藤島康介著『ああっ女神さまっ』第48巻で遂に完結!です。
第40巻で「路半ば」と作者がコメントしていたので、後20~30巻は続くのかと思っていましたが、以外と速く50巻まで待たずに48巻で、作品内容的には《見事に目出度く終了!》まァ、、この点には異存はありません。
既に「惰性で続いている」とか「同じ事の繰り返し、飽きた!」などの声もあったようですし、特に後半になればなるほど大ゴマの多様化や、アクション・シーンの間延び。そして何より、これは公にはCG作画導入時の混乱が原因とされていますが、作画レベルの混乱も見られました。
兎にも角にも、《1988年11月~2014年06月まで、何と26年間!全48巻無事完結!!藤島康介先生!おめでとうございます!!》です。
それにしてもここまであからさまな、「第9種紫宝級礼装」こと、まごう事なき「ウェディング・ドレス」姿のベルダンディーが表紙を飾る、最終48巻は圧巻でした。
こうなるともう、何も言えません。なお、花婿の森里螢一君も、キチンと裏表紙にタキシードで登場しています。

ほぼ第39巻で、ベルダンディーの姉ウルドの母親、大魔界長ヒルドの「援助要請を受けた」ところから、まず物語は「大魔界長ウルド配下のハガルによって簒奪された権力を取り戻す」、魔界で対決になります。
今さらですが、ウルドの母親はベルダンディーや末の妹スクルドとは異なります。正直言って、この辺で果たして作者がこのまま、最終回に雪崩れ込むつもりだったかどうかは、疑問です。
ただ、このような展開自体は状況設定の違いはあっても、「最近はまるでアクション・ゲームみたいに、バトルバトルで展開と大ゴマを稼いで、結局同じオチの繰り返しじゃないか?新鮮味とか、意外性とかが無い」と言う批判には、耐え得るものではありませんでした。
これが生きて来たのは、単(ひとえ)に第44巻で「ヒルドを助けようとして、ベルダンディーがとんでも無い事をしちゃったの、どうしよう?(知っている方は、劇場版『ルパン3世・カリオストロの城』での、白々しい銭形警部の口調を思い浮かべて下さい)」だからです。
今さら、何だって言うのかと言われればそうかも知れませんが、「女神との契約解除」って出来たんでしたっけ?ともかくこれにより、女神との契約の拘束を解かれた森里螢一(もりさと・けいいち、一応主人公です・・・たぶん)君は、ベルダンディーと「真の契約」を結ぶ事が出来るようになります。
「真の契約」とは即ち『女神との結婚』でした!
★今さらっちゃ今さらの、突っ込みどころが満載!の感はありますが、此処から一気に大魔界長の地位簒奪事件から、「神と人間」はもちろん、「神と悪魔」などそもそも恋愛も結婚も、有り得無い組み合わせの為にシステムが起動します。サスガに唯の成り行きでハッピーエンディングとは、行かないところがこの作者の作者たる所以かも知れません。★
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第44巻の《真実のキス》以降の展開は、実にある種まったく「意表(いひょう)を突く展開」と、言えると思います。
もっとも、普通の人間・地上人と精霊・妖精・妖魔・神族・魔族等、ファンタジー系の非人間でありながら、見かけ上は人間的な存在はもちろん。SF的な、宇宙人系の地球人型異種生命体やアンドロイドなどの人工生命体との関係も、TV番組としてはアメリカの家族コメディ・ドラマ「奥様は魔女」を契機として、一気に広がった気がします。
特にSF系の場合には、以前よりも現代の方が遺伝子の組み替えを始めとする、現実的な人体科学の発展で、それこそ分子レベルからの調整で、科学的にも婚姻は可能?な状況と言えます。もちろん、飽くまでもSFとしての話しですが‥‥‥。
ですのでむしろ、決定的な地上の人間との差違として、「生きていられる時間に限界のある」者と「不老不死では無いにしても天文学的な時間を生きているとされる」者との関係は、成り立つのか?という、太古よりの1つの命題が普段は忘れていますが、この物語には付いて回ります。
