まだまだ続いています!名香智子氏著の『マダム・ジョーカー』最新18巻が発売されました!!



第01巻の刊行が、2003年9月ですから・・・何と、もう25年間も続いていますよッ!


〈第18巻の出版社による「内容紹介」〉

美貌、財産、優しい夫と可愛い子供たち。
これら全てを手に入れたゴージャスマダム・月光寺蘭子さんが、天然っぷりを発揮して、理不尽な事件をズバッと解決!
今回は、置き去りにされた子供に振り回される「育児放棄」、二人の父親に思わぬピンチが迫る「男親」。
そして、幸せなカップルの絆が試される「薄幸」の3編を収録。
月光寺ファミリーにおめでたい話題が相次ぐ、見どころタップリの第18巻!!



引用者註:01巻からの愛読者としては、かなり上記の内容には不満があります。
ただし、「天然っぷりを発揮して理不尽な事件をズバッと解決!」と言うところには、最後「!」に「」をプラスして大いに納得。ある意味このシリーズの、テーマとも言えると思います。




マダム・ジョーカー(18)2016年05月17日刊行
名香智子著ジュールコミックス

マダムJ表紙18A

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第1巻はこちら!最初から巻数が打たれている
女性コミックスは非常に珍しいッ!!



マダム・ジョーカー(01)2003年08月18日刊行
名香智子著ジュールコミックス

マダムJ表紙01A

〈Amazonリンク済み〉





〈第01巻の出版社による「内容紹介」〉

お金持ち、美人、かわいい子供たち、未亡人、これらをすべてあわせもった女性──。
それが月光寺蘭子。誰もがうらやむそのゴージャスぶりで、他人から受ける妬み、嫉みは数知れず。
しかし、そんな物に負ける蘭子ではない。何をも恐れぬ性格で今日も楽しく事件解決!



引用者註:この内容解説、18巻とほとんど変わりません。
違うところは、「家族構成」と「敬称略」でしょうか?ただし、〈何をも恐れぬ性格で今日も楽しく事件解決!〉と言う事は、声を大にして異論を唱えたいところです。
蘭子さんはどこぞの富豪令嬢刑事や、金満暇潰し探偵のように自分から積極的に事件を解決しようとか、人助けをしようとは思っていません。要は巻き込まれ体質の、成り行き解決です。しかも息子やその友達を始め、大勢の有能で優秀な知人が身近にいるので、その助けを借りられる。
その理由は、彼女が美人で金持ちだからではなく、「お人好しの単純で、脳天気なお嬢様気質がそのまま大人になって、ゴージャスな服を着て歩いている」という、明るさと天然気質。さらには醜い嫉妬・傲慢・強欲〉ついでに、〈気遣いや金銭感覚〉そして何と言っても〈TPOが完全に抜けているかズレている!〉事が、行く先々で揉め事に巻き込まれる原因です。
タダ設定上忘れられがちですが、彼女は「いわゆる没落名家の出身で、子供の頃は家の庭を畑にして野菜を育てていた」という経歴です。生まれた時から本来なら不自由だけの生活ですが、それを不自由だと感じずに育ったところもまた、ある種の美徳でしょう(登場人物によっては致命的な欠点とも言う)。
たまたま女子高時代に、一代で財を築き上げた男の長男となる、前夫と熱烈な恋愛関係(名家の出で無ければ実らなかった?)に陥り、卒業後すぐに結婚し出産した為に、いわゆる日常的な社会的常識に妙な偏りと、欠落があるとい事実です。それ知る周囲が、放って置かない為に本人は至って無欲で、幸福な人生が送れているという訳です。
尚、お茶・お花はもちろん剣道もそこそこの腕前なので、棒きれさえ持たせれば「大抵の相手なら問題無い」という、ある種物騒な自信家でもあります。

第8巻に収録の第24話「旅人」から、典型的な場面を1つ。
月光寺蘭子さんが、友人の杉浦さん(娘同士が親友)とクサレ縁の藤原さん(女学校の同窓生で、息子が彼女の娘にぞっこん!)と一緒に、3人で杉浦さんが当てたペアチケットで温泉旅館に行く事になりました。何で、ペアチケットなのに3人?かと言うと、藤原さん曰く「お金持ちの月光寺蘭子は、自費で行けばいいでしょ」と言う事で、運転手も車も蘭子さんが出す事に。
そしてここで往年の2時間ドラマ宜しく、殺人事件が発生!それを期待していた、藤原さんは大喜び。ところが事件は意外にも、死体が別の場所から発見され、事故として処理されようとしました。実は、ここの悪徳女将が警察を買収して、事件そのものを無かった事にしようとしたのです。
もちろん犯人も、この女将。それを指摘されても「この世は所詮、金と権力~自分の意志を通したかったら、あんた達も金か権力を手に入れるんだね!」と、超絶独然論を展開します。そして「まァ、タダ券で泊まるような主婦には、とうてい無理な話だけどね」と、高笑い。
そこで藤原さんが、声を掛けます「月光寺蘭子」
杉浦さんも「(金と権力の乱用)出番だね」と後押し。

