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アシアナ航空機事故に見る直後の状況と会社の事後判断……。そして、ボーイング777とは!?






2013年07月10日
10:32 JST


緊急脱出時に荷物持ち出しは禁物 アシアナ機乗客避難にみる問題点 - WSJ.com http://on.wsj.com/12V8uKR @WSJ
米国では考えられないアシアナ航空の事故対応の悪さ - WSJ.com http://on.wsj.com/12ktcEl @WSJ
米当局、アシアナ航空事故機パイロットを聴取―英語力が支障に - WSJ.com http://on.wsj.com/12X1jSi @WSJ







以下、Wall Street Journalより。


By SUSAN CAREY, RACHEL FEINTZEIG AND KANGA KONG

 米サンフランシスコ空港で韓国アシアナ航空機が事故を起こしてから同社の尹永斗社長がスタッフとともに現地に向かうまで3日かかった。
到着後は関係者に謝罪し、米連邦当局者らに会い、徹底した調査を求めるとみられる。

 しかし、社長の遅い現地入りや広報の専門家を雇わないとの同社の決定は、ほとんどの企業が事故発生と同時に素早く危機管理モードのスイッチを入れる米国では、問題視されている。


アシアン社長01

サンフランシスコ空港に到着したアシアナ航空の尹永斗社長(9日)

 同社長は事故発生後、まだソウルにいた時に、パイロットの経験に関する説明とともに、何度か公に謝罪をした。しかし、同社は米国向けにはほとんど声明を発表せず、韓国以外でメディアに対する広報担当者も置かないことにした。同社は、危機管理を手助けしようとする広報支援会社からの申し入れも、関心がないとして断ったという。

 その対応について尋ねられた韓国のアシアナ代表者は「社のイメージを保とうとすべき時ではない」と語った。

 同社のやり方について、多くの米国の危機管理コンサルタントは考えられないと言う。
米国企業は問題が出てくるはるか以前に、複雑なプランをまとめたり狙いを定めたメッセージを発信したりするために専門家の支援を仰ぐ。

 航空機事故のあとの企業の対応の仕方は、手続き的な面からも感情の面からも悪夢のような作業となる。
航空会社は当初は乗客や記者に与えるべき情報をほとんど持っていない。多くの旅客は事故に関する多くのテレビ放送を見ながら自分たちで判断する。ソーシャルメディアは誰でも不満を簡単に発信できるようにした。通常はその後に何年もかかる恐れのある訴訟が待っている。

 航空会社や旅行会社と危機プランについて仕事をした経験のある米国の危機管理コンサルタントのジョナサン・バーンスタイン氏は、アシアナは今度の事故で茫然自失の状態になったようだと語った。
同氏は「アシアナは迅速に対応すべきだったが、その用意ができていなかった」と指摘した。同社は7日の事故の数時間後に、自社サイト上で事故を告知し、英語版も作った。だが、その後に出した情報は3本だけだ。

 米運輸安全委員会(NTSB)の元マネジングディレクターで、現在は安全・危機コミュニケーションのコンサルタントをしているピーター・ゲルツ氏は、同社が事故後に乗客の家族らのための通話無料の電話を設置するのに「大変な時間」がかかったと指摘した。この措置はNTSBが求めているものだ。

 米国の大手航空会社は詳細な危機プランを準備し、これを実行するフルタイムのチームを置き、従業員はいつでも対応できるように訓練を行っている。大規模空港も訓練を実施しており、これには航空会社も参加する。航空会社は、従業員向けに危機時の支援とカウンセリングの訓練を施し、事故時にコミュニケーション面での支援を得るために外部の広報面の危機管理の専門家と契約している。

 韓国国土交通省によると、同国では政府が年に2回、緊急対応訓練を行っている。航空会社と空港もこれに参加し、テロ攻撃、火災、航空機墜落などの緊急時への対処を訓練する。

 米航空会社は、1996年に航空事故家族支援法が議会を通過したのを受けて、航空機事故での死者や負傷者の家族に直ちに連絡を取ることが義務付けられている。
内外の航空会社はこの法律に基づいて、死者・負傷者の家族を支援する詳細なプランについて定期的にNTSBに報告しなければならない。

