《過去記事完全転載》『妖獣都市』ある意味で初期の菊地秀行小説を、ほぼ初めての川尻善昭監督が描いたOVAの傑作!



この記事は2012年12月21日旧ブログ現FC2ブログ記事リンク済みを、そのまま転載修正したものです。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

初期OVA傑作と言えると思います。
但し、当初は劇場版として少数ながら、劇場公開 されていますので〈劇場公開作品〉とも言えます。

しかし下記DVDの紹介にもあるように、当時はまだ販売もレンタルもVHSテープでしたが、基本的にはOVAとして扱われていました。
その為、劇場用として35ミリフィルムで製作された事が、当時のOVAとしては、破格のクオリティが実現できた理由の、1つである事は間違いないと思います。
ただしにその事により、これがほぼ監督デビュー作と言える、川尻善昭氏を始めとする、スッタフと声優陣の力量はいささかも損なわれるモノではなく、むしろより効果的に発揮されたのだと思います。


〈本の内容〉

魔界と人間界の休戦条約調印に来日した重要人物暗殺に動く過激派「妖魔」。
護衛の任に就いた「闇ガード」は、決死の闘いに臨む…麻紀絵の白い手が「妖魔」を引き裂き、滝蓮三郎の44マグナムが唸りをあげた。

〈DVDの内容(「Oricon」データベースより)〉

菊地秀行原作の小説を基に描いた伝奇アクションOVA
声の出演、屋良有作、藤田淑子、永井一郎ほか。


内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより)

菊地秀行の小説をもとにしたアクション・ホラー・アニメ。
魔界の一族‘妖魔’に立ち向かう、‘闇ガード’滝の活躍をバイオレンス描写満載で描く。


〈あらすじ〉

人間界と魔界の共存を妨げる者と人知れず戦う闇ガード。
人間界の闇ガード 滝蓮三郎と魔界側の闇ガード 麻紀絵は、両界の平和条約調印の為に来日するジュゼッペ・マイヤートの護衛を命じられ、調印阻止のために暗躍する魔界の過激派たちに対し、激しい戦いを挑む。




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妖獣都市 スペシャル・エディション [DVD]

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • メディア: DVD


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妖獣都市〈1〉 (双葉文庫)

  • 作者: 菊地 秀行
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 1999/08
  • メディア: 文庫





妖獣都市』(ようじゅうとし)は、菊地秀行の小説(徳間書店刊)、及びそれを原作としたアニメ映画もしくは実写映画。
なお、アニメ映画版は原作者が唯一原作イメージのとおりであるとする作品である
1987年(昭和62年)04月25日にジョイパックフィルム配給で劇場公開された。





〈主題歌〉エンディング曲
HOLD ME IN THE SHADOW
(歌:当山ひとみ/作詞:竜真知子/
作曲:井田良広/編曲:京田誠一)




〈挿入歌〉「IT’S NOT EASY

(作詞/作曲/歌:当山ひとみ)








〈略歴〉

幼少時より漫画家を志望し、母親の知人であった漫画家の北野英明が手塚治虫の虫プロダクションに所属していたことから、そのつてで高校を卒業すると虫プロへ入社。虫プロ時代にはテレビアニメ『あしたのジョー』などの動画を担当。
出崎統と杉野昭夫の推薦を受け『ムーミン』で正式に原画へ昇格。

1972年、虫プロ出身者によって結成されたアニメ制作会社マッドハウスへ。
当初はアニメーターとして同社作品を支え、80年代より『夏への扉』、『浮浪雲』、『ユニコ 魔法の島へ』で画面構成を務める。画面を構成するレイアウトを通じて演出にも進出。
1984年のアニメ映画『SF新世紀レンズマン』で初監督。

しかし、本領を発揮したのは3年後の1987年に発表されたOVA妖獣都市』だった。
ハードボイルドタッチ志向の川尻の作風と菊地秀行の原作が合致して高い評価を受け、これが演出家としての川尻の出世作となった。
初監督作の『SF新世紀レンズマン』では当初は絵コンテのみで参加の予定が、諸事情から現場のアニメーターの指揮を任され共同監督に就いた経緯があり、『妖獣都市』が実質的には初監督作品とされることも多い。




と言う訳で、改めてみるとこの作品からは、既に逝去された《出崎統》監督の影響が、色濃く反映しているのが、見て取れます。
特に分かり易いのは、後半クライマックスでの僅かに絵柄を変えながらの、反復(繰り返し)演出でしょう。他にも、出崎演出の影響が強く反映しています。
ただ、同じ80数分間の濃密な演出にしても、師匠とも言える出崎氏が劇場版『エースをねらえ!』〈詳細「劇場版エースをねらえ!濃密な85分の傑作!!(拙ブログ記事・リンク済み)」に比べると、人数と時間の制限など、むしろオーソ・ドックスな演出方法で、手堅くまとめたという印象はあります。

しかしこれは、原作を時間内にまとめるための、実に懸命な手段で結果として、ベテラン声優陣の事実上のセリフ対決でもあるバトル・シーンが、見事に盛り上がりました。
特に、「キャッツ・アイ」の長女・泪(るい)役で有名な、藤田淑子氏がこれほど全面に出たヒロイン役というのは、珍しい気がします。また、主人公であり且つ物語のナレーション的な、独白でこの世界を語る屋良有作氏は、「銀河英雄伝説」等の渋いナーレションで知られています。
そして、永井一郎氏とその宿敵役の青野武氏はに関しては、もはや言うに及ばずです。残念なのは、両名共が既に逝去されている事です。


当然ですが、ネタバレ全開です!