これは、TVアニメの「おジャ魔女どれみどっか~ん!」シリーズで、後に劇場版アニメ『時をかける少女』で有名になる細田守氏が演出した、第40話「どれみと魔女をやめた魔女」でも語られお話です。他にも類型は、無数に得にいわゆる少女マンガ系には数多くあると思います。
どんなに愛し愛されても歳を取らない、あるいはとてもとてもゆっくりっと歳を取る、美しい魔女に対して人間の男性は確実に年老い、やがては死んで行きます。これは少なくとも魔女側、つまり人間では無い方にとっては当たり前の事かも知れませんが、人間にとっては辛い現実です。
さらに、この実例?に藤島氏はより厳しい、制限を付けました。
この人間の男性を愛した湖の女神は、その湖で「人間に選択の機会を与え、幸せになる権利を与えられる」代わりに、「女神となった以上はその定めの場所から離れられない!」これが文字通りに、痛くて残酷なのです。
愛した男の最期を見とった女神は、本来は人間で生け贄として大昔に湖に沈められた少女でした。
水不足に苦しむ村人の為、両親の為、少女はその無垢で純粋な心のまま、湖に沈みます。それを哀れと思ったのが、神だったのか池の主だったのか?ともかく、彼女に「選択」の機会を与えます。
女神となってこのまま水の底に沈み、永遠に眠り続けるかそれとも女神となって、人々に「選択」の機会を与え、その幸せを掴む(つかむ)助けとなるか?そして彼女は、湖の選択の女神(主にイソップ寓話・物語として有名な、『金の斧と銀の斧』の物語に、なぞらえたと思われます。ちなみに、主人公?の森里螢一君は「都市伝説だと思っていた」そうです。
脱線ですが、日本では江戸時代からキリシタン経由で伝来し、有名な「兎と亀」の話しは日本の昔話と、同化してしまった典型だそうです。
また本来の、いわゆる原典も数種類以上有るらしく、元来はギリシャ神話起源の物語でこの女神も、元はヘルメス神で場所も川だったの言うのが、もっとも原点に近いようです。ただし早い段階から、場所は泉や湖沼に、登場するのも女神や水の妖精(いわゆるウンディーネ)で、見た目は美しい女性型をしていると、かなり早い段階から絵描き達の絵心を誘ったのか、その形で残っているそうです。
更には、より過激な魔女や精霊とされ、嘘の申告をすると水の中に引きずり込まれ、魂を喰われてしまうという表現も、現れたそうです。
しかも中には、気に入った相手(もちろん若い男性)と結婚してしまう場合もあり、その場合それからどうなったのかは、良く分かりません。
話しを「あぁ女神さまっ」第46巻に戻します。
ここでの、ベルダンディーと螢一君の試練は、この選択の湖の女神と誤って木製の竪琴を落としてしてしまった、吟遊詩人の青年の昔話に同化し、しかも自分達は干渉できないと言うものでした。
湖の女神に一目で心奪われた青年は、それまでの旅から旅の人生を止め、湖の傍に小屋を造り同様に自分を気に入ってくれた女神と共に、残りの人生を過ごします。多くは彼女を称える詩を、タマにはせがまれて旅先での出来事や光景の詩を、詠っては女神に聞かせる毎日です。
実はわずか一コマで、しかも灯りが逆光になっているという状態で、黒い影だけで描いているのですが、この女神と男性の明らかな性交シーンが、描かれています。
記憶違いでなければ、この作品は最初から常にその機会と場所に恵まれながら、螢一君は決してベルダンディーを襲わず、ベルダンディーは決して螢一君を《意識的には》には(無意識的には、毎回のように誘っているだろう!?と言う突っ込みは、無しにして‥‥‥)誘ったりしていません。
むしろ、姉のウルドはその性格上も、何度もいわゆる惚れ薬を作っては敬一に飲ませ、または飲ませようとして、結局は失敗しています。その本質的な原因は、「二人が出来たら出来たで面白いじゃない!?」という、極めて享楽的な動機にあるというのが、物語全体としての在り方です。
他の男女もありますが、物語の性格上もあり結果的に、明白な性交シーンは描かれて来なかったと、思います。
それがここに来てホンの一コマ、しかもシルエットのみではありますが、明らかな場面を描いた事は、この先の展開にとって重要だと思います。ちなみに、螢一君とベルダンディーがこの過去の出来事に対して、双方が同調している事実も見逃せません。
