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『宇宙戦艦ヤマト2199』第8話「星に願いを」より。立ちはだかる火炎は、コロナかフレアか?TV放映終了の、一区切りとして。



古代進(声・富山敬氏)「エッ?火を撃つんですか!?波動砲で?」
沖田艦長(声・納谷悟郎氏)「復唱はどうした?」
古代「ハイッ、波動砲でコロナを撃ちます!~」

これは一種の名セリフというか、名シーンだと思います。
いかにそれが巨大な恒星の、エネルギーが吹き出したものと言えども、実際には信じられないほど幅も高さも大きなモノだとしても、《火を大砲で撃つ》と言う発想はまず浮かばないでしょう。例えそれが、惑星を吹き飛ばす程の、未知のエネルギー・ビーム(収束体)だとしても……。

宇宙戦艦2199・TVシリーズと初代TVシリーズ・宇宙戦艦ヤマトを、比較的に類似点の多い構成をしていた初代TVアニメシリーズ宇宙戦艦ヤマト第12話絶体絶命!!オリオンの願い星地獄星と、宇宙戦艦ヤマト2199新規TVアニメシリーズ第8話星に願いをで、比べてみたいと思います。



コロナ (Corona)とは、太陽の周りに見える自由電子の散乱光のこと。
「太陽コロナ」との呼び方もある(ここでの恒星は全て太陽を対象としています)。


太陽コロナ

太陽表面が6000度程度であるのに対しコロナは100万度以上と非常に高温である。
高度500kmあたりから温度が上昇し始め、高度2000kmを境に1万度から100万度まで急激に上昇する。なぜ温度が上昇するかは、太陽表面の運動によりひき起こされた波(アルヴェン波)が衝撃波となって温度を上げているという説や、コロナ中の小さな爆発現象が温度を上げているなど諸説あるが、どのような仕組みでコロナが発生するのかは現在でも解明されていない。


という訳で実は、この超高温のコロナ大気層?を通過して恒星表面近く、と言ってもせいぜいが5000mくらいでしょうが、近付く事は実際には不可能だと思われます。

初代TVシリーズの放映当時から、その呼び名は違うのではないかと、言われていた恒星表面の火柱を「コロナ」と呼ぶのは、上記の通り完全に間違っています。
さすがにこれは新シリーズの2199では、使われていませんでした。ちなみにこのコロナという、いわば恒星(ここでは太陽の事です)表面から常にガス状に噴出し、その輝く広がりは《皆既日食》の時にだけ、鮮やかに浮かび上がります。




前略

表面現象

詳細は「太陽黒点」、「紅炎(プロミネンス)」、および「太陽フレア」を参照。

太陽表面には、数時間から数ヶ月にかけて現れては消えるしみのような太陽黒点などさまざまな現象が生じる。
また爆発現象である太陽フレアや紅炎(プロミネンス)、CME(コロナ質量放出)なども観察できる。これらを発生させる原因は太陽磁場の磁力線管である。
黒点は磁力線管が浮き上がり、光球面と交わる部分に2つが対になって生じ、太陽エネルギー放出を阻害するために、その領域の温度は相対的に低くなる。

太陽フレアは黒点上のコロナ部分周辺で数分から数十分発生する強力な爆発現象で、高さ1~10kmのフレアリボンという明るい帯状の光と強いX線を放ちながら、10×1022~10×1025ジュールの高エネルギー粒子が開放され宇宙空間に放たれる。
紅炎(こうえん・プロミネンス)は黒点形成に関わる磁力線管に蓄積された2000~3000Kの高温プラズマに耐えられず、付け根部分が破壊する現象で、これも高エネルギー粒子の放出が伴う。

また、コロナ内でもコロナ質量放出(コロナガス放出、Coronal mass ejection, CME)という現象がある。
これはコロナ下層から湧き上がる電離高温ガスの塊であり、質量10×1015g程度、速度10~1000km/秒、エネルギーは10×1026ジュール程度にもなる。かつては太陽フレア発生による副次作用と思われていたが、観測の結果CMEがフレアよりも先に起こることもあると判明しており、CME発生の根本原因は解明されていない。