日本音楽著作権協会」からの指示で歌詞の表記はできません。
以下のリンク済み歌詞サイトからお選び下さい

歌詞タイム
歌ネット








《「麻紀絵(マキエ)さん」で、まとめています!
だって主人公でしょう!?

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紹介にもありますが、原作小説では「S&W(スミス・アンド・ウェッソン)M29・44マグナム」を強調していますが、この作品内ではそのような説明は一度もされません。
ただ、「対妖獣用の特別製」だと言う事のみ、強調されています。原作小説では「銃弾に込められたエネルギーが特別製」という事になっています。

しかし、その銃弾を撃つ為の反動が凄まじく、それをアピールする為にも拳銃も特別にアレンジされているという事を、強調するデザインかと思われます。


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麻紀絵さん」初登場は、そのトレードマークとも言うべき鋭い爪の一閃と、細く鋭い眼差しです。



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そしてその出で立ちも、動き易さからなのか、常にスリー・ピースのスーツ姿です。


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細く鋭い眼差しを残して、さっさと任務に戻る姿も、颯爽としています。


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身長差の、分かる珍しいツーショットです。


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彼女のプライドは、人界にも魔界にも知られた重要人物であろうと、容赦しません。
その真の能力を隠した、唯のスケベ爺はまさに永井一郎(残念ながら故人)氏ならでは、名演技です。


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滝廉三郎(明らかに有名な音楽家のもじりでしょう)が、スーツの下から銃を抜くシーンは、余り多くありませんが、ここではホルスターのホックを外すところまで、丁寧に描かれています。


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彼女の武器である爪が伸びる瞬間と、次の攻撃に移る早さが、印象的です。
ここでも飽くまで、目は細く鋭く、見開かれています。


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彼女のもう一つの武器である、伸縮自在の髪の毛です。
ちなみに「ゲゲの鬼太郎」の毛針のように、口に含んで鋭く長い針のように飛ばす事もありますが、この作品では髪の毛を武器として描かれるのは、このシーンだけと思われます。


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服を失った彼女が、深夜の高級ブテックのショー・ウィンドウ・ガラスを(恐らく自分の手で)切り裂いて、自分に似合うサイズの服を物色したようです。
どうやら彼女の体型に合わせたスリー・ピースは、オーダー・メイドだったのでしょう。


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滝君が、彼女の容姿を見直すシーンでもありますが、チャンと彼女が(魔族であっても)手でドアを閉めるシーンをわざわざ描くところに、師匠(出崎統・故人)?譲りの所作動作から丁寧に、キャラクターと、「見せる」行為の重要性を感じさせます。



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まァ~、そのーォ、ファンとしては嫉妬すべき、彼女の心境の変化ですが、作品としては言葉の無い表現です。
実に上手く描かれまたここで、粋な挿入歌が流れます。



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まさにこの作品が、ただのエロティック・伝奇バイオレンスではなく。
純然たるアクション・ラブ・ロマンス!と言う要素を兼ね備えた作品とだと言うところが、後のグロな〈モダン・ホラー・スプラッタ・アクション〉との、大きな違いだと思います。
残念ながらその部分では同じ川尻監督の作品でも、これより傑出したモノは未だに無いような気がします。



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この背景の椅子などが、CGではないところが、この当時のアニメの大きな特徴でしょう。



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いやァ~、実に人間離れした2人の運動能力。
マァ、確かに彼女は、最初から人間ではありませんが・・・その彼女が、人間の女性よりも?
慎み深く纏ったシーツは、まるで場所が教会の祭壇であり、まさに純白のウェディング・ドレスの如く描かれているのは、嫌味なほど出来過ぎです。



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この反復(繰り返し)演出の巧みさと、クライマックスとしての盛り上げ方。もはや、何も言う事はありません。

やはり、主人公は彼女だった!と、言う事くらいでしょう。
そしてこの最後の最後で、彼女の細い眼差しの中の、瞳の大きな描写と初めて見せる長い爪の間隔を開いた、攻撃!

つまり、これまでと違って爪一本一本に、これまでの5本分のパワーがあると言う事でしょう。



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そして、美しいさえ言える、最後の一閃!



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人間側最強の?老人でさえ手こずった相手を、唯の一撃で消滅させる

本人ですら呆気に取られるパワー・・・もはや、野郎の出番無し!



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老人の嫌味な、イヤ粋な計らい?により、鳴り響く教会の鐘の音。



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かくして常の世の男と同様、野郎は常に女性?の「責任取ってね!」に、屈する訳です。



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「彼女が相手なら、(守るべきモノ)それも本望」というのは、決して負け惜しみには聞こえません。





〈変な横CMはフルスクリーンにすると消えます〉






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