しかし、それすらも忘れさせるほど、その後の老いて朽ちて行く男を、最後まで抱き続ける女神の切なさ。そんな、昔のままに美しい女神を羨むどころか、彼女を是非自分の見たあの美しい場所に連れて行きたかったと、それだけを悔いる今や老人となった男。そして彼は、その見せたかった光景と、女神の美しさを重ね合わせるように詠い、遂に事切れます。
ここからが、壮絶です。
解っていた事であるのに、女神は素直に男の死を受け入れる事を、自分と彼が永久に離れ離れになる事を、受け入れる事が出来無くなってしまいます。そして、その証として彼が自分に見せたかったという、自分の目の色と同じ色をした、空と海を見に行こうと湖から離れようとします。
しかし物理的に彼女のマントが、恐らくは女神の印でもあるのでしょう、身体から直接伸びているマントは、ある一定以上の距離には、伸びる事はありません。彼女は、この湖の選択の女神となった時から、湖と同化していたのです。
これはもう痛々しいとしか、言いようの無い、静かでしかし激しい描写です。彼女は、自分を湖に縛り付ける、自らの体でもあるマントを、男が使っていた鉄の斧で叩き切ろうとします。
そしてここで、そもそもの原点?である、選択のドラマが展開します。
男の使っていた斧は既に錆びて、刃がボロボロになっていました。この斧では切れない!そう知った女神は、何と自分で湖にこの古い鉄の斧を投げ込みます。そして自分で、選択に現れるのです「私が落とした斧は、この錆びた斧ですか?それとも、この切れ味抜群の、斧ですか?」それまで、優しく涼しげな目元が、まさに鬼気迫る決意に満ちた、目付きに変わっています。
「落としたのは、錆びた斧です。私は、正直者です」この答えに、螢一君は愕然とします。「では、この切れ味抜群の斧をあげましょう」自分で応えた女神は、錆びた古い斧を捨て新しい斧で、一気に自分と湖を結び付けている衣服。マントの一部を、一気に切り捨てます。それは、想像を絶する痛みだったのでしょう。それでも彼女は、束縛から解放されて、彼と飲む場所へ行ける事に、希望を持ちます。
この時、本来過去の出来事には干渉できないはずの螢一君の声が、女神に聞こえます。
「もう、彼は望みを叶えたんだ」その声に、一瞬彼女の足が止まり、同時に湖の加護を失った彼女は、女神ではなくなりその悲しみから、厄神化しようとします。それを防ぐ為に、彼女は〈封じ〉られます。
この時、悲しみの中で「人など愛さねば~」という声と共に、封じられようとする彼女は明らかに「人を愛した悲しみの中で」封印されることに抵抗しています。すると、本来この女神に同化し物理的にも精神的にも干渉できないハズの、ベルダンディー。そして、なぜか老いた吟遊詩人と共に死んだハズの螢一君が、二人揃って封印されたようとする女神を、助けようとします。
「二人の思いは、叶ったんですよ!~あなたが、悲しみの中に、沈むことはない!!」それは、ベルダンディーの声だったのでしょうか?そして女神は、その声をハッキリと聞いた表情で、球体状のカプセルへ閉じ込められます。
そして、最後までその女神に手を差し伸ばした状態で、ベルダンディーも螢一君も元の「異端恋愛審問用の裁きの門」の前に、戻っています。
愛しさと悲しみと切なさに、互いに「伝えたい思い」を「残す者」と、「伝わらない思い」を「残される者」の「先にあるもの」を知り、ボロボロになり涙が止まらずにいました。しかしだからと言って、それが「悲劇の結末だと決まってなどいない!」と、螢一君は断言します。
もし未来が決まっているのならば、そもそも「裁きの門」の存在自体が、無意味じゃないか!と。ベルダンディーが最初の契約の時に、「言わなかった性的行動自動制約の約束」が螢一君にとってショックだったのは、彼女がそれを黙っていた事ではなく、「黙っているが故に、辛い思いをさせたという事実が、辛かった!」あァ~、もう何と申しましょうか‥‥‥
「勝手にしやがれッ!」
はいはいそうですネ、毎度の事ながら周囲が気を揉む必要も心配も、このお二人には全くの無駄!!という、いつもの展開で終わるように見えて、今回は終わりませんでした!