後略



前略

フレアの大きさは通常数万km程度であり、威力は水素爆弾10万~1億個と同等である。
100万度のコロナプラズマは数千万度にまで加熱され、多量の非熱的粒子(10kev~1Mevの電子や10Mev~1Gevの陽子)が加速される。同時に衝撃波やプラズマ噴出が発生し、時おりそれらは地球に接近して、突然の磁気嵐を起こす。

後略



紅炎(こうえん、solar prominence)とは、太陽の下層大気である彩層の一部が、磁力線に沿って、上層大気であるコロナ中に突出したものである。
英語のままプロミネンスと呼ばれることも多い。

皆既日食の際に、月に隠された太陽の縁から立ち昇る赤い炎のように見えることから名づけられた。
紅炎が赤く見えるのは、彩層と同様に主にHα(アルファ)線を放射しているためである。Hアルファ線を選択的に通すフィルターを用いれば、通常時でも観測することができる。

光球上の紅炎をHアルファ線で観測すると、光球よりも暗い線状に見える。この場合には暗条またはダークフィラメント (dark filament) と呼ばれている。
光球上にあるかないかでこのように見え方が違うのは、紅炎の背後に光源があるかないかの違いによる(キルヒホッフの法則)。
紅炎には、数ヶ月に渡って安定に存在する静穏型紅炎と、激しく形を変え主に黒点に伴って発生する活動型紅炎の2種類がある。


という事は新旧どちらのヤマトにしても、その前に立ち塞がったのはいわゆる「紅炎プロミネンス)」と言うのが、一番しっくり来るでしょう。
確かに、新ヤマト・2199では最初に「紅炎(こうえん)」という言葉が使われていますが、


〈太陽コロナ〉

太陽コロナ2007


〈太陽フレア〉

太陽フレア


〈太陽・紅炎(プロミネンス)〉

太陽紅炎2013

〈ナショナルジオグラフィック ニュースより〉




フリー百科事典ウイキペディア
Wikipedia各リンク済み



前略

オリオン座(Orion)は、トレミーの48星座の1つ。

天の赤道上にあり、おうし座の東にある冬の星座。
中央に三つ星が並んでいるのが目印。大きく明るい星が多いため、特に有名な星座であり、しばしば文学作品などにも登場。冬の星座であるが、夏の夜明け頃にも見ることができる。

オリオン座は他の星を見つける目印にもなる。
シリウス(α Canis Majoris)はベルトのラインを南西へ拡張することによって見つかる。アルデバラン、プロキオン、ふたご座もオリオン座を基準にして見つけることができる。

α星は、全天21の1等星の1つであり、ベテルギウスと呼ばれる。
ベテルギウスと、おおいぬ座のα(アルファ)星シリウス、こいぬ座のα星プロキオンの3つの1等星で、冬の大三角を形成する。

β星も、全天21の1等星の1つであり、リゲルと呼ばれる。

(引用者註:作品内で森雪が願った願い星=アルファ星はいわゆる「オリオンの三ツ星」の1つのようで、作品内でもこれが舞台となっているように見えます。ですのでここで説明されているペテルギウスとは、違うように思います)

後略


という訳で、なぜ新シリーズ・2199ではオリオン座では無くなったのか?
これは非常に簡単な事で、ここ数百年の間はオリオン座は現在の地球の北半球から見える星々で、逆に大マゼラン星雲・小マゼラン星雲共に、南半球から見えるものだそうです。つまり、方向が異なるという訳です。

ただここにも、願い星となる三ツ星が、存在します。
それが南半球の新星座の一つ、「みずへび座」だそうです。


みずへび座とアルファ星の関係とは?リンク済み 

前略

みずへび座(水蛇座、Hydrus)は、南天の星座の1つ。
ラテン語の綴りもよく似ているうみへび座(Hydra)と混同しないよう注意する必要がある。


〈主な天体〉

α星:紀元前3,000年頃には南極星だった。
β星:2,82等の恒星。太陽とよく似た黄色い星。
HD 10180:太陽と良く似た恒星。惑星が確定したもので7個と最多であり、未確定も2個ある。

