟。特に、教会の裏の沼で鴨撃ちをするのが大好きだったそうです。
ちなみに宗教的には、肉食や狩猟を禁じられてはいませんから、牧師様だからやってはいけないという事は、なかったそうです。ただ問題は、その趣味が行える日は全ての人が仕事をしてはイケナイ。そう、日曜日は安息日で神父様といえども、午前中にミサや日曜学校があるかも知れませんが、基本的はお勤めはお休みの日です。
つまり、自分の趣味に使うにはこの日曜日にしか、許されていません。ところが教会のある地方は季候が悪く、雨の日が多かったのです。ちなみにこの気候は作物の栽培には適していて、農家は大いに助かっていたそうなので、牧師だから当たり前とはいえ、天を恨む訳には行きません。

そう、当時の銃には火縄銃ほどで無いにしても、火打ち石式(フリント・ロック)や管打ち式(パーカッション・キャップ)などがありましたが、いずれにしても発火するのは銃の外側なので、雨や湿気には弱かったのです。
これでは、雨の日は狩猟が出来ない!と言う訳で、近所の鍛冶屋さんと試行錯誤して現在の雷管の原型に当たる、ピンファイヤー式の雷管の原型を作った(1807年に特許を取得しています)‥‥‥と言う逸話です。しかし実際に、銃弾を栓にして火薬を詰め、その背後に外から叩けば発火する、現代の雷管の原型となったピンファイヤー式の(雷管の外にピンが出ていて、そこを叩くと発火する)の金属製カートリッジが1846年に、フランスで発明されました。
このカートリッジ式の銃弾が、何より画期的だったのは、それまで1発ずつ火薬を込てから、弾丸を込めなければ発射できない!という欠点は、なかなか克服されませんでした。それが、弾丸・火薬・発火薬・発火装置(雷管、プライマー)を一体とした、まさにカートリッジ式銃弾により、撃ったらその空カートリッジ(現在の空薬莢)を捨てて、新たなカートリッジを装填すればいいと言う、火薬で銃弾を発射する銃器が現れて以来の、画期的な出来事でした。
そしてもう一つは、伝説にもある通り雨や湿気に弱いという、銃器の根本的な欠点です。全ての火薬を、金属製のカートリッジの中に詰め、一体化した為に完全に外気から遮断される。当然雨も湿気も、基本的には関係無しです。

この方式が更に改良され、現在とほぼ同じ薬莢の底に円形の雷管を付けて、その円周部に発火薬を詰めてその円周上のどこでも一カ所を叩けば、発火するリムファイヤー式がアメリカで発明されました。
それは1851年のロンドン万博に出品され、なぜかそこでアメリカを後に代表する銃器メーカー、S&W社を起こすホレス・スミス氏とダニエル・ウェッソン氏に注目されました。その結果、現在でも銃弾のルーツを実証し続ける、22口径ロング・ライフル弾の原型となったそうです。この無闇に小口径の銃弾は、その名が示すように今でも競技用ではそうですが、そもそもはライフル弾でした。つまりライフル弾も拳銃弾も、基本的にはまったく同じものだという事の、現役の歴史証明でもある訳です。

では拳銃弾と機銃(ライフル弾)は、どこが違うのでしょうか?
これは上の図解でも、下の写真でも分かるように、完全にカートリッジ全体の長さ。つまり、中に入る火薬の量の違いです。拳銃弾というのは、その名の通り手で持って発射し、常時携帯可能な大きさや形が求められる、大きさの銃器で発射される銃弾です。つまり、自ずと大きさに限界がある!訳です。
これに対して機銃(ライフルにしろ小銃にしろ、それも連発式)となれば、軍用でも狩猟用でもそれなりの、精密射撃の出来る、長射程が求められます。まァ、初期の大型自動拳銃には、その境の曖昧な銃器も多く存在します。
その代表的な例が、マウザー(モーゼルは英語読み)ミリタリーC96でしょう。世界最初の自動拳銃とも呼ばれ、その独特のスタイルは、特に弾層を引き金の前に置き、銃握を大きさを自由に変えられる、木製にした事から手の小さい他民族や女性(ただし、大きくて重いのも事実です。)も自在に?持てる事からも、世界中で支持をされ広まったそうです。


