なぜ批判や非難?甲子園でのカット打法に超スローカーブ!
またか!という思いを、しました。
正直なところフィクションである、マンガやアニメの高校野球マンガは、「ドカベン」以来、現在は何と言っても女性の描く、男性(たぶん‥‥‥)マンガ&アニメ『大きく振りかぶって』とかアニメのみですが、王道の「ダイヤのA(エース)」は見ています。もちろん、「タッチ」なんかはまさにど真ん中、世代?でしょうねェ~。
ただ本物の高校野球は、最近余り面白いとは思えず、何だか強いところが勝つ!部員の多い有名や名門高校が勝つと言うパターンが決まって来て、たまにいわゆる「ノーマーク」のその時は無名公立高校が、あれよあれよと勝ち進んだりすると楽しんだりします。
ただ、最近より見なくなった原因に、高校野球も組織化情報戦化、そして技術的高度化が進んで、柔よく剛を制す。などと言う事よりも、あらゆる意味で大きくて数が多いチームが(お金持ちの学校が?)、勝つべくして勝つ事が多いようで面白くないところが増えています。
ところが昨年夏、面白い選手が登場し、明らかに甲子園を湧かしました。
学校はやはり野球の名門校と知られる、『花巻東高校(岩手県)』ですが、折からの東日本応援ムードもあってか、順調に勝ち進みました。その中で得に話題になったのが、の千葉翔太選手のカット打法です。プロ野球ではお馴染みの、黙って待っていたのでは、いつ自分に打ち頃のボールが来るかわから無いので(というより、情報戦が盛んな現在、普通に待っていても、苦手なタマで三振を取られるか、打ち損じてアウトに成る確率の方が高いでしょう)、どんなボールでもストライク・ゾーンに入る球は全て打てる!という、剛のバッターでもない限り、特に体格的体力的に恵まれない選手は、苦手な種類やコースの球をワザとファウルにして(これをカットする、カット打法と言います)、投手の失投や根負けもしくは計算違いの配球を逃さずに、安打にするという技術があります。
特に、日本のパ・リーグで活躍し数々の安打記録を更新した、現メージャー・リーガーにして、メジャー・リーグの連続安打記録すら塗り替えた、天才バッター・イチロー(鈴木一郎)選手が有名です。日本リーグ時代には、渡米してから現在では想像も付かない、華奢な体格だった事もあり、またイチロー選手には安易な球種やコースでは、必ず安打にされる為に、相手投手は例え四球になっても構わないような、難しいコース。または、球種で対応しました。
それに対して、イチロー選手は追い込まれると(2ストライク)になると、徹底的に相手の投げる難しいボールを弾き返して、ファールにする(カットする)自分がヒット(安打)にできるボールを待ちました。別に、これを非難する人も批判する人もいない訳で、まさにバッターとピッチャー、ひいてはバッテリーとの駆け引きと受け取り、それぞれの一投一打に手に汗を握り、歓声を上げたモノです。
当然これには天性の目の良さ、即ち選球眼や速いモノを見極める能力(動体視力)があり、更にそれを高める訓練をするだけでは無く、実際にボールを打つバットの振り方から走・攻・守と言われる、野球の基本。
これらの積み上げがあって、初めて体得できる高等な技術です。誰でも出来るなら、甲子園(全国大会)に出場するような選手は、出来て当たり前でそれこそ話題にもならないでしょう。
だからこそ2013年夏の大会で、『花巻東高校の千葉翔太選手のカット打法』は、話題になったのでしょう。
以下、当時のJ-CASTニュース・完全な無断引用(リンク済み)です。
2013年08月23日18:38
夏の甲子園、全国高校野球選手権大会を準決勝で敗退した花巻東高校(岩手県)の千葉翔太選手のカット打法をめぐり、お笑いコンビ、ナインティナインの岡村隆史さんが、大会を運営した日本高等学校野球連盟と審判団を痛烈に批判した。
岡村さんが出演した2013年08月23日放送のラジオ番組 「ナインティナインのオールナイトニッポン」(ニッポン放送)での出来事で、岡村さんは千葉選手の身長が自身と同じ156センチメートルという小柄な点に「親しみを感じる」といい、シンパシーを感じているようだ。
《高野連には50件を超える抗議や問い合わせが》
