何故日本国政府は、朝鮮民主主義人民共和国(以下・北朝鮮)の核兵器によるEMP(高高度核爆発)の危機を表明しないのか?多分防ぎようが無いから・・・。
詳細は、拙ブログ記事『〈前略〉《高高度核爆発EMP障害》について少々(リンク済み)』を、ご参照いただくか。
あるいは、フリー百科事典・ウイキペディア『高高度核爆発(こうこうどかくばくはつ)』(Wikipedia・リンク済み)を御一読いただくのが、早いかと思われます。
まず前提として基本的に、まったく北朝鮮の科学技術特に最先端の工学技術関しては、信用しておりません。
その為、仮に核弾頭弾が発射されたとしてもどこに落ちるのか?間違いなく爆発するのか?と言う点に関しては、甚(はなは)だ疑問です。ですが問題は、そのような不確実性の高い「核爆弾」が運良く?無事に打ち上げられたとしても、最も重要な安全装置に恐らくは最も手間を掛けていないであろうと、推察される国の技術で作られたモノのが正常に作動するでしょうか?
そもそも核兵器の管理に、絶対の自信を見せる米国ですら、実際には「あわや」と言う事が何回も起こっているようです。
特に1961年01月に発生した事故は、ケネディ大統領の就任3日目と言う事もアリ、徹底的に秘匿されたようです。
英紙ガーディアン(電子版)は20日、米南部ノースカロライナ州ゴールズボロ上空で1961年01月、飛行中の米軍爆撃機B52から核爆弾が外れて地上に落下し、奇跡的に起爆を免れた事故の詳細を伝えた。爆弾は広島に投下された原爆の260倍の威力があり、大惨事になる恐れがあったという。
〈中略〉
同紙によると、61年1月に飛行中のB52がトラブルを起こし、搭載していた2発の水素爆弾が機体から外れ、同州ゴールズボロ郊外の牧草地などに落下し、機体は付近に墜落したとされている。
このうち1つは、落下時の衝撃などで4つある安全装置のうち3つが解除された状態となり、最後に残された「低電圧の単純な構造のスイッチ」が起爆を止めたという。
〈後略〉
日本経済新聞
2013年09月21日付けより

米国ですらこの始末なのですから、「命と安全は空気よりも軽い」と言われる国の安全装置を、信用しろ言う方に無理が有ります。
そして北朝鮮が実験目的であれ、実戦目的であれ核弾頭ミサイルを発射したとして、予定通りに飛ぶとはちょっと信じられません。既に高度4000メートルを超えるミサイルを打ち上げた以上、その能力は認めるしか有りません。
もし仮に、狙いや思惑とは異なりそのミサイル核弾頭に異常が発生し、大気圏上層の高高度で誤って、核爆発が起こったらどうなるか?
幸いにして?大気圏上層での核爆発では空気濃度が薄く、その爆発エネルギーは超高温の爆風を伴う事も無く、直接地上の人間に影響与えるとは考え難い状況です。エネルギーが巨大な火の玉もしくは光の玉となって、地上の人間の目を焼く程度です。
そして多くの素粒子や放射線も、宇宙に飛び散り一部は大気圏の空気の壁にはじかれて、ほとんど地上の生命体には影響を与えないと思われます。問題はこの核爆発が引き起こす、膨大な電磁波(EMP)の発生です!
米国が実施したスターフィッシュ・プライム核実験(大気圏での核実験:1962年)では、様々な高度と爆発威力で影響範囲の確認が行われた。
例えば、
1)高度約1,040km(スペースシャトルの軌道とほぼ同じ)で水素爆弾を爆発させたケースでは、約3,360km離れた都市でブラックアウトが起きた。
2)1.45メガトンという、非常に大きな規模の爆発を高度約400kmで発生させた際は、核爆発によるEMPで1,400km 離れた都市の電子システムに影響が出た。これらの都市・地域では街灯が消え、建物のブレーカーが切れたほか、各種装置が誤作動、通信施設にも被害が出たことが確認されている。
(防衛研究所 「ブラックアウト事態に至る電磁パルス(EMP)脅威の諸相とその展望〈pdf・リンク済み〉」の要約より孫引き)
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ミサイル実験艦「ノートン・サウンド」から発射される、
W25核弾頭を搭載したX-17ロケット