マウザーM


ちなみに、そもそもの7.63×25ミリのマウザー弾はその性能に対して、世界的な普及が遅れてしまいました。
その為のちに、ルガーP08拳銃用に開発された、9ミリ・ルガー弾。これが世界的に普及した為に、本家マウザー社でも純正品の9ミリ弾(現在の9ミリ・パラベラム弾)用のモデルを作り、銃握に大きく赤い「9」と言う数字を、書き込みました。


マウザーC96


このように、そもそもストックを付けて遠距離射撃が出来るようにされていた為、銃本体の照門に刻まれているタンジェントサイトには、1,000メートルまでの射程距離が刻まれていたそうです。
ただし、この1,000メートルと言うのは、いわゆる最大射程の事で、如何に優秀な7.63×25ミリ・マウザー弾を用いても、銃口を上に向けて山なりに届くのがやっとという事です。ただ有効射程距離としても、200メートルくらいは狙えたようなので、後の拳銃とはそもそもの使用目的や使用専用弾の、発想が異なるようです。
逆にこのストック無しで、100メートル以下狙う場合には、このタンジェントサイトは信用できなかったようです。このように、初期も初期、最初の頃の自動拳銃は、完全に半分カービン銃とか現在の小銃と同様の、扱いを受けていました。

と言う訳で?現代の拳銃弾と機銃弾を比較してみます。


拳銃弾比較

〈向かって左から、9ミリ・パラベラム弾/38スペシャル弾
/44マグナム弾/500S&Wマグナム弾〉

さすがに、現在拳銃弾で最大の
500S&Wマグナム弾は別格です。


500vs300win.jpg

〈30-06弾/300ウィンチェスター・マグナム弾
/500S&Wマグナム弾〉

薬莢の長さはともかく、太さが大口径ライフル弾よりも太いとは!もはや500S&Wマグナム弾は、拳銃弾の領域を越えているとしかいえません!!


〈主な銃弾の種類〉

銃弾種類

一番向かって左が、20ミリ(55口径)《砲弾》となります。
しかし、これを使用できる対物(アンチ・マテリアル)ライフルは存在します。2,000メートルに達する超長射程と、それでも破壊力を失わない弾道と速度の安定性がウリです。
また砲弾と言っても、弾頭に火薬などは入っておらず、基本的には機銃の範疇を越えた、銃弾とも言えます。また、最近の戦闘機や対戦車ヘリコプターに搭載されている、ガトリング砲などにはこの20ミリ砲弾が、よく使われます。

そしてその右隣が、先程から良く出てくるNATO弾としては、最大の機銃弾と言える、12.7×99ミリ弾です。
機銃弾として一番口径の小さいものとして、真ん中にある5.56×45ミリNATO弾は、NATO弾としても最小口径の機銃弾ですが、アメリカのM16自動小銃などの携帯火器用としては程良い性能と、耐久性のあるカートリッジとして世界的に使用されています。