花巻東の3年生、千葉翔太選手のカット打法をめぐっては、準々決勝の徳島県・鳴門戦後に、審判団が花巻東の野球部長と監督を呼び、「バントの定義」を記した「高校野球特別規則の17項」の確認を行ったことが発端だ。
審判団は、「千葉選手が相手の投手に球数を投げさせる狙いでカット打法を続けた場合、審判員の判断でバントとみなされ、スリーバント失敗で三振となる場合もある」と告げて、事実上、カット打法を「封印」させた。
それもあってか、準決勝で花巻東は宮崎県の延岡学園に0対2で敗れ、決勝進出を逃した。
これについて、日本高等学校野球連盟には50件を超える抗議や問い合わせが相次ぎ、08月23日になっても電話が鳴り響いている。「前日よりは減りましたが、(抗議や問い合わせは)まだ続いています」(高野連)という。
高野連に寄せられる電話のほとんどは、千葉選手を擁護する声だ。「2回戦でも同様の打撃をしていたのに、なぜ準々決勝後に(説明)したのか」「なぜあの試合だけなのか」といった説明のタイミングに対する疑問。「岩手大会でも同様のことをしていただろうに、甲子園まで持ち越したのはなぜ?」という声もあったという。
《「1回戦、2回戦がよくて準決勝でアカンて、遅くないですか」》
お笑いタレントの岡村隆史さんの指摘も、まずはその点から。「県予選や(甲子園の)1回戦、2回戦もよくて、準決勝でアカンって遅くないですか?」と疑問を投げかけた。
続けて、通常の打撃か、バントなのかの判断が、そのときの打者の動作(バットをスイングしたか否か)によって、審判員が判断することになっているルールに触れ、「主審が決めることなら、そのときに主審が決めればいい。審判が(準決勝で千葉選手のカット打法をバントと判断し)アウトって言い、そこで問題になりたくないから、その前に『ややこしいことになるから、やめたほうがよろしいで』って(花巻東へ)圧力かけたんちゃうか? 審判団が」「審判団はそれでいいの?」と、痛烈に批判した。
《高野連「断じて圧力などありません」》
一方、高野連は「断じて圧力などありません」という。「審判団が(花巻東の)部長と監督に『高校野球特別規則の17項』について確認したところ、『知らない』と言っていたので、その旨を説明し、紛らわしい行為には注意するよう伝えただけで、禁止したことはありません」と説明している。
とはいえ、一つも負けられない大会で、審判団のひと言が高校生のプレイを委縮させてしまったことは否めない。準決勝の試合後、号泣する千葉選手が「自分のやりたかったことができなくて悔しいです。野球人生の中で一番悔しい」と話したことが、それを物語っている。
ちなみに、水島新司さんの野球マンガ「ドカベン」に、「カット打法」が出てくる。主人公・山田太郎が明訓高校3年生の夏の神奈川県予選決勝の白新高校戦で、白新高校の白山選手がファールでカットしまくって、里中投手を疲れさせた。
この場面では結局、ドカベンこと山田捕手は無理せず四球で歩かせ、盗塁死を狙った。
ただ、意図的にファールを打つ技術は、簡単ではない。おそらく花巻東の千葉選手も、この白山選手のように、粘りのカット打法と俊足を武器に甲子園常連校の花巻東でレギュラーの座を獲得したのだろう。
この件には余り知られていない、公然事実があります。
もちろん隠し事や、悪い事ではありませんが、この問題に対に対して当然出るだろう発言が、いつの間にか消えていたのです。その発言とは、この年からTV朝日の「熱投甲子園」と言う番組で、解説を担当した元プロ野球選手で投手だった工藤公康氏が、同じTV朝日系列でその前番組となる「報道ステーション」でも、大会2回戦が終わってこの〈花巻東高の千葉翔太選手のカット打法〉はやろうと思ってもなかなか出来無い技術で、大変に素晴らしい!と、絶賛していました。
もちろん、同選手の足の速さや、バッターの時だけではなく常にグラウンド全体を見て、プレイしているという点にも言及していました。
まァ、朝日新聞社主催の大会ですから当然かも知れませんが、同じく「熱投甲子園」でも「報道ステーション」でも、この件には2どとふれられる事は、ありませんでした。
個人的には、「高野連と審判団が何を根拠にどういう状態を、三振にすると警告した」のか、専門家の解説を期待したのですが‥‥‥。
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