以前の拙So-netブログ記事とダブりますが、今回はとても好きな拳銃『
44オート・マグ』に特化した内容です。
《
http://aonow2.blog.fc2.com/blog-entry-307.html》に、この元となったなった記事があります。
尚、急にこのような記事を書き込んだキッカケは、以下のような雑誌を久々に手にした為です。
久しぶりにGun誌を見ましたが、リボルバーとオートマティックの対決として、44マグナム編では
S&W(スミス・アンド・ウェッソン)社のリボルバー・M29。
映画『
ダーティ・ハリー』で一躍ムーブメントを起こした、当時世界最強の拳銃。もちろん。リボルバーでした。
そして同じく映画『
ダーティ・ハリー4』に登場した、異色の44マグナム・オートマッチク拳銃。
その名も、44オートマグ!ただし、映画に登場したのはオートマグの設計者が、自らダーティ・ハリーを演じるクリント・イーストウッド氏にオリジナルで製作をしたという。この世に只一丁の8.5インチの銃身に、市販品と同様のベンチレーテッド・リブという、コルトの有名な357マグナム・リボルバー拳銃と同じ、銃身の冷却とデザイン目的の穴が空いている特別製です。
その為この銃のシリアル・ナンバーは、他のモノと違って「クリント-1」と刻印されている事は、余りにも有名です。これをすっかり気に入った、イーストウッド氏が自ら監督をした『
ダーティ・ハリー4』で撃ちまくります。この時の撮影用ステージ・ガンも同様に「クリント-1」の製作スッタフ達が、自ら作ったと言う事で「クリント-2」という、シリアル番号が入っているそうです。
この「クリント-2」は撮影後、巡り巡って現在はアメリカ在住の日本人(日系人?)が、所有している(2015年現在)との事です。
おかげで、日本ではすっかりモデルガンを始めサバイバル・ゲームなどで扱う、ガス・ブローバックガンなどもほとんどが、この「クリント-1」モデルです。
〈クリント-1を模した日本製44オートマグ・ホビー用エアガン〉

ただやはり、個人的な好みとしては市販製造された、6インチ銃身モデルが良いと思っています。
違いは銃身の長さですが、比べるまでもなく銃身上に伸びたベンチレーテッドに開けられた穴の数が、3個と4個とで簡単に区別できます。

〈ベンチレーテッド・リブ・ホール付きで有名なコルト・パイソン
357マグナムです。通常、自動拳銃には有り得無いモノです〉

『註:この「MEDIAGUN・DATABASE」は映画やTVドラマ、アニメ、漫画、小説、ゲームなど、さまざまなメディアに登場した銃器の紹介をおこなっています。「あの○○○に登場した△△△って何だっけ?」などの素朴な疑問から、知識欲、創作活動、コスプレなど、さまざまな用途にお役立て下さい。』
との前書きに甘え、先ずは全文引用させていただきます。
1969年に登場した世界初の、マグナム弾を使用する自動拳銃。
マグナムオートという新しいジャンルの先駆け的存在。以降のオートマグ・シリーズと区別するため、44オートマグとも呼ばれる。
1970年、ハリー・サンフォード率いるAM社(Auto Mag Corporation)は、新技術であるステンレス材を使用することによりマグナム弾の威力に耐えうる理想の自動拳銃、オートマグを発売した。
しかし当時は未熟であったステンレス技術と、素材特有の粘りや潤滑、通常はライフル銃に使われるような複雑な閉鎖方式などのせいで、いとも簡単にジャムを引き起こし、「オートジャム」と言う不名誉なあだ名まで付けられた。
.44AMP(.44 Auto Mag Pistol)というリムレスのオートマグ専用弾を使用するが、当時はどの弾薬メーカーからも発売されなかった。少し後になってようやく出たメーカーの工場製弾は質が悪かったり強力過ぎたりで、結局オーナーはライフル用の308ウィンチェスター弾のケースを切り詰めて弾を自作したが、それらが更にジャムを誘発した。
実用性という点ではサッパリだったが、その野心的な試みと、ユニークな構造に優雅なスタイル、そしてオートでマグナムという魅惑的な響きによって一躍有名となり、数多くのコアなファンを作り出した。
倒産に追いやられたAM社がトーマスオイル社に買い取られTDEとなり、一時経営が安定した頃に発表された.357口径のオートマグは貴重なコレクターアイテムとなっている(.357AMP弾は発売されず、44AMP弾から自作するしかなかった)。
クリント・イーストウッド主演の「ダーティハリー4」に登場し、一部の熱狂的なファンを作りだしたものの商業的には成功せず。
生産元が二転三転した挙げ句1983年に製造中止となった。記録によると純正モデルの製造数は合計で2,000挺程度で、今でもマニアの間では高値で取引されている。
後に同じ発想で作られたデザートイーグルが成功した事を考えると、時代が早過ぎたのかも知れない。
余談だが、AM社は社名の変更や倒産、吸収や買戻しを繰り返しているため社名こそ頻繁に変わっているが、その実は同じ会社である。そのためオートマグにはAM、TDE、ハイスタンダード、AMT、AMCと様々な刻印が存在する。
引用者註:銃弾の大きさやそれを発射する、銃身の口径を主に米英ではインチで表示します。
その為、本来は1インチ以下を示す「0.」ゼロ・コンマのコンマを上記のように表示すべきなのですが、このブログではそれを省略させていただきます。さらに、同じ口径でありながら銃弾の違いを強調す為に、いわゆる銃身内部に刻まれたライフリング=銃弾を回転させる為に刻まれた幾筋もの溝。それで出来た銃口の山と谷で測る長さを元に、有名な38口径と357マグナムが実は同じ口径で、357マグナム用回転弾層式拳銃=リボルバーは、38スペシャル弾と呼ばれる通常弾を使う事が出来ます。
これは、銃弾カートリッジ(実包)の太さが同じで、長さのみが違うからです。ですので、逆のマグナム用でない38口径リボルバーから、357マグナム弾は撃てません。また一部の例外を除いて、自動拳銃=オートマチックの場合にはその口径と弾層の大きさに制限されますので、このような事は出来ません。
なお44口径は「ヨンジュウヨン・コウケイ」、357マグナムは「サンゴウナナ・マグナム」と読まれるとします。映画のダーティ・ハリーでも「フォーティフォー・マグナム」と呼んでいますので、ヨンヨン・マグナムと言う呼び方は日本独自だと思います。面白い事に、銃の名称が年号などの4桁になると、ガバメントの通称で有名なコルト1911A1・オートは「コルト・ナイティーン・イレブン」と呼ばれています。どうやら、2桁ずつで区切るようです。
〈拳銃弾の構造〉
いわゆる9ミリ・パラベラム(ルガー)弾
現在、世界で最も普及している銃弾です。
9ミリ口径は、事実上38口径と同じです。