向かって一番右端に、対比用の単4乾電池が置いてありますが、そのすぐ左隣が現代のこのカートリッジ式機銃弾の、記念すべき出発点ともなった22口径ロングライフル弾(薬莢だけですが、この写真は全て実物らしいので。)です。
その左に、これも世界的に最も普及している、自動拳銃カートリッジの代表9ミリ・パラベラム弾です。そしてお馴染みの拳銃弾が続いて、拳銃弾の左端で全体の真ん中にあるのが、45口径の自動拳銃弾でアメリカの誇る、45ACPとなります。そして、こうしてみると最小の機銃弾とされる5.56×45ミリNATO弾でさえ、銃弾は44口径・357口径の両マグナム弾より、直径はともかく長さは圧倒的に、長いのが分かります。
よく拳銃弾はライフル弾には、威力と射程距離で及ばないと言われますが、基本的に用途が違う上に、マグナム弾頭を見れば分かりますが、1発の命中した時点の破壊力が軍用ではない、民間や司法公安機関の拳銃弾には必要です。それに、射程距離を要求される状況であれば、警察でもライフルを使用するので、それぞれ必要に応じて使い分けるものなのでしょう。
中にはライフル弾が撃てる拳銃や、拳銃弾を撃つ機銃もありますが、どちらも特殊なもので軍や司法公安機関で、正式には使用していないと思います。


〈機銃弾の比較1〉

408CT弾他

一番向かって左が375CT(チェイ・タック弾)
その隣りが現役最長の射程を誇る408CT
一番右の50BMGは12.7×99ミリ
NATO弾と同じです。


〈機銃弾の比較2〉

375CT弾他

一番左が今回登場した7.62mm×51・NATO弾
ですが、さすがにこれでは1,000メートルを超える
狙撃は無理でしょう。


前置きが大変が長くなりましたが、まず劇場版名探偵コナン異次元の狙撃手スナイパーの事ですが、実はこの作品のタイトルにはミステリーには良くある、「ミスリード」が含まれています。
予告から何から、「有り得無い距離からの狙撃!誰が?どこから!?」がメインとなり、繰り返し使われています。しかし、本当の異次元の狙撃手スナイパーは、実際には最後の最後に出て来る、ある意味ではこの劇場版に関しては、全くの第三者になります。


コナン狙撃11

コナン狙撃12

コナン狙撃14

〈狙撃現場に残された空薬莢は7.62mm×51・NATO弾
サイコロの目は空中に正五角形と対角線を一筆書きする為
の順番を現しています。目的は対角線が描く五芒星の星印〉


コナン狙撃13

コナン狙撃15

〈この画面は、コナン君の「お役
立ち万能眼鏡」で見た画面です。〉


コナン狙撃16

コナン狙撃17

コナン狙撃28


〈これらの狙撃に使われた銃は、確かにMK-11の用です。
MK-11と7.62mm×51・NATO弾の組み合わせでは最
大有効射程距離は800m程度。最初の狙撃はその限度か、
少し上回る程度で、ただ下から見上げて撃つという狙撃として
は困難な状態であり、この狙撃犯の腕前を示しています。〉



ここまでの狙撃で、犯人が用いた銃もMK-11(SR-25)の造型と一致しますし、何よりも赤いレーザー光線で、狙撃線が目標まで障害無く通る事と、距離を測定しています。
この照準スコープと連動した、レーザー・スポット光線は夜間でも使用可能ですが、同時に相手に狙われている事を知られるという、大きな危険を伴う為に威嚇目的以外では、特に軍事狙撃では余り使用されません。また、1,000メートル級の超長距離射撃には、そもそも光の直進性と弾道の安定性の一致が期待できない上に、反射レーザー波が精密に戻って来る保証も無いので、まず使用されません。
夜間での超長距離狙撃は、暗視スコープを使ってもかなり難しいと、推測できます。ただし、チェイ・タックM200のように特別なスコープと連動した、狙撃支援システムがセットとなっているのであれば、夜間でも可能かも知れません。しかもこの銃でしか使用できない特別製の、チェイ・タック408弾は1,000mを越えても、超音速で飛びその弾道安定性はこの弾よりも大きい、規格外の14.5×114ミリ弾よりも優れているそうです。

それはもちろんつい最近開発されたばかりの、それも専用銃でしか撃てない特殊な機銃弾と、第二次大戦下で作られた機銃弾では、性能が違って当たり前ではあります。
しかし、戦場では《芸術的な一品》よりも、丈夫で安価で信頼性の高い弾と銃が必須です。メンテナンスもより簡単に、誰でもより速くできる方が良く、不具合はメーカー修理などという、民間の精密機器のようなものでは、困るのでしょう。



