困った事にTVアニメ・シリーズ『進撃の巨人』にさほど盛り上がりません。むしろ『翠星のガルガンティア』の方に期待しています。
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原作マンガも話題を集め、まさに待望のアニメ化……なのですよネ、『進撃の巨人』は。
ところが困った事に、そもそも原作からですが、ほとんど興味を惹かれません。もちろん好き嫌いや、趣味の問題もあるのでしょうが、このお話は前提となる設定が自体が、まるで理解できません。
つまり大雑把に言ってしまえば、ファンタジーなのかSFなのか?一体舞台がどういう世界なのかが、まるで理解できません。もちろん、理解できない方が悪い!どの様な物語りでも常に、その世界観を共有する必要は無い!!と、言われてしまえば終わりですが……。
その結果、どうしても登場人物達に、何の思い入れもできません。
特にTVアニメ・シリーズとなった場合、その出来が良いと当然のように、人物に見入ってしまいます。しかし、設定という前提の部分でそれが阻害されると、せっかく「カッコイイ」とか「カワイイ」とか思っても、それ以上の感情移入が出来無くて、むしろ「これは作品全体が何かの謎掛けなのか?」とすら、思ってしまいます。
そもそも本当にこの物語の「人類」とは、この場所にいる人々で全てなのでしょうか?そして当然のように出て来る、この世界の自然法則すら無視した、まるで天からの災厄を具現化したかのような、《巨人とは何者なのか?》あるいはそれが、この物語のテーマに結び付いて居るのかも知れませんが、余りにも分から無い事だらけです。
せっかく音楽と言い、動きといい、背景といい、とにかく出来の悪いところを探す方が難しい!とすら言えるアニメ作品なのに、その「理解の前提」が、「理解できない!」では、お話になりません。
一番困るのは、本来この手の物語の不変のドラマツルギーとも言える、「敵の正体を知る、探る、追求する楽しみ!」が、ほとんど得られないのですから、頭が痛くなります。
ただ人間の体、それも男性を巨大化しただけにしか見えない「巨人」は、どうやらこの世界の設定上の「生物」ですら無いようです。
更に男性形態のみであり、生殖能力や繁殖能力はなく、人間を食べている時以外では、何をしているのかも不明!さらに、人間以外を食べるのかどうか?少なくともそのような描写は、今のところアニメでは描かれていません。もちろんどこから来るのか、どうして来るのか等々の、あらゆる根元的な原因が不明!というのでは、もはや物語りそのものの存在意義が、不明です。
なぜなら、解決策……即ち、必要最低限の生き残り策が、見えて来ないのですから。もっとも、「いやこの物語は、それを探す物語なのだ!」という意見もあるのでしょうが、それにしては相手の正体が、訳が分からな過ぎです。
★というような勝手な解釈の続きしか有りませんので、
お気を悪くされても責任は持てません。★
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では、『翠星のガルガンティア』はどうか?
この作品は、知る限りアニメ・オリジナルな作品で、原作のようなものは存在しません。従って、通常の方法ではこの先の展開は、予想不可能ですが物語としての設定は、明解にSFです。このわかりやすさ(設定のシンプルさ)が、『進撃の巨人』と大きく異なっている部分です。
更にそのSF設定も、これまでの作品展開を見る限り、非常に単純で余り複雑な構成ではありません。
要は何等かの理由で、地球が大氷河期を迎えた人類は、その全てが凍て付く前に、宇宙へとその生存の可能性を求めて、進出したようです。この宇宙進出を果たした人類は、地球と同様の生存可能惑星を発見する以前に、異形の知的生命体と遭遇し、実はこの辺の理由が曖昧で不明なのですが、なぜか存亡を賭けた戦いを繰り返す事になります。
どう考えても、逃げるとかその生命体の存在しない宇宙に、活路を求めるとかという、無難な選択肢があったような気がしますが、何等かの理由で戦わざるを得ない、状況になったようです。それもなぜか互いに、その存在を宇宙に認められない、殲滅以外の選択肢が無いかのような、特殊な状況となっています。
ただ主人公の世代には、もはやそのような理由は問題にさえされな。つまり忘れ去られた過去として、現実の人類社会は戦闘を目的とする、効率優先の純戦闘組織体へと、変貌しています。
そんな中で全人類は宇宙に脱出し、地球は寒冷化した死の星となった教えられていた主人公が、事故で偶然にも現在の地球へと飛ばされます。そこは寒冷期が過ぎて、惑星全表面がほぼ海中に没した形の、地球でした!そこには、恐らく脱出以前と比べれば圧倒的に少数でしょうが、生き残りの人類が居ました。そして、その水の惑星の海面を漂う船団を作り、移動しながら生活する、水上生活者としてそれなりに発展しています。
この段階で、宇宙進出した人類の歴史改竄が行われていた訳ですが、純戦闘員としてのみ育成された主人公には、余り興味ある事実でありませんでした。
