アニメ新番組『弱虫ペダル』は余りにもTVアニメ・シリーズ『Over・Drive』に導入部が似ていませんか?
以前にも『はじめの一歩(ソネット時代の拙記事にリンク済み)』という、TVシリーズ・アニメであった事を記事にしていますが、如何に同一競技とはいえ以前にあったそれなりの有名作品と、ほぼ同じストーリーや構成を行った場合。
ただ漠然と、原作がそうだからとばかりに、それで終わっていいモノでしょうか?実は、今回の『弱虫ペダル』に関しては重大な勘違いをしていました、実は原作マンガの主人公が〈中学生〉だとばかり、勝手に思い込んでいて、全く原作を省みませんでした。
まァ、『Over・Drive(TV公式サイト・リンク済み)』同じテレビ東京系だし、原作者同士が良いと思っているのならば、文句を付ける筋合いも無いのですが……。
『はじめの一歩』のTV放映の場合、主人公ではありませんが、そのライバルとして描かれた、非常にクールな選手がいます。
ハード・パンチャーではない為に、カウンター攻撃を得意にしていました。その彼に、対戦相手が「ブラッディ・クロス」でそのカウンターを封じると、宣言して登場しました。どんなワザか非常に興味を覚えて、放送を楽しみにしていました。しかしその、「ブラッディ・クロス」なるモノは相手がカウンターに来た腕を、自分が伸ばした方の腕を畳んで、その肘でカウンター・パンチに伸びて来た腕を弾き飛ばします。その上で間髪を入れずに、逆に反対側にカウンター・パンチを放つというモノでした。
これを見て、唖然としました。
「これって、『明日のジョー』のダブル・クロスカウンターでは無いか!?」
果たして、格闘技のワザに著作権や特許があるとは思いませんが、フィクションとしてどちらも出来そうで、出来無いワザを出来るように描いたところは、さすがです。
ですが相手がいわば伝説の名作とも言うべき、『明日のジョー』となると、話は変わって来ます。せめて、作品の中のどこかで誰かのセリフとして、「アレは、ダブル・クロスカウンターじゃないか?不可能といわれていた幻のワザが、ブラッディ・クロスの正体か!」的な一言を漏らしてくれれば、問題は解決したと思えます。
いわば、先達の名作に敬意を込めて、まさか『はじめの一歩』の原作者やアニメ・スッタフが、『明日のジョー』を知りませんでした!では、済まないと思います。思いますので、その件を当時のSo-netブログ上に記事と載せたところ、『はじめの一歩』ファンから「自分は『明日のジョー』を知らないし、同一競技で似たようなワザを、フィクションとして描くのは問題無いのではないか?」という御批判を浴びました。
ですが、どうしてもこの点は納得の行かない話です。
もちろん、だから『はじめの一歩』が悪いというのではなく、飽くまでも過去の名作には、相応の敬意を払うべきではないか?と言う事に尽きるのですが……。
そして今度は、『弱虫ペダル』この第1話も類似というか、相似というか人物設定や配置。何より導入部の展開が、余りにも酷似しています。これを中学生が主人公とした時には、いささか独断と偏見ですが、少年誌のスポーツ・マンガの場合。恋愛やラブ・コメ要素が非常に希薄になり、主人公の自転車競技にかけるきっかけとしては、薄いモノだと思っていました。
ところが、実際は主人公達登場人物は、高校に入学したての新入生で、まだ部活には入っていないと言うか、理由は異なりますが希望する部活も無いという点まで、同じです。
しかもその主人公を、同じ中学出身(かも知れない?)で女子の間でも噂になる美人という設定の、彼女が主人公の隠れた自転車に対する才能と、その女性の魅力?で自転車部に入部させようとする。しかも彼女の兄が、その高校の卒業生で自転車部のOBと言う点は、相似しますが大の自転車オタクで、即マネージャーとして入部するところは、少し違います。
ですが、ここまで構成が似ていると、さすがに「チョット待て!」と言いたくなります。『Over・Drive(オーバー・ドライブ)』もかなりそれなりにヒットした作品です。