金はともかく権力には疎い蘭子さん、警察の偉い人と考えて近所の幼染みを思い出します。
「~でも、地元の警察がまともな捜査をしないの、気になるのでよろしくゥ~」
という何とも緊張感のない、友達電話を掛けて女将から「精一杯の虚勢を張って、あわれだねえ」と鼻で笑われます。しかしそこへ担当刑事に署長から直接電話が・・・結局事件は、一から操作を本格的にやり直す事になり、刑事は女将に賄賂を返します。
「この件について、警察庁長官から直々に電話があったそうだ」権力が強すぎて、事態が飲み込めない女将は「警察庁長官・・・って?」と聞くと刑事は、「雲の上の、お方だよ」と答えます。
そこへ月光寺家の迎えの車が、運転手が丁寧に「奥様、お迎えに上がりました」そして藤原さんは得意気に、「月光寺蘭子は月光寺財閥の主婦だから」何で藤原さんが得意気なのかは、わかりませんが。

怒りに我を忘れた悪徳女将は、「金持ちなら、タダ券で泊まるんじゃない!」と、絶叫します。
ちなみに帰りの車の中で、蘭子さんは1人「私は自費・・・」と呟いていたとか、いないとか。










名香智子(なか・ともこ)〉氏は、ある意味で非常に好き嫌いの別れる、少女及び女性マンガ家と言えると思います。
初期を除けば、ほとんどシンデレラ・ストーリーやヒロインが苦労して成り上がる(這い上がる)物語はなく、彼女の代表作として知られる『パールパーティ』や『パートナー』ですら、ヒロインは少なくとも庶民(中流階級?)に属しているとしても、ヒロインの周囲で彼女を支える人々は皆決まって上流階級。少なくとも、金持ち。それも半端の無い、大金持ち。あるいは、今は貧乏学生でもそれは親の教育方針か、自ら何等かの理由で家族から離れた、《特筆すべき才能を持った》独立心旺盛な上流階級の娘や息子。あるいは、関係者。

つまりスタート時点で、環境が違い過ぎる!のが、常です。
あるいは主人公ヒロインが、庶民の出であってもその本人も知られざる才能(美貌や体型も才能だそうです)を、必ず財にも才にも恵まれた人が見い出し、育てたり援助したりしてくれます。逆に言えば、この究極の例が代表作と呼ばれる長編2作。『パールパーティ』や『パートナー』だと、言えます。

ただ面白いのは、いわゆる「天然」系の美少女や美女は別にして(それこそ『マダムジョーカー』の月光寺蘭子さん!のような・・・)、例え生家は貧しくとも決してクサらず己を磨き高める事を怠らず、前向きに生きる(方法はともかく)人を温かく迎え入れる人々を、真の上流階級として描いています
オカルトやホラー物は別にして、これに関しても首尾一貫性があります。これも作者の代表的な連作である、『シャルトル公爵シリーズ』の中に、ヨーロッパではまさに歴史に残る名家中の名家、《ハプスブルク》家の名を持ち、間違いなくその血筋に連なる女性が登場します。
しかし、確かに容姿共に素晴らしく公爵家の長男の嫁になると言う事で、長男自身もスーパー・コンピューター並の頭脳と、男性モデル張りの容姿を持つ事から、周囲からは納得の結婚とされています。ところが、実際にお嫁さんになった彼女は、家事一切が出来るばかりか、残り物で軽食を作るなど当たり前。なぜなら、歴史上有名な「そなたは戦争をして領地を広げよ、余は結婚して領地を広げる」というハプスブルク家の婚姻政策により、結果的にいわゆる《大ハプスブルク帝国》帝国を作り上げたのですから、当然の如く直系はともかく傍系累系は、現在のヨーロッパにもワンサか?いるハズです。

もちろん中には、稼業や自分を含めた類縁が衰退し、恥ずかしくてハプスブルクを名乗らなくなった人も多いのでしょうが、逆にこの作者が作品に登場させた令嬢のように、容姿端麗で頭脳明晰にして気質品性溢れんばかり。
という、ザ・貴族!と言う人もいるようですが、この作品の令嬢の父親は中堅会社の平社員?母親は、一般的な主婦で娘にこれだけはと言って教えたのが、家事全般。もちろん「ハプスブルク」の名は絶大ですから、幼い頃から自薦他薦の婚姻希望者は数知れず。けれど両親は「娘の身の丈にあった結婚」を望み、大学まで好き勝手にやらせたという事になっています。
結果として彼女はシャルトル公爵と知り合い、彼が既婚者で自分と同年代の息子のいるうえに、若い愛人までいる。父親よりも年上と知りながら、横恋慕の嘘か誠か「将を射んとすれば、馬から!」と公言して息子に接近し、これも変わり者の息子が面白がって受けた事から、見事に〈息子の嫁=義理の娘〉の座を勝ち取ったと言う顛末があります。
この為、登場人物の多くが現在のセレブ(上流階級)と、古くからの貴族で占められた「シャルトル公爵シリーズ」の中では、大貴族の名を持ちそれに相応(ふさわ)しい、容姿・礼節・頭脳を持ちながら家事一般をそつなくこなす、基本的には一般庶民!という、変わり種です。

