《真鯉(野鯉)を放流する事自体、不思議なのですがまさか『
錦鯉』を
自然河川に放流するなどという、行為が公にされているとは!?
思いも拠りませんでした!》
もちろん昔から、人工(人が作った)水路に昔から泳いでいる錦鯉は、まァそれでいいと思います。
そういう街の用水路には、大概水路の外へ鯉が逃げ出さないように、柵が設けてあるハズだから・・・昔の人は、水田に鯉が与える影響を良く知っていたので(通常水田や水田に流れ込む水路は、本流から大きな魚その他が上ってくるのを防ぐ為に、柵が設けられています)、溜池や用水掘りに鯉が居ても水田への水路には、大きな魚は入れない様になっています。
もちろん小さな幼魚は、入り込むでしょうが成長すればするほど、水深の浅い水田や水路では動き辛くより大型肉食鳥獣の、格好の餌となります。
水田と用水路は、冬には水を抜かれますから、1年以上鯉が留まる事はできません。
前述の街の用水路には、元々鯉以外の魚が居ません。
少なくとも、人工的に品種改良された
錦鯉が、人の手で放流したものが起源である事は、今も昔も変わりません。
錦鯉の放流は何故「絶対に」あってはならないのか - MistiRoom
http://mistclast.hatenablog.com/
entry/2017/05/03/132129
【タウンニュース多摩区版】五反田川に錦鯉800匹放流 自然呼び戻す活動続く
http://www.townnews.co.jp/
0203/2016/12/16/362233.html
以上の記事に詳しいので、如何に《現在の「
錦鯉」を含む
鯉の放流が危険か?》と言う事は、人工の池や堀。
観賞用に作られた噴水プールなど以外の、天然もしくは半天然(護岸工事をした河川など)の河川湖沼では、無茶苦茶に大食漢で雑食性。ご飯やパンはもちろん、ミミズや他の魚を含むあらゆる水生生物の卵や、稚魚・幼虫(トンボの幼虫のヤゴや、メダカなら成魚も更には水生昆虫は、卵から成虫までお構いなし)もその驚異的な成長力と寿命で、一匹でも多量に更に繁殖力も旺盛なので、アッという間に増えて他の水生生物から水草・葦などの半水生植物の芽など、兎に角よく食べてよく育ちます。
ハッキリ言って、「鯉も棲めない様なら死んだ川」と言えるでしょう。
鮒と金魚の放流にも大きな問題は有りますが、鯉はそれらの幼魚や卵すら餌にします。ですので最後まで生き残るのは、鯉でそれすら棲まなくなった河川湖沼は、文字通り死んでいます。
更には、本物の外来種であり今や環境省から『
要注意外来生物』に指定されている、「ソウギョ」はもちろん「ハクレン」や「モクレン」は〈完全草食性〉と言う事で、水草や川辺の植物とそこに住む昆虫をはじめとする小動物をも犠牲にしますが、敢えて他の魚や小動物は餌にしません。その為、未だに繁殖域が限定されています。
何しろ彼らの旺盛な食欲を満たすと、生息域全体のあらゆる植物を壊滅させてしまいますから・・・。
「
鯉」の何が怖いといえば、その旺盛な食欲と雑食性であり、口に入るものなら何でも食べてしまう悪食から、驚くほど成長速度が速く、繁殖力が強い事も挙げられます。更に、川魚としてはこれも驚異的な寿命と言う点も、脅威として挙げられます。危険外来種と有名なブラックバスですら、長くても寿命は20年余りとされていますが、鯉は50年以上の生存が可能です。
つまり、「古い世代はなかなか減らず、若い世代がドンドン増える為に、更に生息域を広げて行く」という、気が付いたら「この場所(河川湖沼)には、鯉ばかり・・・」と言う結果になる訳です。あの、ミドリガメが大人になったアカミミガメと同じく、他のイシガメやクサガメなどの固有種を駆逐し、アカミミガメばかりの場所になるの同じ事です。
この記事の話題になった放流団体では、「
子供たちとのヤマメや錦鯉の放流などの事業を展開してまいりました」と述べておられますが、間違いなくそのヤマメの稚魚は鯉の餌となる事でしょう。
不思議なのは、本来生息域の異なるヤマメと鯉を同じ場所に放流する?と言う事も、謎です。ヤマメは「渓流釣り」の範疇で、底の浅い流れの速い清流を好む魚です。逆に鯉や鮒は、流れの緩やかな池や沼など、湖沼を好む魚です。水深も繁殖期などを除けば、比較的深いところがある方を好みます。
荒川の上流と言えば、ヤマメはさすがに難しいのですが、ウグイやオイカワもしくはアユは無理でも、それを追ってハスなどのやはり清流を好む魚が多かったところです。まァ、鯉や鮒はどこでも育ちますが・・・。しかし選りにも選って、一番繊細なヤマメですか?
山女魚(ヤマメ)と書く位、臆病な魚です。釣り大会用にニジマスなど共に放流するのならいいのですが、定着を願うのは鯉の放流が無くてもムシが良すぎる気がします。
この記事の最後に、魚の放流に関する補足があるので、こちらも引用しておきます。
このままでは「全ての放流はよくないことなのか」と言われてしまいそうなので、補足します。
放流が有効なのは概ね以下のパターン。
1.経済活動のため(鮎やヤマメの放流がこれに当たります)
2.危機的状況にある絶滅危惧種の繁殖のため、「遺伝子汚染のリスク覚悟で、専門家の立ち会いのもと」で行う場合
3.「完全に死んだ環境」をゼロから復活させる場合
〈以下略〉
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