何よりも〈マンガに自転車は禁物〉という常識に対して、個人的に御贔屓の『御近所日常マンガ』宮尾岳氏の「並木橋通りアオバ自転車店」シリーズに続いての、本格自転車競技マンガと言う事でした。
その為、自然とかなり注目していましたし、特にアニメは実はかなり深刻に、心配していました。
対して『弱虫ペダル』は、絵柄の問題や好き嫌いもあり、更に「このキャラで高校生!?」と言う事ですから、もはや作品として、違和感を持ってしまいました。
そしてそれは、現実にアニメが放映されると出だしから、構成や展開が『Over・Dorive』と同じ!?と言う事で、一気に興を削がれてしまいました。両方とも当初はアニメしか見ていないので、原作既読者とは印象が違うのかも知れませんが・・・。
★既に名作と言える先達がある以上は、少なくともその切り口や、構成は敢えて変えて行かないと、多少性格を変えましたでは、通用しないと思います。また、先達の作品対しての敬意が、ありそれ故に似た形にした(現在ではオマージュという様ですが・・・)のであれば、それをハッキリと作品内で示す必要があると思います。★
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〈前略〉
〈『弱虫ペダル』の人物紹介〉
引用者註:この項の粗筋が忠告を受けるほど問題がある為。
小野田 坂道(おのだ さかみち)・声-山下大輝
主人公。1年生 → 2年生。眼鏡がトレードマークのオタク。
03月07日生まれ。魚座。血液型O型。気が小さく、他人と話すことが苦手で、特に必要以上に元気のある体育会系の人間を嫌う。
中学生時代は環境に恵まれていなかったため、高校入学を機にオタク仲間を作ろうとアニメ研究部の再結成を図ろうとするが失敗。鳴子の勧めで自転車競技部へ入部。
小学4年生の頃から片道45キロメートル以上離れた秋葉原に自転車で通い続けており、その自転車も重量のあるママチャリに遠くまでいけないようにギアが細工されたものであった。また、家の前も相当な激坂であり、やはり激坂である高校の裏門坂を鼻歌を歌いながら平然と登る。そのためか、スポーツは苦手だが自転車に関しては初心者にも関わらず相当なポテンシャルを秘めている。
入部以降はクライマーとしての資質を見出され「身軽な体躯」「目標に一途なメンタル」「軽いギアでもぶれないハイケイデンス(高回転)ペダリング」を特に評価される。
坂道を登る際に笑顔になるほか、大好きなアニメ「ラブ☆ヒメ」のOP主題歌を口ずさむ癖がある。
愛車は小学生時代から乗っているメーカー不明のママチャリ(自転車競技部入部後、幹に改造を施された)と、寒咲自転車店からの借り物で同じくメーカー不明のクロモリロードレーサー。
インターハイ後に、これも寒咲自転車店から借りている黄色のBMCに乗り換える。インターハイでのゼッケン番号は176。
今泉 俊輔(いまいずみ しゅんすけ)・声-鳥海浩輔
中学生時代は県内屈指の自転車レーサー。
1年生 → 2年生。非常にクールな性格で、冷静な計算に基づくライディングを売りにしているが、根は勝負事に熱くなるタイプで極度の負けず嫌い。中学時代にある大会で1位に大差をつけられ準優勝で終わったが、それをバネとし高校入学後もさらに厳しいトレーニングを積み続けている。
目標は世界最速。山岳、平地にかかわらず力を発揮するオールラウンダータイプ。同じく負けず嫌いで、ライバル関係にある鳴子とは言い争いが絶えない。
作中では送迎車を使って通学をしており(「高橋」という、執事と思わしき男が運転している)巻島邸を見てもそれ程驚かないため、ある程度金持ちなのかもしれないが、詳しく描写はされていない。
インターハイでのゼッケン番号は175。愛車はスコット。05月18日生まれ。牡牛座。血液型A型。
鳴子 章吉(なるこ しょうきち)・声-福島潤
転入生。1年生 → 2年生。
関西では名の知れたレーサーで「浪花のスピードマン」の異名を持つ。