中略

ラカイユは、1756年に出版した彼の星図上で l’Hydre Mâle 「雄のうみへび」と名付け、うみへび座とは性別が異なることを強調した。
また、この星座は当初くじゃく座ときょしちょう座の間をくねるように描かれていたが、ラカイユは、自ら考案したはちぶんぎ座に場所を開けるために尻尾の部分を切り取り、大マゼラン雲と小マゼラン雲を結ぶように描き直した。

後略


という訳で?さすがに、初代ヤマトでの「コロナ」という表現は、今回のヤマト・2199では使われる事が、ありませんでした。
まるで上記の内容そのままに、混乱したまま「紅炎(主にヤマト側)」や「プロミネンス(主にガミラス側)」そして、「フレア(特に最後にヤマトとの間に立ちふさがった巨大な炎の壁の事をヤマト側ではそう呼んでいました)」とも呼んでいます。
しかし、同じ現象を捉えてガミラス側は「プロミネンス」と言っていた事から、必ずしも名称が統一されていた訳では、無いようです。ただ単純にスケール(大きさや規模)の問題で言えば、最後にヤマトの前に立ちはだかったのは、やはり紅炎・プロミネンスと呼ぶべきだと、思います。

太陽フレアは文字通り、太陽表面の爆発であり、その規模は地球が何個あるいは何十個入るか?というレベルで、太陽系全体に影響する太陽風という、放射線レベルでの嵐を引き起こします。
当然その現象に伴い、台風の下の海面が大荒れになるよりも大規模な、太陽表面の爆発的な炎上(紅炎・プロミネンス)を伴っても、何の不思議もありません。ただこの噴き上げた巨大な火柱?は(これも単純に幅だけで、地球が何個も入る大きさになります)、短時間で終息する場合も有れば、数日間続くような場合もあるようで、その辺の詳しい事は、まだ良く分からない!が、本当のところのようです。


確かにアニメとしての画質は格段に上がっています。
逆に、上がってなければおかしい「ヤマト・2199」ですが、
最後の巨大な火炎柱を吹き飛ばすシーンは、その描き方もあって
初代版の方が、迫力があって良かったかと思います。





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初代TVアニメシリーズ宇宙戦艦ヤマト
第12話絶体絶命!!オリオンの願い星地獄星





宇宙戦艦ヤマト2199
新規TVアニメシリーズ第8話星に願いを








〈リンク切れ予備〉

では、この2作品の重なる部分を見てみます。
当然、前後関係やストーリー設定など異なる部分があるので、基本的に似た場面を比較するような感じです。場面数の関係で、上が初代TVアニメシリーズ宇宙戦艦ヤマト第12話で、その下に今回の新規宇宙戦艦ヤマト2199TVアニメシリーズ第8話となります。

画質やCG、モブ(群衆)シーンでの人々の描き方などの、事実上純粋に技術的な向上による差というモノには、余り触れません。
飽くまで、その場面場面での演出的な描き方や、画面の構成などを比較したつもりです。当然ですが、好みの問題はともかく優劣というのは、無いと思います。


旧ヤマト1201


新ヤマト0801


旧ヤマト1202

旧ヤマト1203


新ヤマト0808

新ヤマト0809

新ヤマト0810

〈初代シリーズで「ここまで辿り着いた人類はいない」という
表現をVLBI望遠鏡で8光年(超遠距離電波望遠鏡-
本当の意味は「群」)つまり8年前の地球の姿を、
ガミラス侵攻以前の姿を見せる事で表現しています〉



旧ヤマト1204


新ヤマト0802

新ヤマト0803

新ヤマト0804

新ヤマト0805

新ヤマト0806

〈この群衆シーンは初代シリーズには有りませんでした〉


旧ヤマト1205

旧ヤマト1206


新ヤマト0807

新ヤマト0811

新ヤマト0812

新ヤマト0812

新ヤマト0813

新ヤマト0815

新ヤマト0816

新ヤマト0818

〈この「ガミラスに下品な男は不要だ」と言って、
椅子に設置してある弦を弾くようにして、作動さ
せるスイッチを使うのは、初代シリーズでは別の
話のシーンになります。〉