 NTSBの事故支援部門のチーフ、ポール・スレジク氏は「NTSBはアシアナが義務を守れるように同社と協力している」と述べた。

 同社が乗り入れている米国の都市はサンフランシスコを除いて五つにすぎない。
米国でのプレゼンスが弱いことから同社は事故後は提携先のユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングスに多くの面で依存している。ユナイテッドは数百人の従業員を派遣し、サンフランシスコ空港内のユナイテッド・クラブをアシアナ乗客の緊急支援用に開放し、けがをした乗客が収容されている病院に職員を送り込んだ。また、アシアナ乗客のためにホテルの部屋を用意し、乗客とその家族が新たな便を予約するのを支援している。こうしたホテル代や家族らがサンフランシスコに行く運賃はアシアナが負担している。

 ゲルツ氏は、アシアナは、今回の鈍い対応によって欧米の旅客の間で評判を落とす公算が大きいが、経営陣が今からでも迅速に動けば「まだ間に合わなくはない」としている。


日本でもそうですが、事故が起きると基本的に《犯人探し》が重要になって、結果関係者が重要な証言を拒んだり、虚偽を申し立てる可能性があります。
米国では、航空機などの公共交通機関に関する重大な事故に関しては、《警察とは異なるNTSBと言う中立で独立した組織が、場合によっては「事故原因解明の為には当事者の判断や行動に関する善悪を判断しない」という、強い権限の元に「事故原因の究明と再発防止策の検討」を最優先に、状況調査を進めます。



国家運輸安全委員会(こっかうんゆあんぜんいいんかい、National Transportation Safety Board、NTSB)は、アメリカ合衆国における輸送に関連する事故を調査し、原因を究明し対策を研究し将来の事故を防止する目的で勧告等を行う独立国家機関。
強い独立した権限を有し、航空機操縦士、航空機関士、整備士、船舶乗組員等のための海難審判庁や裁判所に類似する機能も有する。

〈後略〉



刑事責任》は問われなくても、
特に民間人に被害が出た場合の米国の
賠償責任》は大変な物があります。




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〈隠れた名機ボーイング777〉

77701.jpg

777200.jpg

〈2013年07月・現在現役就航中の旅客機の中で、
747に次いで最も多い形式の機体だそうです〉

777タイヤ
〈誰にでも一目で分かる777の特徴が、
この同体下部の主脚2本の片側6輪タイヤでしょう!〉

どうしても、世界最大で史上最多の旅客数を誇る、ボーイング747型シリーズの影に隠れた形になって、このボーイング777型シリーズは、どうしても地味な存在だと思います。
実際のところ、747の最大伝説もエアバスA380の登場によって、その実質的な地位は失いました。しかし、何と言ってもそのユニークな2階建て式の前頭部と、その先端にあるコクピットから描き出されるデザインは、ある種の芸術とも言えるシルエットを描いています。

何と言っても、この巨大な「ジャンボ」と呼ばれる飛行機は、様々な改良改修を経て専門家でも簡単には覚え切れ無いほどの、多種多様な派生系を産み出しました。
その結果、同系列の機種としては未だに世界最多です。エアバス社の健闘も虚しく、その点に関しては先に世に出て喝采を浴び、更に改良を重ねて未だに現役生産機種として、その雄を誇っている事に間違いはありません。
しかし、エアバス社もいきなりA380でB747に勝負を賭けた訳ではなく、記念すべきエアバス社最初の機種A300から、その物語りは始まります。同時にそれは、それまでの旅客機の概念を覆す、ユニークで先進的なコンピューター・テクノロジーに支えられた、文字通り「コクピットからメーターが消えた!」デジタル革命の申し子で、フライ・バイ・ワイヤ機能やフェイル・セーフという概念など、今日の近代的な旅客機を語るのに、欠かせない要素を革新的に取り込んだ、まさに近未来の旅客機でした。