上記と同型のX-17ロケット

この核実験によって、送電機能と変電機能が不調を起こし、
停電の挙げ句に電話も電信も不通になったと言われます。
ハワイのホノルルは夜だと言うのに空が明るく染まり
さらにはオーロラまで、見えたそうです。


この記事はまず、〈北朝鮮の技術には信頼が置けない!〉という、ある種国際的にはまったく持って無礼極まる私見から始まっています。
従って下記の予想図は、ある種意味を為しません。

何で誰もが正確に東京上空に、飛来すると信じているのでしょうか?
《もしそれほどの正確さが有るのなら、最初から核兵器で東京を狙う方が効率的ですし、可能ならアメリカのワシントンにでも打ち込んだ方が、その後の報復攻撃を無視する以上最も効果的と考えます。》
まァ、それはともかく高度4,000メートルを超える高さで、何等かの問題によりかなり早めに、核爆発が起こったとしましょう。
この場合、この図の中心点はもっと日本海寄りになります。そして日本列島は、その誕生の成り行きで常に太平洋側に向かって、腹を突き出す形をしています。つまりちょうど、この規模の核爆発で有れば東京も含め、ほぼ全国がギリギリ園内に収まるという訳です。
その上、朝鮮半島も含め中国とロシアの一部も、含まれるでしょう。大変な迷惑を被るのは、日本はもちろん朝鮮半島及び周辺の、国々です。そしてこの時、運悪くこの影響範囲に飛来していたジェット旅客機=日本上空には、常時100機近くの民間航空機が飛び交っているそうです。
この問題に関して、「大した問題では無い!」と、考える方も相当数いらっしゃいます。
まずアメリカでこの問題を「騒ぐほどでは無い!」とおっしゃる方の御意見の大勢は、「停電?アンプとブレーカーを直せば済む程度だし、電話の交換機だって修理に何年も掛かるもんじゃ無い」と驚くべき事に、実験の行われた1960年代を対象にしていらっしゃる。そりゃ、当時はほとんどが真空管を使った、ブラウン管TVです。放送局の機材も、似たようなモノでしたので放送の回復には、何週間もは、必要なかったと思います。
では現代はどうでしょうか?トランジスタの発明以来、集積回路は小型大容量化と高速化の一途を辿り、あらゆる機器に電子機器が装備されています。
その大本の発電施設ですら、今や電子の要塞とも言える状態です。そこがEMPの影響を受ける範囲内で有れば、必ずどこかしらにEMPを受診する箇所が有ります。そこから入り込んだEMPにより、様々が電子回路が作動不良起こします。この事だけでも、その影響力がどこまで広がるのか?想像を絶します。
またこのように日本海側に偏って、高高度核爆発が起これば日本の背骨とも言える山脈によって、太平洋側への影響は少ない?と考えるのは、原因となる核爆発が地上付近で起きた時です。
高度4,000メートルを超える高さでは、富士山ですら盾にはなりません。よく図解で、稲妻のように電磁波が各施設や機器を、狙い撃つように描かれていますが、あれは勘違いを招くと思います。

こんな感じが典型的でしょうか?