〈参考資料:主な弾薬と有効射程距離〉

弾薬                最大有効射程

7.62×39ミリ‥‥‥‥‥‥‥‥350m

5.56×45ミリ‥‥‥‥‥‥‥‥550m

7.62×51ミリ‥‥‥‥‥‥‥‥800m

4.62×54ミリR‥‥‥‥‥‥‥ 800m

30-06・スプリングフィールド‥‥800m

7ミリ・レミントン マグナム‥‥‥‥9001,100m

300・ウィンチェスター マグナム‥ 9001,200m

338・ラプア マグナム‥‥‥‥ 1,2001,500m

50BMG(12.7×99 ミリNATO)
12.7×108ミリ(ロシア)‥‥1,5002,000m

14.5×114ミリ(旧ソ連)‥‥1,8002,300m

408・チェイタック‥‥‥‥‥‥‥ 2,300m


そして作品の方は、ラスト・バトルとなりますが、ここでまさに超絶な異次元の狙撃手スナイパー同士の対決です!
この為、狙撃犯もそれまでのMK-11ではなく、超長距離狙撃用の別の銃器を持ち出したように、思われます。


コナン狙撃21

〈この上、2つの画面は狙撃犯がM
K-11を、使用した際のものです。〉


コナン狙撃20

コナン狙撃19

〈これは狙撃犯にとって、最後の狙撃となるハズの、
スコープ画面です。明らかに前の二つと、違っています。〉



コナン狙撃16

コナン狙撃17

コナン狙撃28

コナン狙撃13

〈二ヶ所での狙撃地点での画像ですが、
これはやはりMK-11だろうと思います。〉

mk11m0.jpg

MK-11Mod0


〈最終場面での狙撃犯が、銃器を構える場面は
次の2つの場面くらいしか、ありません。ありませ
んが、明らかにMK-11とは造型が異なります。〉

コナン狙撃04

コナン狙撃06


そしてこの場面の銃器の造型によく似た、超長距離射撃用の銃器が実際に存在します。
しかも、この場面で狙撃犯が行ったように、ボルト・アクション式です。この方法は、1発撃つ毎に銃弾を放った、空きカートリッジ。つまり、空薬莢を排出して次弾カートリッジを装填する為には、その都度ボルト引く必要があります。
このボルト・アクションは、構造がシンプルで銃を堅牢に作れると同時に、それは薬莢内の火薬のエネルギーを、余す事無く銃弾の発射に回せるという、決定的な利点があります。そして狩猟用ライフルは、ほとんどがこのタイプですが、基本的には単発式です。しかし、軍用の対物(アンチ・マテリアル)ライフルとなると、装填は手動でも給弾は自動で弾層の中には、5~10発程度の実弾カートリッジが入るようになっています。

そしてこの対物ライフルが用いるのが、NATO弾最大の12.7×99ミリ弾です。


408CT弾他


この向かって一番右にあるのが、その50BMGこと12.7×99ミリNATO弾です。
そして、左から2番目の408CTと記されているのが、この時本当の異次元の狙撃を行う、現行の銃器用カートリッジの中で最長の有効射程距離を誇る、408チェイ・タック弾です。