実はこの時期の米国の航空機業界は、ある種の混迷期とも言うべき時期に入り込み、正直なところヨーロッパで新しく作られた、新興のエアバス社の旅客機など構っていられない!と言う点も、確かにあったようです。
そもそも、ボーイング社自体が747の次はどうするのか?という問題で、外部からも分かるほど混迷していました。そんな時期に見方によれば、突然現れた新興勢力のエアバス社。飛行機の製造など、まして旅客機ともなればそれなりの実績と経験の上に、蓄積されたノウハウがモノを言う世界です。
世界の空を、まさに席巻していた形のボーイング社が、エアバスA300型機を甘く見ていたのは、たぶん間違い有りません。しかし実際のエアバス社は確かに、フランスと当時の西ドイツの航空会社が合併したような物でしたが、フランスには「歴史的壮大な失敗作」と揶揄された、現在に至るまで唯一の営業で乗客を運んだ超音速ジェット旅客機コンコルド!を就航させた実績がありました。




〈コンコルドのCM映像のようです〉

コンコルド01

それでも無名は無名で、A300も最初はまだ中途半端な感があり、大いに苦戦したようです。
しかし、その先進的な発想と何よりもこの後に重大な問題となる燃費が、非常に良かったようです。
更に超大型機は、747の独占だとしてもいわゆる中型機(と言っても、ジャンボに比べてと言う事で、充分に大型ですが。ロッキードのトライスターやダグラスのDC-10の後継機に当たります。米国の航空機業界混迷の挙げ句、その大手2社が事実上撤退すると、他の航空機メーカーも新型ジェット旅客機を、新たに開発するほどの余力がなかったようです)に、いわば新機軸として登場したのが、A300だったという訳です。
過去の実績がモノを言う航空機業界ですので、エアバス社は「無償提供」という荒技まで使って、特に混乱している米国の航空業界に、売り込みました。
これらの必死の売り込みと、ボーイング社自体の迷走状態がいわば機種の空白期に、見事にA300という新しい機体の売り込みを、成功させました。




〈A300の実に特徴有るフラップの動き
(着陸時・大きく二つに別れ別々に動く)〉



〈エアバスA300着陸シーン
(上の動きが外から見えます)〉

A30001

A300B4.jpg

A300B6

ようやく業界と社内の混迷と混乱から脱出した、ボーイング社が気付いてみれば自分達のお膝元の米国内の中長距離、大量輸送をヨーロッパの航空機が担っているではありませんか!?
何て簡単な事では無いのでしょうが、とにかく事ここにいたってようやく、米国に敵無し状態となったボーイング社はいわばUE統合の先駆けとも言える、ヨーロッパ各国合同企業のエアバス社が、有力なライバルとして自分の膝元を揺るがせている事に、気が付いたのでしょう。そして後に傑作機と名高い、まさに新世代の航空旅客機として名前を残す、A320型機が747が誕生した頃には、それがセールスポイントとなるなど考えもしなかった、「低燃費低騒音操縦性に整備性の安定化と、点検整備の簡略化」などと言った、ヨーロッパならではの狭い場所に、様々な国があり言語が飛び交う中で、如何に安全確実に旅客機を運行させ、補修整備点検をこれまたなるべく簡単に、且つ確実安全に行って営業利益を上げるか?という安全運行と運行収益双方の向上という、相反する問題に挑みある種の答えを出した機体の登場は、時のボーイング社の重役をして「こんなのは子供の玩具(手抜き・誤魔化し・奇術etc)だ!」と、叫んだとか何とかという《》が、まことしやかに残っています。

かくして、ボーイング社はそれまでの現行機種を単純に拡大応用するだけでは、市場の要望に応えられない事を知ります(この間両者は各国政府をも巻き込んだ、様々な暗闘を行ったようです……)。
その結果、ボーイング社は初めてこの新型機を購入するユーザーである、各運行会社から要望を聞くという画期的な、新機種製作企画「ワーキング・トゥゲザー(Working Together)」を行います。この結果、ボーイング社は現行機種の改良版という従来の方針を変更し、全く新しいコンセプトに基づく機体の開発を決定します。
これが正式に「777型機」となります。

そして、エアバス社が導入したフライ・バイ・ワイヤ(後に光ケーブル化でライトとなります)やコンピューター・システムから、フェイル・セーフ機能の徹底はもちろんです。
さらに、これも利用業者からの意見を採り入れた形で、これまでのボーイングの機体に慣れた操縦士でも、習熟が容易なように、エアバスのように思い切って従来の操縦桿を無くすのではなく。格好はそのままで、実際にはデジタル信号化されて、操縦者の手に伝わらない操縦状況での、操縦桿の手応えを再現して伝えるという、手法を取り入れました。
確かにエアバス社の、A320から導入されたゲームのジョイステイックの様な、垂直なコントロールレバーの操縦桿は、斬新さは際立つもののそれまでのパイロットからは、不安視されていました。しかしエアバス社はこの手法を貫き、今ではエアバス機の特徴として最大のA380型機でも、このサイドスティックが採用されています。