旧ヤマト1207


旧ヤマト1209

旧ヤマト1210

〈物質のエネルギーを分解して自己増殖するガス生命体、
それをグラスからこぼして皆の前で披露するこのシーンは、
新シリーズにはありません。説明だけです。〉


旧ヤマト1211


新ヤマト0823

〈新旧で少し説明が前後しますが、「ガスに喰われるか
赤色巨星の溶鉱炉で溶けて無くなくなるか、他の選択肢は
あると思うかね?」とデスラーが言い、初代シリーズでは
このまま部屋を後にします。新シリーズでは、デスラーは
まだ「ヤマト」との名を知りません。〉


旧ヤマト1212

旧ヤマト1213

〈ヤマトの最期を確信して(自信過剰の)デスラーは、
初代シリーズではここで退出します。〉


旧ヤマト1214



新ヤマト0824


新ヤマト0819

新ヤマト0820

新ヤマト0821

新ヤマト0822

〈2199ではこの辺でまとめて、ガス生命体の
説明をしています。後方からは、ミサイルではな
く冥王星から追って来たシュルツの戦艦が、ガス
を積んだ魚雷を発射した後も、追尾しています。〉



旧ヤマト1215

旧ヤマト1216

旧ヤマト1217


新ヤマト0825

新ヤマト0826



旧ヤマト1218

新ヤマト0827

〈珍しく、まるっきり同じ構図の佐渡先生。
後を追う助手の存在が、初代シリーズではいつ
の間にか森雪に独占されますが、2119では
原田真琴という女性キャラに統一されています。〉


旧ヤマト1219


新ヤマト0828


旧ヤマト1220

〈2199では佐渡先生が船外宇宙服を最後まで
着ませんが、それは診察する都合上と先生の性分で、
素手でないと脈を診るのも面倒だからでしょうか?〉


新ヤマト0829



旧ヤマト1221

旧ヤマト1222


新ヤマト0830

〈物質のエネルギーを分解吸収して増殖するガス生命体、
より巨大なエネルギーの固まり、恒星を吸収しようとして
逆に、恒星の高温に焼き尽くされるのは両方同じです。〉

旧ヤマト1223

新ヤマト0831

〈初代TVシリーズでは「巨大コロナ」新シリーズでは、
「巨大フレア」いずれも予測不能な、イレギュラーという
点は同じです。ただ、フレアは「嵐」ですからこの規模で
はむしろ、紅炎(プロミネンス)というのが、正しいよう
に思えます。確かガミラス側では、そう呼んでいました。〉

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


初代版ではここで、古代と島とのやり取りがあります。
島「大きすぎる、どんどん高くなってゆくぞ!」
古代「避けられないのか、島?」
島「無理だ艦の速度が速すぎる!」
古代「なら、速度を落とせよ」
島「ダメだ、アルファ星の引力に引き込まれるゾ!」

ここで、沖田艦長が古代に波動砲を撃つ様に指示するのですが、当然初代とは反応が違います。

初代「火を撃つんですか?波動砲で!?」
2199「フレアを、波動砲で撃つんですか?」

どっちもどっちですが、即物的で分かり易いのが、「火を砲で撃つ」という表現の、分かり易さだと思います。
「フレア」もしくは「恒星爆発」いずれも、今一つ言葉としてはピンと来ません。ここでは、今まで通り紅炎(こうえん=プロミネンス)の方が分かり易かったのでは無いかと、思います。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

旧ヤマト1236


新ヤマト0835




旧ヤマト1237

旧ヤマト1238


新ヤマト0836

新ヤマト0837

新ヤマト0838

新ヤマト0839

〈このシュルツ艦の攻撃は、2119だけのも
のです。初代シリーズでは冥王星前線基地壊滅
直後に、戦闘での損傷を修理中のヤマトに、
強襲を掛けて逆に壊滅しています。〉