M82C2.jpg

〈上記の最大のNATO弾を使って、1,000m以上の
射程を誇るバレッタM82A1〉





《概要》

バレット・ファイアーアームズ社が開発・製造している大型の狙撃銃である。
軍事目的で開発されたため、兵士が一人で運用できる重量や操作性と火力の両立を目指している。ヘリコプターや装甲車などにも損傷を与えられるよう、ブローニングM2重機関銃などで使われている12.7ミリ弾を使用する。焼夷弾と徹甲弾の他、炸裂弾の効果を併せ持つRaufoss Mk211も使用される。
弾道直進性が高い12.7mm弾は、小銃や狙撃銃の弾丸として使用されている7.62mm弾と比較して、弾丸自体が長距離射撃の際に空気抵抗や横風などの影響を受けにくく速度低下が少ない。実際、ベトナム戦争中のカルロス・ハスコックやフォークランド紛争でのアルゼンチン軍の例(共にブローニングM2重機関銃にスコープを乗せて単発射撃で遠距離狙撃に使った)があり、これが対物ライフル開発の契機ともなった。
原型のM82は1982年に開発され、1986年には改良型のM82A1が開発された。1987年にはブルパップ型の先行試作モデルで、携帯式SAMのように肩に担いで攻撃ヘリコプターの迎撃に使われるM82A2が開発されたが、これは後に生産中止となった。M82A1をさらに改良したM82A3もある。加えて、M95やM99など様々な派生型も開発された。
過去に対戦車用として同口径の弾薬を使用するライフルがあったため、対戦車ライフルと表現されることもあるが、現在配備されているような戦車の装甲を貫くことはできず、陣地・トラックや多目的車を標的とした対物ライフル(アンチ・マテリアル・ライフル)に分類される。


《特徴》

〈基本構造〉

本体上面のフレームにはスコープマウントが備えられ、その前方にキャリングハンドル、さらに前方下面に二脚(バイポッド)を装備する。
スコープマウント後方にはリアサイトを備える。銃身のカバー(被筒)には放熱口が設けられ、銃口にはマズルブレーキがついており、軽量化のため、反動利用式の作動機構としてターン・ボルト・ロッキング・ボルトと、ショート・リコイルする銃身を組み込んでいる。当初(初期型)はキャリングハンドルや折り畳み可能なリアサイトは銃本体に固定されており、取り付け位置の変更はできなかったが、マウントレールを有する中期型ではマウントに取り付けるタイプのものに変更され、位置の変更が可能となった。
射撃は伏せて行う(伏射、プローン)か、土嚢などで支えるのが一般的とされる。セミオート式を採用しているため連続射撃が可能だが、マズルブレーキから噴出する発砲煙と、発射場所によってはそれに巻き上げられる砂埃が射手を覆うほど拡散する。

初期にはマズルブレーキの能力不足で強い反動を伴っていたが、箱型のマズルブレーキに改めた結果、12ゲージショットガンと同程度まで反動が軽減された。
バレット社は二脚を立てての片手撃ちや、腰に抱えて連射する(腰だめ撃ち)PR映像を公開している他、YouTubeなどの動画共有サイトには、普通のライフルのように構え、砂漠に向かって連射する米海兵隊員を撮影した動画がアップロードされている。
携行性を向上させるため、15秒で組み立てが行えるように設計されて、分解してケースに収めることで簡単に運搬が可能。機関部右側面の排莢口ボルト・ハンドルを後方に引くことで薬室への弾薬装填を行う。
強力かつ長射程なため、大きな射撃場でないと長距離射撃の効果を確認する発射試験などはできない。 実戦においては、湾岸戦争における2km先の人間に対する狙撃や、イラク戦争でアメリカ軍が掃討で使用した際、1.5km先にいた敵兵に命中させ身体を両断する威力を発揮した例がある。


引用者註:2012年11月13日 20:48
ミリブロNewsリンク済み
アフガニスタンで展開中のオーストラリア特殊部隊のメンバーが、12.7mm口径対物狙撃銃 Barrett M82A1 を使って、有功射程距離をはるかに越える2,815m射撃を成功、敵を射殺した。(以下略)