実を言うと、個人的にボーイング777は、余り好みではありません。
こう言っては何ですが、全てが平凡で凡庸。見かけも性能も、そのままで見方によってはエアバス社の機体を、ボーイングがマネをしたと言われても仕方が無い気がします。実際そう言う部分は多く、いわゆる第4世代の747-ダッシュ400型機などは、この777で採用されたフライ・バイ・ワイヤやコンピューター制御システム、メーター無しの液晶ディスプレイから、ヘッド・アップ・ディスプレイまで、採用されています。
全ては、企画段階からの「ワーキング・トゥゲザー(Working Together)」による、利用者参加型の設計と、それまでの機体と異なり各部分を世界中のメーカーに発注し、コンピューター上で検討する。これも皮肉にも、最近の787型機による補助バッテリーの発火問題で、日本でも話題になりましたが、777型機にも多くの日本企業が参加しています。
それらは全て部品の状態で完成させて、それらをボーイング社の工場へ持ち込み、実際に組み立てるというこれもエアバス社のマネですが、納期まで含めてそれらが全てうまく行った事が重要でした。特に古参の、重役の口を塞ぐ効果は、大きかったようです。

1995年06月07日に初就航以来、今まで営業運行中に1人の死亡者事故も起こさないでいた、ボーイング777はその地味さ故に、今まで余り取りざたされてきませんでした。
しかし今回、2013年07月06日(現地時間・午前11時28分頃)に米国のサンフランシスコ空港に着陸しようとした機体が着陸に失敗しました。機体最後部を海に面した、滑走路のコンクリートの護岸に尾翼や垂直尾翼が取り付けてある辺りが接触し、機体後部が大破しました。
機体はそのまま、操縦席を含めた機体の前部2/3程が、滑走路付近を滑るように大きく地面を回転し、凡そ500メートルほど滑ると、滑走路の外の地面で停止し乗客乗員が脱出。その後火災が発生し、一時大混乱を起こした模様ですが、現在のところ確実な死者は3名と言う事です。

それにして初就航から18年以上の間1000機以上が、世界の空を飛び続けて死亡事故無しとは、改めて目立たぬ名機に敬意を表します
なお、今回事故を起こした機体は、777型機では最新型の777-200ERで、2006年03月に引き渡された機体だったそうです。



〈事故の一部始終〉

・777飛行時間40時間ちょいの副操縦士が機長に助言を求める言動あり(ボイスレコーダーより)。
・初教官役となる機長は助言せず副操縦士に任せる。
・管制から事故機の着陸態勢が正常でないことを知らせる通信。
・やっと気づいて慌てる(ボイスレコーダーより)。
・着陸やり直そうとするがもはや間に合わず尻餅→墜落?
・管制からレスキュー隊を向かわせたと通信。コックピット内火病で意味不明
・なんと墜落後乗客を放置プレーだったことが発覚。
・機内で火災発生。CA大混乱。
機内で脱出用シューターが展開するなど阿鼻叫喚の地獄絵図。
・乗客らが自ら別の脱出用シューター展開。
CAを無視して荷物を持ったまま脱出。
・乗客の誘導がまともに出来ずに緊急車両に引かれて乗客の一人が死亡(未確認)。
・クルーが乗客の安否確認を全くできず一時行方不明40人前後の発表。
・乗客の脱出に最後まで尽力したというCAがどや顔で会見。
アメリカ側は不快感を表明。
・実は機内には取り残された乗客多数。
彼らを助けたのは空港のレスキュー隊であったことが判明。
・最後に機体内の乗客の安否確認をしたのはクルーでなく空港勤務の警察官であったことも判明。

〈日本時間・2013年07月11日
14時24分時点で判明している事〉


それにしても、外国の事故でも詮索好きの《日本のマスメディア》が、どうした訳か今回は当初以来すっかり大人しいですねェ~!どうして?
理由が、有るのかしら!?


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