派手好きな性格で髪や愛車など身の回りのものはとにかく赤い。家族や友達思いの人情家。秋葉原で知り合った坂道の素質を見抜き、彼が同じ学校だと知って、自転車競技部への入部を勧めた。
目立つことを信条にしており、「速いのが一番目立つ」スプリンタータイプ。反面、合宿中の取材依頼に対しても「余計なこと考えたら走りきれない」と断るなど、ただ目立てばいいわけではなく、あくまでレースで勝って目立ちたい様子。
小学3年生から自転車競技を始めたが、当時は成績を出せなかったほか、小柄な体躯を馬鹿にされてきた。苦手な山岳への対策を練る努力型。
坂道とは仲が良いが、今泉や田所とは何かと張り合う。今泉を「スカシ」、田所を「オッサン」、金城を「グラサン(先輩)」などとあだ名をつけて呼ぶ。
愛車はピナレロ。インターハイでのゼッケン番号は174。08月28日生まれ。乙女座。血液型B型。
寒咲 幹(かんざき みき)・声-諏訪彩花
坂道の隣のクラスの女子生徒で、総北高校自転車競技部のマネージャー。
1年生 → 2年生。大の自転車オタクで、自転車の話になると目の色が変わる。今泉とは幼少時からの顔見知りである。自転車で秋葉原まで行くという坂道に興味をもつ。
実家は自転車販売店で、兄は部のOB。その関係で、実家の店ごと部のイベントをバックアップしている。
〈後略〉
これに対して、『Over・Drive(オーバー・ドライブ)』の説明は、粗筋で済みます。
〈前略〉
〈あらすじ〉
「自転車部に入らない?」大好きな深澤さんからそう言われた、自転車に乗れない高校生篠崎ミコト。
「自転車部」がなんなのか分からないまま夢中で練習を始め、苦難の末に自転車で疾走したとき、15年間くすぶりっぱなしのミコトの心の中で何かがはじけた!
〈後略〉
呆気に取られるほど、簡単な説明ですが、要旨は確かにその通りです。
何よりも大きな違いは、『弱虫ペダル』のヒロインは、確かに主人公にとって憧れの存在ですが、彼女自身が大の自転車オタクだと言う事です。レーサーでもある兄の影響も受けて、非常に自転車や競技に詳しく、自転車部のマネージャーとして主人公はもちろん、他の部員や自転車の調整とかにも参加します。
これに対して、『Over・Drive』のヒロインはまさに、中学からの主人公の憧れであり、その声と言葉は彼にとって女神の宣告にも、等しいモノです。
ですが実際には、フリー百科事典・ウイキペディア(同上)によると、以下のように紹介されています。
深澤ゆき(ふかざわ ゆき)・声-名塚佳織
165cm 高校1年生 ヒロイン。
深澤遥輔の妹。ミコトと同じ中学出身で、高校でもクラスメイト。
美人だがルールに従うことを嫌い、毎朝わざと遅刻してくるなど、非常に自分勝手な理屈で動く。
また、かなりルーズな性格で自転車部のマネージャーだが、実際には仕事をほとんどしておらず、勝手に部費を使ってジュースを買うなどあまりやる気が見られない。
最初にミコトを誘ったのも遥輔に「新入部員を連れて来たら小遣いをやる」と言われたためだった。
だが、自転車に夢中になるミコトの姿を見て、ゆき自身の姿勢も変化し、ミコトに惹かれ始める。
ペダルを回すコツを教えたり、合宿で特訓に付き合うなどして、少しずつミコトをサポートするようになり、ミコトに一番になるよう約束させる。
このミコトの熱い気持ちを汲んで、高校選抜では、嘉穂の書いた出走順を勝手に書きかえ、ミコトをアンカーにした。
レースでは第2補給ポイントで給水係を務めたが、寺尾にボトルを渡した後、寺尾が落車してしまい心配になり給水どころではなくなったので、サポートカーに乗ってスタート地点まで戻ってきた。
と言う事で、ほとんど不良少女・・・は、もう死語でしょうか?と言う描かれ方をしていますが、上記にあるように、決して頭が悪い訳ではなく(アニメを見る限り頭の回転速いように見えます)主人公と共に、成長して行く形になっています。
