日本国内で、当たり前の普通小型乗用車の新車は9割以上がクラッチ無し、いわゆるオートマチック(AT)と言われる型(タイプ)で販売されています。ではなぜ、左足ブレーキを「是」としないのでしょう?
何かまた、昔の超個人的な話で恐縮なのですが、「AT車を運転する時、ブレーキは左足で踏むよ!」と言う話題になった時、当時の友人知人から袋だ叩きに合いました。
「何を考えているんだ信じられない!」
「危ないだろう!?」
「もしMT車を運転する事になった時に、困るだろう!?」
(免許取得当時はまだ、AT限定免許や限定教習がありません)
そしてわざわざ、「ホンダ関係の知人に聞いたけど、プロ・ドライバーでも右足ブレーキを使う人はいないと思うってさ」と、仰って下さった方もいらっしゃいます。
確かに、免許取得時はMT車しかなかったので、それで取りましたが文字通り大変!でした。
そして「自動車はマニュアル・ミッションが使えないとイケナイ!」と思い込み、免許取得後はMT車をレンタルしては練習したものですが、不器用なものでどうしても上手く半クラッチが使えず、往生しました。
そんな時に、知人から「旅行中好きに使っていいよ」と、AT車を借りる機会に恵まれました。
実はコレが、AT車初体験!だったのです。
そして、ごく自然にブレーキペダルには、左足を載せて、無意識の内に《左足ブレーキ》を使っていました。
理由は、教習中はもちろん他の誰からも「左足ブレーキは禁止!」とは、聞いていませんでした。同時に丁度その頃、JAF(日本自動車連盟)が企画編集した本や、毎月の配布される機関誌(今は月刊ではありません)でAT車が良く取り上げられていました。
その中でも、特に大きく取り上げられていたのが、《AT車は左足ブレーキ必須論!》でした。その意見の根元は、せっかくペダルもふたつ、足も通常なら2本とあるのに、「なぜ?敢えて左足を遊ばせておく意味が無い」と、言うものでした。
全くの同感で、それらの解説にある通りMT車とAT車を、混在して使用しているのならばいざ知らず、自分の車がAT車でまずワザワザMT車を運転する機会など、有りそうに無いので有れば左足ブレーキに何の問題があるのか?
逆に、AT車のフット・ブレーキを左足で、自在にコントロールできれば、どれだけ運転が楽になる=ブレーキ操作以外に集中できる!と言うメリットを、強調していました。
そもそも渋滞中に、右足だけでアクセルとブレーキのふたつのペダルを、交互に踏み分けるている最中に、左足は遊んでいると言うメリットが何処にあるのか?という状態1つを取っても、分かり易い理屈です。
しかし、当時の身の回りにいる親しい人達から、集中砲火的に「左足ブレーキは危険だッ!」と、指摘されるとさすが「そうなのかなァ~?」と思わざるを、得ませんでした。
しかも当時は、既にAT限定免許が交付され、AT限定教習が教習所でも行われるようになっていました。この時に、教習に当たって、《まだMT車を運転する機会もあり、過渡期であるからブレーキも右足で操作するように》と、現在の国交省と警察庁が協議して、通達したそうです。
コレによりJAFも、《AT車の左足ブレーキ推進論》を、撤回せざるを得なくなったそうです。
この為に、変な話しに聞こえるのですが、《AT限定教習が始まった為に、AT車の「左足ブレーキ」が禁じ手になった!》のです。
ところが最近、何気なく検索をしていると、次のような記事を見付けました。
フリー百科事典・ウイキペディア『左足ブレーキ』(Wikipedia・リンク済み)この内容に、唖然としました!
もちろん当時は、まだインターネット環境でこのような記事が容易に検索して出て来る時代でもありませんでしたし、ネットがまだ「ダイヤル・アップ接続」の頃でしたので、手軽に知りようがなかったのも事実です。