ですが、現在の地球の海中には自分達か相手か、どちらかが殲滅しない限り、自分達の未来は無いと信じて戦っている相手と、同種の生物が海中生活に適応して、生息している事を知ります。この辺で主人公に、戦う事以外の柔軟な考えが出来れば良かったのですが、何しろ磨き抜かれた純粋培養の戦闘員ですから、その前に「戦い殲滅する!」事が重要となります。
さてこの辺で、いわゆるタイムパラドックス的な人類と、異類生命体の海中から宇宙への進出が、実は主人公達の出現によって為されたとか、他の理由によるものとか、幾らでもSF的な展開は考えられます。
ただ1番大きな問題は、実はそれほど高度で科学的な問題でも、そもそもの発端物語りでも無いのです。ここまで描かれれば充分理解できるように、この物語に於ける最大の問題は、まさに今も昔も変わらない永遠不滅の人類の命題、《価値観の差》ってヤツです。
これバッカリは、同じ人類同士で幾千年に渡っても、解消できない!人類史上最大の、《諍いの種!》って、ヤツです。
海上での船団生活という、本来で有れば不適応な自然条件に、何とか適応して生き延びて来た、現在の人類社会にとって、最大の価値観は人間同士であろうと無かろうと、まずは「共存共栄!」です。
ところが、宇宙に進出し異種生命体の交戦の歴史を積み重ねた、純戦闘種族化した人類にとって「敵とは殲滅対象以外の何ものでもない!」と言う事です。これはもう、対立概念以前の問題と言えるでしょう。
そうここではまさしく、『進撃の巨人』の「巨人」こそが、宇宙進出した人類と言っても、いいかも知れません。ただし、『翠星のガルガンティア』における、水上生活人類はただ巨人に蹂躙されるだけの、「壁の中に隠れ住むだけの人類」では、ありません。
「共存共栄!」という理念に従うので有れば、その為のいわば生存のための戦いを、躊躇する事は無いでしょう。そうでなければ、自然の恩恵としての魚介類。魚やその他の生物を捕らえて、食べる事は出来ません。
という訳で、今後の展開がどうなるのかは、当然分かりませんが、現時点(8話前後)で分かる事は、『進撃の巨人』はまるで先の展開が読めないし、これまでの展開も理解できません。
しかし『翠星のガルガンティア』は、SFとしての突っ込みどころはともかく、これまでの展開の状況は理解できるし、何よりも主人公の気持ちが分かります(共感するかどうかは別にして……)。
そして有る程度、今後の展開も人間または人類同士のドラマとして、予想と理解が出来る展開であるという期待は、間違いなく持てます(もっとも得にSF作品の場合、これを裏切られる事は日常茶飯と言って良いのですが……)。
現在のTVアニメ・シリーズ『進撃の巨人』の最大の問題は、これはかなり局所的で、意味のないことかも知れませんが……。
あれだけ生臭く人の生死を描き、血と肉片を描いていながら、なぜあれだけ大きな「巨人」達の死体からは、腐臭がしないのか?
いやそもそも、あの巨人達は生物ですらないのだから、どんなに人間に似ていてもそれは姿だけで、死んだら(活動が止まったら?)煙となって消えるだけで、腐る事も朽ちる事も無い。
と言うのであれば、「なぜ人間を喰う?」最初の疑問に、戻ってしまいます。この世界の設定では、最初から人間もまた腐る事も、朽ちる事も無い生物だ!として、描かれているので有れば別ですが……。
喰われた人々は、どこへ行ったのでしょう?
『翠星のガルガンティア』では、既に海中に済む生物と宇宙で人類と戦っている生物が、生物学的にはほぼ同じだと言う事が、早々と明らかになっています。
それに、ガルガンティアの世界はその言葉もあるように、確かに「臭い」と言える匂いが、存在する世界です。それは、あの宇宙生物と同じ海中生物もまた、同じであろうと思われます。
ほぼ真空で、いわゆる無重量の宇宙空間では、基本的に「腐る、朽ちる」という現象は起きません。そこを狙ったとすれば、やはり『翠星のガルガンティア』侮り難し!です。
この作品は、知る限りアニメ・オリジナルな作品で、原作のようなものは存在しません。従って、通常の方法ではこの先の展開は、予想不可能ですが物語としての設定は、明解にSFです。このわかりやすさ(設定のシンプルさ)が、『進撃の巨人』と大きく異なっている部分です。
更にそのSF設定も、これまでの作品展開を見る限り、非常に単純で余り複雑な構成ではありません。
要は何等かの理由で、地球が大氷河期を迎えた人類は、その全てが凍て付く前に、宇宙へとその生存の可能性を求めて、進出したようです。この宇宙進出を果たした人類は、地球と同様の生存可能惑星を発見する以前に、異形の知的生命体と遭遇し、実はこの辺の理由が曖昧で不明なのですが、なぜか存亡を賭けた戦いを繰り返す事になります。
どう考えても、逃げるとかその生命体の存在しない宇宙に、活路を求めるとかという、無難な選択肢があったような気がしますが、何等かの理由で戦わざるを得ない、状況になったようです。それもなぜか互いに、その存在を宇宙に認められない、殲滅以外の選択肢が無いかのような、特殊な状況となっています。
