新谷かおる著マンガ『クリスティ・ロンドンマッシブ』第2巻発売、かなり驚きの展開です!
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前巻になる、『クリスティ・ロンドンマッシブ』第1巻が、明らかにそれ以前の少女編?とも言える、『クリスティ・ハイテンション』に対して、何か物足りない。
せっかく、ここまで(全7巻)を使って作り上げた、特にキャラクター設定を、むしろ壊す形でほとんどの周囲の人物を入れ換えて、もう1人の主役であると言える元祖ホームズまで、遠ざけた形にするのはそもそもこの物語の在り様から、はなれるのではないか?森薫著の「エマ」ではあるまいし、今さら当時のイギリス社会や貴族令嬢の在り様を、丁寧見せる必要でもあるのか?と、不信を感じていましたが、見事にしてやられました!
これまで、当然悪役として登場し、ホームズ最大の宿敵として描かれて来続けた《ジェームズ・モリアーティ教授》は、前巻では確かにクリスティの上を行く、遥かな存在として登場しました。
しかし、そこに描かれたモリアーティは、今までのどのモリアーティよりも行動的であり、決して不必要な悪事は重ねない。その意味では大変に危険で、頭が切れる上にある種の陣棒もあるという、実に人間的な存在として描かれていました。
新旧入れ替わりの為に、ゴチャゴチャしたレディ・クリスタル・ホープ家の人間関係も、ある意味ではこのモリアーティの登場と性格を、上手くはぐらかす為の手段と言え無い事も無いとおもいます。
そしてこの第2巻丸々1冊を使って、驚くべきレディ・クリスタルとモリアーティ教授が、目的は違っても手段は同じという理由で、協力関係に成る!とは、大いに予想外でした。
この手段の為には、目的は異なっても良いという判断を、ヒロインのクリスティにそつ無くさせる為に、その前の第1巻を丸1冊使ったと解釈すると、何たる大仕掛け!
ある意味でマンマとこちらまで、欺かれたような気がします。
ただもう一つの狙いであるdろう、新規読者の獲得の為には、やはり少女時代?の『クリスティ・ハイテンション』全7巻が、やはり必須であるような気はします。
気になるのは、このまま1話1冊的な長編ばかりが続くのか、以前のように中・短編を挟むのか?が、非常に気になります。長編は、読み応えがあるのは良いのですが、コミックスで読み継いで身としては、著者の休載癖もあって、続きが気になって仕方がありません。
今回はたまたまか、意識的にかは分かりませんが、1冊に収まってくれたからいいようなモノの、これからもこの調子でどんどん長くなるのは、ちょっと勘弁して欲しいのが本音です。
★と言う訳で、『クリスティ・ロンドンマッシブ』
第2巻のネタバレ全開です!★
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『クリスティ・ロンドンマッシブ』第2巻ですが、何と言っても注目は既にコミックの帯にも大きく書かれている事ですが《クリスティ&モリアーティ・英国女王の危機に強力タッグを結成!!》というところでしょう。
実際前巻である1巻の時から、この新谷版ホームズの姪物語では、決してモリアーティ教授が悪の権化、諸悪の根元的には描かれていませんでした。
常々、ホームズが口にしているように、「もし自分がこの力を悪事に使ったらどうなるのか?」を、実戦しているような人物と言うところが、見受けられました。優しくは無いが不遜でも無く、非情かも知れないが温厚でもある。
それはそうでなければ、悪人であろうと人は従わない。これはある種、この作者の信念でもあるように思います。
特に歳を取った悪党は、必ずしも悪い人間とは描かれず、見方の異なる別種の人間という描かれた方が、多いように思います。
また、当初は悪人として登場しても、物語が進むに連れて愛すべきキャラになるのは、何もこの作者に限った事ではありません。ただ今回は、明らかに最初から《モリアーティを単なる極悪人としては描かずに、飽くまでもホームズと対局の存在!》として描く事に、重点が置かれているように思います。
クリスティはその立場上、当然モリアーティの側に立つ事は出来ません。しかし、ホームズのように常に敵対するのではなく、目的は違っても手段が同じで在れば、今回のように幾らでも手を組む……。
けれども最終的には、彼女もホームズと共に、モリアーティとの対決は不可避でしょう。
恐らくそこがこの物語の、大きなクライマックスでしょうが、何となくこの最後の対決の場面で、結果的に2人をの命を救う、キーポイントになるような気がします。
ちなみに、新シリーズになって触れられていませんが、彼女は友人となった吸血鬼の長である、姫殿下ことミナ・ツェペッシュ(同じマンガ誌に掲載されている環望著『ダンス・イン・ザ・バンパイヤ・バンド』のヒロイン)から、《薔薇の口づけ》を受け、長寿で怪我や病気に強いという保証を受けています。
これは、2人の作者がコラボレーション企画で、それぞれの作品に双方のヒロインを登場させるという物語り中で、双方が取り込んだ結果です。
〈オマケ〉
アニメ版『ダンス・イン・ザ・バンパイヤ・バンド』
第1話「プロムナイト」
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