ですが、むしろ有効範囲をこのようにスッポリと、電磁波の海で
覆ってしまうという感じだと思います。尤もこんなに綺麗な半球
体状かどうかは、目に見えないだけに、全く分かりませんが・・・。
そしてよく使われる例えが、落雷です。
確かに雷が落ちると、その周辺の電気器具が壊れて、使い物にならなくのはよく知られています。まさしくこれが、EMP効果(破壊?)です。
ただ落雷はピンポイントで、その電圧は人を殺傷しますが、種類の異なる核爆発によるEMP効果は、ほぼ人体には影響を与えません。まァ、人体実験も出来ないので予測だそうですが・・・。
ところが人を殺傷できない電磁波が、電子回路やダイオード。ひいては集積回路を破壊するのに必要な電荷の、数十倍のエネルギーを持っている事は、知られています。有名なのは、落雷にはビクともしない電子装置満載の自動車が、同程度の時間で予測されるEMPにさらされると、電子回路が焼かれて全く動かなくなったそうです。ただこれには異論も有るようで、同じ事を何台かの車にしたけれど、エンジンは無事に掛かったというものです。ただし、それらの車は皆マニュアル車だったとか・・・。
確かに現代の車は、電子装備に覆われているだけに、雷の影響は無視できません。そこで多くのメーカーは車の接合部に絶園物質を使ったり、様々な対電磁波対策を行っているそうです。しかしそれは所詮、ピンポイントの落雷によって発生するEMPに対してだけです。まるで嵐のように降り注ぎ前後左右、場合によっては下からも煽られる雷よりも遙かに大きなエネルギーを持たEMPを、対象にはしていません。
そもそも60年代の実験以来、そのあまりの影響力の大きさに、結局2度と実地実験は出来なくなったそうです。
しかも、高高度核爆発は効果範囲の限定が難しく、国境すら無視する可能性の高い攻撃です。それでは戦術的にも戦略的にもまともな政治力を持つ国では、使い道が有りません。
先にも述べたように、戦術的に考えるなら効果範囲の限定できる、通常の核兵器を使用する方が遙かに効率的だからです。つまり核兵器のコントロールに自信のある国は、最初から外交のカードとしてしか核兵器を使用しません。
問題は、その核兵器を充分にコントロールできない、技術的にも極めて不安な国が不安定なロケットに核弾頭を乗せて打ち上げて、予定では太平洋の真ん中で起爆するはずが、何かの問題で打ち上げて高高度に達した時点で、誤爆した場合。どうするのか?かという事を、切実に我が国の政府に訴えたいのです。
既に危険な兆候は、技術的に未熟な国から発信されています。
北朝鮮が2017年09月頃から、盛んにそれまではほとんど触れなかった「EMP攻撃」を強調しだしたのは、「実験の失敗を誤魔化す為」に違いないと、根拠無く信じている。なぜなら、この国のミサイルはどこに飛んで行くか、発射してみないと分からないからです。
その根拠は、非常に簡単です。この国は予め発射するロケットの、目標を公表しません。これは国際的に、非常に問題です。なぜなら、その近辺に島があり人が居住していたら、どうするのでしょう?船舶はもちろん、飛行機だって危険です。
そもそも核兵器は抑止力です、であればそれを運搬するロケットが正確に飛ぶ事を、誘導弾で有り目標に向かって完全に制御できるミサイルで有る事を知らしめねば、意味がありません。
それはしないのでは無く、できないのだと根拠無く確信しています。
そしてそれが、《EMP爆弾》など必要なくただ核爆弾を、高高度で爆発させれば良いだけのの事を、意味なく強調する姿勢から「失敗した時の言い訳」と確信する理由です。つまり、このままで行くと日本海上空で高高度(4,000メートル以上)に達した、起爆する核弾頭を乗せたロケットが、弾頭の不具合かロケットの問題か?その場所で核爆発を起こしたら、日本はどうなります!?
日本国政府は、事実上この問題(「日本列島近隣で発生する可能性の有る、ロケットによる高高度での不測の核弾頭実験の失敗」)に関しては、口を閉じています。当然ですが、電磁波に国境は有りません。これまでこの問題を真剣に議論して来なかったのは、「同じ条件で同じ状態が再現するとは、断言できない不安定な事象」である上に、国境を越えて近隣諸国に影響を与えかねない為に、《事実上実験が出来ない!》からに、他なりません。
それがこの問題の、最大の不安です・・・。
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