変わり種と言っておきながら、実はこれが名香智子氏の描く、出自は卑しくとも成長によれば変わる!と言う手合いの典型です。
逆に、『マダムジョーカー』の月光寺蘭子さん!のような、名家の出にして天然で基本おバカ。何しろ名家の女子が多く集まる名門女子高でも、爪にマニキュアをして口紅を塗っていたと言うことで、「不良(今時使うかな?)」のレッテルを貼られていたそうです。もっとも本人に言わせれば、透明マニキュアと色付きリップをしていただけなのに?と言う事らしいのです。それで頭脳明晰とでもいうのであれば、また違ったのかも知れませんが、万年劣等生だったと言うのですから・・・。
しかも、女子高卒業と同時に長い黒髪を金髪に染め、流れるような直毛にカールを掛け(その理由は未だに明らかにされていませんが)、化粧も濃くしてお嫁に行ったというのですから、呆れてモノが言えません。もちろん前夫は、彼女のこの自由奔放な大変身を、むしろ喜んだそうです。さらに長男長女と産まれて、これまた名門私立の幼稚園に入ると(義父の意向)そこでは、高卒で結婚出産という経歴と、その派手な出で立ちからてっきり、ヤンキー?だと思われていたそうです。
そしてそれは、前夫が亡くなって未亡人となり、その子供達がそれぞれ中高生に育っても、派手になりこそすれ大人しくなる事は、有りませんでした。
更には、物語の中で再婚(前夫の弟と)しても変わらないと言う、徹底ぶりです。ちなみに、現夫の趣味は女子高時代の蘭子さんだそうですが、その出で立ちに口出しをしても絶対に叶わないので、結局黙っているそうです。

作者自身が、何かあったのか?第14巻でこの『マダムジョーカー』という作品についての、自らの想いと考えを後書きに詳しく述べています。
かなりこの作者さんの作品は、主にコミックで読んでいるつもりですが、第三者の評論や感想は幾つかありますが、御自身の作品に対する考えを説明する。というものは、これ以外に知りません。ですので恐らく、態度表明をしなければならない何かが、有ったのだと推測は出来ます。とにかくこれを読めば、なぜ名香智子という女性マンガ家が、ここまで徹底的に「豊かで派手で家族や、友人にも恵まれている、美人ばかりを主人公にしたがるのか?」という、素朴な疑問の謎はこの作品に限り、解決します。
実はこのような例を知らないので、てっきりこれでシリーズが終わるのかと焦ったら、最後に「今後もこの作品を宜しくお願い致します」と記されていたので、ホッとした記憶があります。尤も次の巻が発売されるまでは、気が気では有りませんでしたが・・・。
作者に関して知る僅かな知識として、未だ持ち込み時代にとある編集者から「少女マンガなんだから花くらい散らせろ!」と言われたそうです。実は、花はおろか蝶などのいわゆる〈可愛い生物〉が苦手で、ほとんど絵にした事がなかったそうです。
そこで、頭に来て?花を描く練習ばかりして、いつの間にかフリー・ハンドで自由に、花を始め植物は描ける様になった!のだけれど。自分の意志で、描き込む為に身に付けた訳では無いので、何処に入れて入れて良いのか分から無かったのだそうです。結果として、何処にでも片っ端か描き込むクセが身に付いたのだそうです

さて、とにかく『マダムジョーカー』の主人公ヒロイン、蘭子さんは徹頭徹尾「」で有る事が、この作品の1つのテーマのようです。
母である前に・妻である前に・恋人である前に・貴婦人である前に、まず何よりも自分が「女性」である事にこだわるのが、彼女の徹底的なポリシーです。その結果、息子は実の父親(今の蘭子さんの夫の実兄)同様に、高校生の恋人が卒業すると同時に、結婚するという状況で、何と現在の夫との子供まで産んでしまうのです!ちなみにこれは、現在の夫の母親つまり義母との連帯感から、「必ず産む!」と決めたものです。
ちなみに、前夫と今の夫は母親が異なり(いわゆる腹違い)現在の義母は、赤坂でかなり知られた芸者であると同時に、長く義父の愛人だった女性だそうです。その為に、現在の夫である次男はかなり冷遇され(兄は溺愛していたようですが)、周囲の目も冷たかったようです。ちなみに、義理の息子である長男との結婚時代から、蘭子さんの自由奔放さの最大の理解者で有ると同時に、彼女に「説教」できる、唯一の人物です。

他にも魅力的な脇役は多いのですが、それらについては機会があれば、また是非御紹介したいところです。
以下はこれまで刊行された、『マダムジョーカー』全18巻の内、既に御紹介した最新・第18巻と最初の第01巻を除く、全16巻の御紹介で全ての、ご紹介。














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本来は、『あんのんブログ・HINAKAの雑記』としてSo-netブログであったものが、So-netブログから追い出されて、ここで新たに構築するモノです。

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