ただ主人公の世代には、もはやそのような理由は問題にさえされな。つまり忘れ去られた過去として、現実の人類社会は戦闘を目的とする、効率優先の純戦闘組織体へと、変貌しています。
そんな中で全人類は宇宙に脱出し、地球は寒冷化した死の星となった教えられていた主人公が、事故で偶然にも現在の地球へと飛ばされます。そこは寒冷期が過ぎて、惑星全表面がほぼ海中に没した形の、地球でした!そこには、恐らく脱出以前と比べれば圧倒的に少数でしょうが、生き残りの人類が居ました。そして、その水の惑星の海面を漂う船団を作り、移動しながら生活する、水上生活者としてそれなりに発展しています。
この段階で、宇宙進出した人類の歴史改竄が行われていた訳ですが、純戦闘員としてのみ育成された主人公には、余り興味ある事実でありませんでした。
ですが、現在の地球の海中には自分達か相手か、どちらかが殲滅しない限り、自分達の未来は無いと信じて戦っている相手と、同種の生物が海中生活に適応して、生息している事を知ります。この辺で主人公に、戦う事以外の柔軟な考えが出来れば良かったのですが、何しろ磨き抜かれた純粋培養の戦闘員ですから、その前に「戦い殲滅する!」事が重要となります。
さてこの辺で、いわゆるタイムパラドックス的な人類と、異類生命体の海中から宇宙への進出が、実は主人公達の出現によって為されたとか、他の理由によるものとか、幾らでもSF的な展開は考えられます。
ただ1番大きな問題は、実はそれほど高度で科学的な問題でも、そもそもの発端物語りでも無いのです。ここまで描かれれば充分理解できるように、この物語に於ける最大の問題は、まさに今も昔も変わらない永遠不滅の人類の命題、《価値観の差》ってヤツです。
これバッカリは、同じ人類同士で幾千年に渡っても、解消できない!人類史上最大の、《諍いの種!》って、ヤツです。
海上での船団生活という、本来で有れば不適応な自然条件に、何とか適応して生き延びて来た、現在の人類社会にとって、最大の価値観は人間同士であろうと無かろうと、まずは「共存共栄!」です。
ところが、宇宙に進出し異種生命体の交戦の歴史を積み重ねた、純戦闘種族化した人類にとって「敵とは殲滅対象以外の何ものでもない!」と言う事です。これはもう、対立概念以前の問題と言えるでしょう。
そうここではまさしく、『進撃の巨人』の「巨人」こそが、宇宙進出した人類と言っても、いいかも知れません。ただし、『翠星のガルガンティア』における、水上生活人類はただ巨人に蹂躙されるだけの、「壁の中に隠れ住むだけの人類」では、ありません。
「共存共栄!」という理念に従うので有れば、その為のいわば生存のための戦いを、躊躇する事は無いでしょう。そうでなければ、自然の恩恵としての魚介類。魚やその他の生物を捕らえて、食べる事は出来ません。
という訳で、今後の展開がどうなるのかは、当然分かりませんが、現時点(8話前後)で分かる事は、『進撃の巨人』はまるで先の展開が読めないし、これまでの展開も理解できません。
しかし『翠星のガルガンティア』は、SFとしての突っ込みどころはともかく、これまでの展開の状況は理解できるし、何よりも主人公の気持ちが分かります(共感するかどうかは別にして……)。
そして有る程度、今後の展開も人間または人類同士のドラマとして、予想と理解が出来る展開であるという期待は、間違いなく持てます(もっとも得にSF作品の場合、これを裏切られる事は日常茶飯と言って良いのですが……)。
現在のTVアニメ・シリーズ『進撃の巨人』の最大の問題は、これはかなり局所的で、意味のないことかも知れませんが……。
あれだけ生臭く人の生死を描き、血と肉片を描いていながら、なぜあれだけ大きな「巨人」達の死体からは、腐臭がしないのか?
いやそもそも、あの巨人達は生物ですらないのだから、どんなに人間に似ていてもそれは姿だけで、死んだら(活動が止まったら?)煙となって消えるだけで、腐る事も朽ちる事も無い。
と言うのであれば、「なぜ人間を喰う?」最初の疑問に、戻ってしまいます。この世界の設定では、最初から人間もまた腐る事も、朽ちる事も無い生物だ!として、描かれているので有れば別ですが……。
喰われた人々は、どこへ行ったのでしょう?
『翠星のガルガンティア』では、既に海中に済む生物と宇宙で人類と戦っている生物が、生物学的にはほぼ同じだと言う事が、早々と明らかになっています。
それに、ガルガンティアの世界はその言葉もあるように、確かに「臭い」と言える匂いが、存在する世界です。それは、あの宇宙生物と同じ海中生物もまた、同じであろうと思われます。
ほぼ真空で、いわゆる無重量の宇宙空間では、基本的に「腐る、朽ちる」という現象は起きません。そこを狙ったとすれば、やはり『翠星のガルガンティア』侮り難し!です。
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