〈自動拳銃(オート)用9ミリ弾の形状〉

左から、44レミントン・マグナム、357マグナム、38スペシャル、
7.62×25トカレフ、45Auto、9×19パラベラム。
《
357マグナムと38スペシャルが、
同じ太さで
長さが違うと言う事が、良く分かります》
右の3個がオート用で、雷管の底部が上の薬莢(ケース)と
リムレスと呼ばれる同じ直径で、自動で排莢する為に薬莢の底が発射のガス圧力で、後退する遊底(自動拳銃の場合、スライド・カバーと一体となっている為に、単純に「スライド」と呼ばれる事も多いのですが、実際にはスライド・カバーの内側にブリーチ・ブロックやボルトと呼ばれる、雷管を叩く撃針を内蔵した機構があります。
この全体を日本では「遊底」と呼びますが、敢えてスライド・カバー部分を「遊底覆」と呼ぶ場合もあります)。この遊底部分の爪(エキストラクター)に、掛かりやすいように僅かに傾斜しています。逆に左の3個は、リボルバー用なので雷管の底部は、薬莢の胴体より一回り大きくなっています(
リムド・カートリッジと呼ばれています)。
一番左が元祖?44レミントン・マグナムです。
当然、この弾を撃つ為に開発されたのが、S&W(スミス・アンド・ウエッソン)社製
M29・リボルバー(回転式弾層)拳銃です。監督がドン・シーゲル氏で、主演したクリント・イーストウッド氏が、一気にスターダムに駆け上がった記念碑的映画作品『
ダーティ・ハリー』で、もう1人の主役として一躍有名になったのが、このM29です。
狩猟用のサイド・アームとして、文字通り当時世界最大最強の銃弾カートリッジでしたが、余りの威力に伴う大きな反動に、「こんなに大きくて、反動の強い拳銃は扱いづらい」などと言われ、当初の売れ行きはサッパリだったようです(銃そのものですが、とにかくカートリッジの値段が高かったそうです!)。
ところが映画の大ヒットにより、M29の人気も鰻登りとなって、ついには製造が追い付かなくなった!そうです。その為、製造工程の一部見直しや一般向けにと値段を抑える(販売店を儲けさせる?)為にも、工程の簡略化や仕上げの省略が行われたようです。その結果皮肉な事に、不人気の初期モデルは大変に出来が良く。趣味人にとっては芸術品とも言えるのだそうですが、映画がヒットした後での市販品は言わばバージョン2で、残念ながらそれほどの粋には達していないと言う事です。
そして、このように元祖44レミントン・マグナムは、もちろんリムド・カートリッジです。
ほぼ、あらゆるリボルバー拳銃用のカートリッジは、薬莢の底・雷管の周囲のリム(縁・へり)がホンの少し大きくなっている、このリムド・カートリッジになっています。
撃針が雷管を叩いて、薬莢の火薬を爆燃(爆轟でなく、飽くまでも瞬間的な燃焼により、多量のガスが発生し薬莢の蓋になっている弾頭を、弾き出すのだそうですが、火薬の燃焼速度などの加減でかなり色々変わってくるらしく、同じカートリッジでも中の火薬の種類などと、弾丸の重さなどとの兼ね合いで、弾丸に様々な威力の変化を与えるのだそうです)させた時に、間違っても薬莢が弾層の中に喰い込むなどという事が、無いようになっています。
同時にこの為、リボルバーの場合には弾丸の発射エネルギーが、そのまま反動として撃ち手に伝わります。この為、大口径で高威力のマグナムと呼ばれるようなカートリッジを使用する場合には、撃ち手にはそれなりの準備が必要となります。
〈オートマグ登場映画『
ダーティ・ハリー4』の冒頭シーンです。
有名な「
Go ahead,Make my day(撃って見ろ、俺を楽しま
せてくれ・映画的な意訳)」と言うセリフの前に、強盗犯が「俺達?
お前1人だろう!?」と言うと「スミスさんとウェッソンさん、それに
俺だ」と言うシーンがあります。つまり銃器メーカー「S&W」の創
業者2名の名前を持つ、S&W・M29という銃が2人分の働きを
するというジョークとも、今回のクライマックスでは出番のない
M29とS&Wに対する敬意とも取れるセリフです。
(今回のクライマックスでは
44オートマグが主役です!)〉
〈続きを見る〉
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