〈後略〉



〈物語のクライマックス、異次元の狙撃〉

コナン狙撃03

〈恐らく標的から1,000m以上離れた地点で、
チェイ・タックM200が夜間狙撃のチャンスを待ちます〉


コナン狙撃05

〈狙撃犯の銃が凄まじいマズル・フラッシュ(銃口からの
火薬爆発炎)を吹き出し、12.7ミリ弾が発射されます。〉


コナン狙撃09

コナン狙撃07

〈そのマズル・フラッシュが、標的の正確な位置を教えて
くれました。特製チェイ・タック408弾が発射されます。〉


コナン狙撃08

コナン狙撃10

コナン狙撃38

〈まさに異次元から狙撃弾が、名探偵コナン君の頭上遙か彼
方を、音速を超えて(ですからこの時でも銃声が後になります。
だからコナン君も振り返っていません!)飛んで行きます。〉


コナン狙撃39

コナン狙撃40

〈超音速は、空気の壁を切り裂いて飛ぶものですが、
この場面は良くその状態を、描いていると思います。〉


コナン狙撃41

コナン狙撃30

コナン狙撃31

コナン狙撃33

〈しかもこの距離でなお、相手の持ついくら特大の軍用
対物ライフルとは言え、その銃器を狙うとは無茶苦茶です〉


コナン狙撃34

コナン狙撃36

〈銃器を弾き飛ばされ、その時に頭や指に怪我をした(らしい)
犯人は、何が起こったのかわかりません。そりゃ、そうだ!〉


コナン狙撃37

〈後方に跳ね飛んだ、大きな銃器を見てもこれが「バレッタM2
A1対物ライフル」とよく似ている事が、わかります。〉


実は物語のクライ・マックスは、ここからまだまだ続きますが、ここまでネタバレしておいて何なのですが、最後の展開は作品を見てのお楽しみと、させていただきます。
特に最後の蘭ちゃんの活躍!余程警察や犯人達よりも、オッカナイと言うか園子の言う通り「ライフルの弾も空手でなぎ払える!」と、言わんばかり激しさです。幾ら2度の異次元からの狙撃で、持っている銃を破壊され怪我をしているとは言え、元軍人相手に一方的に叩きのめします。
名探偵コナン君曰く「ホントあいつ、容赦ねェなァ~」って、本当ならとっくに工藤新一として隣りにいるハズなのに‥‥‥大丈夫?と、余計なお世話で馬に蹴られそうです。

なお作品本編には、恐らく意図的に詳しい狙撃距離や、銃弾の性能等は明らかにされていません。
最初の「MK-11」と言う銃の名称と、使用された弾丸がその銃で使用されるのと同じ、「7.56ミリ・NATO弾」だったので、現場に残された空薬莢とも一致する‥‥‥という事だけです。
逆に言えば最初にそう説明して、後の矛盾や疑問をうまく誤魔化したとも、言える訳です。なおチェイ・タックM200と、408/375チェイ・タック弾に関しては、今回初めて知りました。しかし元々、標準射程距離1,000メートルを超える大口径の対物ライフルには、かなり興味があります。
特にそもそも第二次世界大戦時に、ドイツ軍の戦車部隊に対抗する術がなかった旧ソ連軍が、積極的に開発したのが有名な「対戦車ライフル」と呼ばれるものです。これに関しては、日本では劇場版『ルパン三世カリオストロの城』で、次元大介が357マグナム弾の効かない「影(かげ)」を相手にする為に、持ち込んだ「シモノフPTRS1941・対戦車ライフル」で妙に、特にアニメ好きや映画好きの日本人には強力な「対戦車ライフル」と言うイメージが、根付いた感があります。

実際には、すぐにそもそもの目的だった戦車の装甲が厚くなるなどして、対戦車兵器としては価値が下がりましたが、携帯用の長射程強破壊力兵器として、ナチス・ドイツ軍相手に大いに活躍した事が、知られています。
なおこの時、同時期に作られた「デグチャレフPTRD1941・対戦車ライフル」も、最近ではTVアニメ『DARKER THAN BLACK -流星の双子-』でもヒロインの武器として登場し、注目を浴びました。