旧ヤマト1239


新ヤマト0840

新ヤマト0842



旧ヤマト1225

旧ヤマト1226


新ヤマト0843

新ヤマト0844

新ヤマト0845

〈これが巨大フレア?今一つピンと来ません。
紅炎(プロミネンス)にしても、炎と言うより
は溶けた飴(高温の溶鉱?)の様な感じで、明
らかに初代の初歩的な火炎表現の方が、迫力を
感じるような気がします。気のせいでしょうか?〉


旧ヤマト1227

〈まさに吹き飛ばした、紅炎の中を行くという
感じです。稚拙かも知れませんが、この初代の
表現の方が、分かり易く納得が行きます。〉


旧ヤマト1228

旧ヤマト1229


新ヤマト0846

新ヤマト0847



旧ヤマト1230

〈この場面も、やはり初代の表現の方が迫力
も、わかりやすさもあるように、思えます。〉




新ヤマト0848

〈2119では、デスラーは最後まで見届けますの
で、有名な?「ヒス君、気はバカかね?」と言うセ
リフは無く、代わりに初めて「ヤマト」の名を、飽
くまで軽く知るという態度で、知る事になります。〉


旧ヤマト1231

新ヤマト0849

〈再び、恒星に願いを掛ける森雪のシーンは
どちらも同じです。ただ2119では、最初
は願っていませんでした。〉


旧ヤマト1232


新ヤマト0850

新ヤマト0851

新ヤマト0852

新ヤマト0853

〈初代シリーズでは、最初も最後も古代がズケズケと、
話し掛けてきますが、どちらにしても何を願っていたの
かは、サラリとかわされてしまうところは同じです。〉


旧ヤマト1233

旧ヤマト1234


新ヤマト0854

新ヤマト0855

〈2119の方では、この後半のみ古代は雪が祈っ
ている場面に遭遇しますが、結局何も声も掛けずに
その場を去ります。仕方の無い事ですが、こちらの
方が対応が大人です。ただそのせいで、二人の恋愛
感情に、盛り上がりが欠けてしまった気がします。〉


旧ヤマト1235

〈初代TVシリーズの方では、必ず最後にこのフ
レーズが入って、どんなハッピー・エンド気分も
現実?に引き戻されるところが、特徴でした。〉


新ヤマト0856

〈2119・TVシリーズでは、タイトルが最後
に出て、初めの頃はあった「後何日」のアナウン
スも、途中からはなくなりました。〉

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

TVシリーズでの2119は、科学考証やガミラス側の動向などは、さすがに新たに作り直しただけあって、良く出来ていたと思います。
ただ、全体的な印象としては肝心のヤマト艦内での人間関係が希薄で、人が増えた分だけ逆に1人1人の感情に深入り出来無い感じがします。それなりの人間関係も、伏線場面はあったと思います。それでもやはり、加藤(パイロット)と原田(看護士)の恋愛関係には驚くしかありません。

どこまで初代ヤマト世代の、感傷でしか無いのかも知れませんが、やはり太陽圏を離れる時にも、その後も流れなかった「真っ赤なスカーフ」のフルコーラスと、主題歌の変更には違和感しか有りません。
ただ恐らくはその辺は全て承知の上で、現在の技術と表現方法で、敢えてリバイバル・TVシリーズを作ったという点に関しては、文句の付けようがありません。むしろ驚嘆するほど、良くできていたと言うべきだと思います。

面白いのは、ガミラス人との違いは「肌の色だけ」と言いながら、今回も乗組員が日本人(見かけも名前も)だけというのには、さすがに苦笑しかありません。
残念なのは、加藤と原田の関係で最後驚かしてくれながら、初代シリーズの言わば当時としては革命的な、TVアニメとしては真正面から扱った恋愛関係。さすがに、生きていた古代守とスターシアの関係は、あれほどドラマチックには描けませんでしたが、ロマンチックではないがSF的な恋愛関係と言う事で、納得できました。
煽りを喰って、今一つだったのが熱血漢ではなくなった、ただの優等生・古代進と役者の演技力と作画の力で、場面とセリフ以上に存在感のあった森雪との関係が、完全に希薄だった事でしょう。そしてこれだけ女性キャラが多かったのに、相変わらず島航海長には、御相手が出来無かったらしい……ユリーシャでも、あのガミラス女でも良かったので、せめて将来の関係が残るかと思ったのですが……。
山本怜は篠原と、この後うまく行くのでしょうか?篠原君の健闘に期待です。

