森薫著『乙嫁語り』目当てのハルタ-2020年08月号・Vol77及び10月号・Vol78です。
何だかその見かけによらず、意外に不撓不屈(ふとうふくつ)とある意味鋼(はがね)のメンタルを持ち合わせる。
タラスさんとスミス氏カップルですが、いよいよアミルさんとカルルク君達の住むところまで、あと一歩というところでついに個人としての学術旅行としては、最難関にぶつかったようです。
言わばユーモアや知恵と勇気、あるいはノリと勢い的な個人の小集団では、どうにもならない「時代の趨勢」「国際政治」とどのつまり、行き着く先は《戦争》です。
08月発売の77号「物取り」では、その背景に当時の超大国ロシアの圧力があったとしても、襲って来たのは民間人?である盗賊団。
それも頼りになる案内人のアリ君と、頼もしい護衛のニコロフスキさん共々〈この程度の食い詰め(た挙げ句の)野盜ならともかく、軍隊が出てくりゃシャレにならない〉と言う事態に、10月発売の78号ではなっています。
軍事介入・国境紛争その他、呼び方は色々あっても国家がその軍事力を行使すれば、例え一発の銃弾も剣の一振りも無くても、事実上は「戦争」です。
この「乙嫁語り」では、上図の〈+茶: 現代的な定義〉いわゆる「中央アジア5カ国」カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンの5か国が含まれる地域を指していると思われますが、事実上の舞台は思い切りカスピ海寄りだと思われます。アミルさんとカルルク君の待つ街は、そのカスピ海の北(地図で上方)かなと思っている次第です。
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Amazonのアフィリエイト・システム関係が、正直素人には解り難いモノになってしまったようで、今までのようにズラリと並べるとか、同一作者など関連のあるモノだけをランダムに表示できなくなりました。
その為不本意ではありますが、冒頭のハルタVol77・78のように一点一点紹介するか、うまくまとめた画面があればそれを引用するくらいしか、方法が無くなりました。一点一点表示は、一番最初にブログ表示を始めた時の方法で、結局一週巡って戻って来た感があります。
第一次大戦前、つまりこの「乙嫁語り」より少し先の話なりますが、この中央アジア地域を巡って大英帝国とロシア帝国は、所謂(いわゆる)「グレート・ゲーム〈ウィキペディア(フリー百科事典)リンク済み〉」の渦中へと投げ込まれます。
広い意味ではスミス氏の学術旅行も、英国の意向を反映しているとは言えると思いますが、何しろあの人ですからそんな気は全くないのでしょう。この状況で一番迷惑しているのは、当然の事ながら現地に暮らす人々です。
遊牧民・農耕定住人・騎馬民族(遊牧騎馬民族という言葉があるように、遊牧民=騎馬民族では無いようです)商人その他諸々、そもそも具体的な国境なんてものがハッキリしている訳でも無く、おおよそこの辺までが自分たちの縄張りみたいな、国なんて曖昧模糊(あいまいもこ)としたモノでしか無いでしょう。
〈後に民族自決思想が広がりこのような凡庸としたモノでは、収まらなくなるのですが・・・〉
さて、なるべく「政治」「宗教」「民族」の具体描写を避けていらっしゃったと、お見受けするこの作者が、スミス氏一行の旅程も含めてどう描くのか?
期待もするし希望もありますが、不安が拭えないのも事実です。
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