PTRS1941.jpg

〈PTRS1941・対戦車ライフル〉
ガス・オペレーション式の5連発でしたが作動不良が多く、
前線の兵士には不評だったようです。


次元PTRS2

ルパン08

ルパン09

ルパン10

ルパン11


APTRD-41.jpg

〈PTRD1941・対戦車ライフル〉
PTRSと違って、単純なボルト・アクションの単発式。


DTB03.jpg

DTB04.jpg

DTB05.jpg

DTB06.jpg


この1941年に正式採用された対戦車ライフル共に、それ専用の非常識と言っていいカートリッジを、使用することが前提でした。
それが現在でも規格外であり、使われ続けている14.5×115ミリ機銃弾です。後に、様々な機銃。得に、旧東側の国々の兵器に、使用される事になりました。
ただし、これを当時の技術で作られた、機銃であるPTRSやPTRDで使用するのは、かなり危険を伴う作業だったようです。



NTW20A.jpg

ダネルNTW


〈南アフリカ製・ダネルNTW-20〉

現行で20ミリ砲弾を扱える、ほぼ唯一の携帯用対物ライフル。

GUNSLINGER GIRL 13 (電撃コミックス)GUNSLINGER GIRL 13 (電撃コミックス)
(2011/04/27)
相田 裕

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このマンガの中で、実に冷酷非情に幾ら擬体(体の一部あ
るいは脳を除く、ほとんど全部が人工物で強化された体)
とは言え少女の体を、2km(2,000m)先から狙撃した。
その結果、真ッ二つに引き裂く場面で使われたのが、この
ダネル・NTW-20でした。発射音は、弾着から更に数秒
遅れて響き渡ります。物語はここから、一気に「少女残酷
物語」の終章へと、雪崩れ込んで行きます。



GEPM1A.jpg

〈ハンガリー製のゲパードM1〉

種類が多く、M6タイプまで揃っています。この写真のものは、
恐らく単発式のM1かと思われます。命中率が良いと評判です。


TVアニメ『Phantom ~Requiem for the Phantom~
(ファントム ~レクイエム・フォー・ザ・ファントム)』に登場した
タイプは、恐らくM1。あの規格外機銃弾14.7×114ミリ、
を使用したようです。ゲパートの中でもオートであの機銃弾が
使用出来M3タイプは「デストロイヤー(Destroyer)」の異名
がありますが、形状は上の写真のM1とは異なる様です。


ファントム01

ファントム03

ファントム05

ファントム06

ファントム04

〈机の上に置かれた、バカみたいに大きな機銃弾を拡大〉
恐らく、14.7×114ミリ弾だと思います。



ヘカート2A

〈フランス製のヘカート2〉

TVアニメ「ソードアート・オンライン2」に登場した、
フランス製の対物ライフルです。ヘカートとはフラ
ンス語でギリシア神話の女神ヘカテの意味だそ
うです。12.7×99ミリNATO弾を、使用します。


ソドアトA2

ソドアトB2


-------------------

同じ狙撃銃でも有効射程距離1,000m未満と、2,000m以上を目指す銃器は、銃弾はもちろん銃器自体も色々とあるようです。
今後、今回登場したある意味で特殊仕様の、チェイ・タックM200のような超長距離狙撃銃がどうなるのか?ちょと興味を、そそられる内容でした。今回の劇場版『名探偵コナン』作品、かなり凝っていてもちろん初見の人にも、楽しめるようにはなっていますが、実際にはTVシリーズを見ているという前提が、大きかったと思います。それが良いのかどうかは、これからの展開次第でしょう。

個人的には、サイコロの目が「正五角形と対角線を、一筆書きする為の順番で、五芒星を現す!」というトリックは、そもそものタイトルやキャッチ・フレーズに、予め込められたトリックも含めて、なかなかのものだと思います。
そうでありながら、これだけサスペンス・アクションとして見られるのなら、変な表現ですが《充分にアナと雪の女王に対抗できる!》作品に、成り得ていると勝手に思います。