最後に、SFとしてはやはりアナライザーの自我の矛盾と、他の星系にとって例え食糧の補給でも、そこに住む生物にとっては、侵略行為になると言う「自分達もガミラスと同じ」という矛盾。
いわばそれら古典SF的な矛盾を、敢えて回避し最後に「究極の科学は魔法と同じ」と言わせて、丸く収めるのは、どうかという気がします。

宇宙戦艦ヤマト2119』は、最初のTVシリーズ自体を作品として、知る人が少なくなったという現在には、大いに価値のあるTVシリーズだと思います。



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genre : アニメ・コミック

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無敵宇宙戦艦ヤマト!

HINAKAです。

GIN様

過分なお言葉、ありがとうございます。
実際にも、この1話ほど両者の差が際立つほど似ているエピソードは、無いように思います。実は良く分からないのが、2199で言われたオリオン星系に対する、シリウス星系という言葉なのですが、これを冬の天空を照らす星シリウスとすると、また話がややこしくなります。シリウス星はそれこそオリオン座のすぐ傍にある、冬の夜空でもっとも明るい星です。
ところが、これが「シリウス星系」となると、だいぶ様子が変わってきます。SF小説やマンガ等では有名ですが、実際にシリウス星系と呼ばれる場所と、冬の天空の女王シリウス星とは無関係……らしいのです。ちなみにシリウス星は、もっとも太陽系に近い肉眼で見える恒星の、2番目とされています。

アニメでありフィクションの世界の、作り事とは言えやはり危機には危機の、攻撃を受けたらそれなりの、ダメージを受けて欲しいと思います。
この為、まるきり無敵ガミラスではなく無敵戦艦ヤマトで、緊張感も危機感もまるで嘘みたいに存在しませんでした。よく分からないのは七色星団で、なぜしてドメルは艦砲の見当たらない、3隻の空母まで突出させたのでしょうか?吊られた?ドメルは明らかに、空母に下がれとは言っていません
その上で「このドメルが、まんまと艦隊戦の誘いに乗るとは……詰めを誤った!」と言われても、星間乱流もお互い承知の上だと思うので、今一つ納得できません。

それにしても総監督はもしかして、人種差別主義者ですか?何であの時代で、ヤマト発進時には他の国との交流は無理でも、既に多くの人種が日本の艦隊司令部にも、居ておかしくはないのですが……。
佐渡先生のメルダの生体検査結果で、「肌の色以外は全て地球人と同じだ」って、肌の色だってあの色が無いだけでしょう?思わず吹き出しました。せめて髪の毛を持ち出せば、「ああいう肌の色、髪の毛の色は地球人には見られないが……」と、それらしく言えたモノを。

でも本来諦めていた訳ですから、これでも上等だと思います。
なお最後になりましたが、GIN様のコメントはいちいち、もっとだと思います

では、また。

No title

このブログで紹介されているエピソードこそ、オリジナルヤマトにあったSFマインドとですね。
2199には、ガジェットはあってもマインドはなかった。
小道具や設定としてのSF用語はあっても、それを物語の中にいれることができなかった。
この辺りが、2199スタッフの限界ですね。

OPとEDもさることながら、次回予告を削ったのもダメでしたね。
「人類滅亡まであと××日」、これなくしてなにがヤマトか!
もっとも「ファンならBD買ってね」ということなのかもしれませんが。
これだからエイベックスは…。
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HINAKA

Author:HINAKA
『あんのんブログPart2・HINAKAの戯れ言』です。
本来は、『あんのんブログ・HINAKAの雑記』としてSo-netブログであったものが、So-netブログから追い出されて、ここで新たに構築するモノです。

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