特にアニメ版では、男に振られて落ち込んでいる彼女に(それもどうやら一方的に彼女が悪いようです)雨の中、主人公が心配して彼女の家まで自転車で来ます。しかし、中に入ろうとはせずに、その窓に向かって大きな声で励まします。
「大会頑張るから、精一杯やるから、見ていて欲しい!」と。
彼女の母は、かなり体重が危なそうなのに、カロリーが高いとしか思えない、ポテトチップなどの間食絶やさない、一見さえないオバサンですが見るところは見ています。
「私以外で、あなたの様子が変だって、気付いた人が他にいるかい?」
娘もまた、自転車で転けて雨でずぶ濡れになりながら、その雨の中を大声で叫ぶ主人公を、決して窓から見ようとはしません。しかし、彼女はカーテンに隠れて彼の声を聞きながら、滂沱の涙を流します。
その涙の意味すら、分からぬままに・・・。
それで2人の仲が進展するかと言えば、相変わらず主人公には優しくない高飛車な女ですが、自転車に関する事だけは惜しみなく、と言うよりも見かねてと言う感じで、何だかんだと手助けをします。
アニメは、マンガ原作の前半少ししか描きませんし、2人の仲も進展するのかしないのか?と言う感じで終わりますが、原作よりも遥かに彼女の意識は、早くから主人公へと傾いているように描かれています。
『弱虫ペダル』にそのような、男女関係が影響するのかどうかは分かりませんが、決定的なのは次の一言です。
「他のスポーツと違って、自転車競技はある日突然、その才能が開花する時がある!」
どちらのヒロインも、それを根拠に主人公をスカウト(入部に誘う)します。
まさかそれが、自転車マンガの定番だとは、幾ら何でも言えないと思います。少女マンガの定番が、朝学校に遅刻しそうになって、パンを喰わえて走っていると、必ず男の子と衝突するというのとは、訳が違います。
せめて後発の『弱虫ペダル』TVアニメ・シリーズには、他の導入部を使って欲しかったと、思います。仮にこれがマンガ業界では常識と言われる、「定番」とか「お約束」。あるいはまた、「単なる似た設定」と言われても、ちょっと納得が行きかねます。
もっともこれは、TVアニメ・シリーズ『弱虫ペダル』第1話の導入部に限った事ですのでマンガ原作の内容はもちろん、これ以降のTVシリーズ・アニメ作品内容にもまったく関係ありません。
逆に言えば、「たかだか導入部が似たくらいで何を騒ぐ?」と指摘されても、反論できないくらいに、些末な事であるのは事実です。ただこんな些細な類似点が、このTVアニメ・シリーズの『Over・Drive』を知る者にとって、かなり辛く。場合によっては今後の視聴意欲を削ぐ、結果となっている事だけは事実です。
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管理者註:どういう訳か「Google」を元にした検索サイトにこの記事が「~前の所謂プロトタイプ読み切りは構成がすごく似ていましたが(たしかパクリ論争もあったはず)~」と在りますが、これは上記本文記事とは何の関係もありません!そもそもこの記事を書いたのは、そのような論争が起こる以前ですので、何故そのような引用見出しになったのか分かりませんが、2016年3月現在「Google」に訂正か削除を求めています。ただ、どうなるかはわかりません。
ここで改めて強調したいのは、この記事の内容は《「弱虫ペダル」パクリ問題等》とは、何の関係も無い!「後発の作品は、似たジャンルの先発の作品。特にそれが名作・佳作、あるいはそのようなジャンルのモノが、少ない時代の作品だった場合。それなりの敬意を払い、似通った設定や展開は避けるか、あるいはどうしても似通ってしまう場合には、こじつけでも良いから『その作品ならではの独自性か、過去の作品に対するオマージュとしての描写だと、分かり易く表現すべき』だと思う」と、いう事でしか在りませんのでその点を、ここでハッキリとさせておきます。
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