(以下、閑話休題です。)


-------------------
《TVアニメ・シリーズ「夏のあらし!
1期11話で描かれた機銃掃射の場面》


1945年05月29日にアメリカ軍が行った昼間の「横浜大空襲」は、B29などの大型爆撃機が低空で風下から侵入し、集中的に焼夷弾を絨毯爆撃した場合の、密集木造家屋に対する効果。
更に夜間では不可能な、戦闘機の同じく低空で低速な侵入による、機銃(これが現在の50BMGこと12.7×99ミリNATO弾を使用)掃射での、対人対物攻撃効果の実践実験であったと言われています。当時、有視界飛行しか出来無かった為、夜間での効果判定は困難でした。
また非戦闘地域であり、民間の住宅密集地である事から、当時の国際法や交戦規定に対しても、明らかな違反で「虐殺行為」でした。しかし、後にアメリカは「民間人と言えども軍用製品の製作工場で働く貴重な労働力であり準戦闘員と見なせる」として、行為の正当化を主張し戦後アメリカの後押しで、独立を取り戻した日本はこの件を不問としました。
そればかりか、当時アメリカ軍で頑強に無差別攻撃に反対していた司令官を更迭し、この無差別行為の推進総責任者となった司令官を、戦後の航空自衛隊の創設時に顧問として迎え、後には戦後最も高位の勲章を授与しています。


アラシ05

アラシ11

アラシ17

アラシ16

アラシ06

アラシ12

アラシ07

アラシ05

アラシ09

アラシ04

アラシ08

アラシ13

アラシ14

アラシ20

アラシ21

〈参照:拙別ブログ〉
ソネット時代のあんのんブログ・HINAKAの雑記
夏のあらし第11話世界は二人のために
米軍戦闘機・P-51「ムスタング」の機銃掃射!リンク済み


12.7×99ミリ機銃を、左右の主翼にそれぞれ3基。
計6丁を備えた戦闘機が100メートル以下の低空で、時速およそ100kmという当時のレシプロ戦闘機としては、驚異的な低速で失速墜落せずに、動く人間という動体目標を狙い撃てる!そりゃ、確かに当時の戦闘機の集大成と言われ、レシプロ戦闘機の最多にして最高傑作と呼ばれたのも、頷けます。
しかし、現代であればさしずめ戦闘ヘリコプターで、追いかけ回されて機銃掃射を浴びるようなものです。実際、現在では規格外となっている旧東側の14.5×114ミリ弾用機銃を装備した、暗視照準装置付きの戦闘ヘリコプターや、戦闘車両に追いかけ回される事よりは、少しはマシかも知れませんが、どちらの銃弾も対人用とはとても言えません。

こんなものから、敗色濃厚の中で撤退戦とは言え逃げ回るしかなかった、当時の前線に取り残された日本兵。
無差別焼夷弾(ナパーム弾)爆撃と、容赦の無い機銃掃射の的に恐らくは《性能テストとして》昼間から追いかけ回された、日本本土の民間人。多くは女性と、未青年だと言われています。

現在最も日本で人気のある、TVアニメ・シリーズの劇場版である名探偵コナン異次元の狙撃手スナイパーを見て。
そんな歴史に思いを馳せると同時に、決してそんな歴史を忘れていない、TVアニメ・クリエイターさん達の良心に、感銘を覚えずにはいられません。

これは70年前の話しでは無く、現在もどこかで似たような事が行われている。
銃器や銃弾の歴史に触れる時、常にどこかで思い出される、冷酷で冷徹な過去の事象を知らないでは、済ませられないと思います。





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『あんのんブログPart2・HINAKAの戯れ言』です。
本来は、『あんのんブログ・HINAKAの雑記』としてSo-netブログであったものが、So-netブログから追い出されて、ここで新たに構築するモノです。

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