何と裁きの門の門番を乗っ取って、知らん顔で二人の関係に疑念を挟んでいたのは、ベルダンディーの父君つまり神様の長!
《大天界長ティール》様だそうです。まったく、どやどやと運命の女神として、「女神集合体代表取締役」であり「異種族恋愛審問システムの審問官」として、いきなり降って湧いたベルダンディーとスクルドの母親で、大魔界長ヒルドの後妻。長女で半神半魔のウルドの義理の母親?アンザスさんが登場して、ベルダンディと螢一君の女神と地上人としての「異種族恋愛審問」の為の、裁きの門を開けたと思ったら今度は姿こそ間借りしながらも、お父様で「大天界長」が御登場とは‥‥‥。
その昔、ウルドの母親で現大魔界長のヒルドですら越えられなかった、裁きの門を見事にクリアした二人に、事もあろうに大天界長は「父親として」螢一君に、娘を嫁にする(螢一君はキチンと「娘さんを僕に下さい!」とお願いしました)にするに当たり、条件を出しました。
ハッキリ言って、狡い!「我が娘と結ばれたいのであれば、奇跡の1つもでも起こしてもらわねばなッ!」と、これもまァ嫁取り物語には付き物の、「花嫁の父が婿に与える試練」という奴ですが、相手が大天界長ともなると「(自分に)そんなバカなッ!?」と言わせるぐらいじゃないと、「奇跡とは認めない!」のだそうです。
完全に、嫌がらせでしかありませんが、相手が神様のトップで嫁さんが、いずれは女神のトップになろうかというのであれば、唯の人間である螢一君には受けて立つしかありません。
ちなみに、現女神トップであろう母親のアンザスさんは、強制的に魔界に出現した時に先妻になる、大魔界長ヒルドさんと早速一戦交えましたが、螢一君が「これじゃ魔族と変わらない!」と、呆れるくらいの破壊力でした。
もっとも、どちらにとっても娘になる、ウルドに言わせると「挨拶が長すぎるのよ!」という事らしいのですが、顔を合わせると物騒な二人である事は、間違いないようです。なお、この二人の母親とウルドとスクルドは、ベルダンディーと螢一君が「裁きの門」をくぐった時点で、する事が無くなり暇を持て余す事になります。
当然ですが、大天界長が用意した障害は、そもそも達成が困難な上に、時間制限まであるという、とんでもない物でした。
唯一の救い?あるいは、圧倒的自身から来る大天界長の余裕か、使用する螢一君の道具は彼が最も得意とするバイク。それも自分が所有するBMWと、瓜二つな傷や凹みはもちろん、レバーやシートのすり切れ具合までがそっくりに再現されたモノでした。しかしこの難関は、突破できません。と言うよりもそもそも、大天界長ことベルダンディーの父親は、突破不可能な難題を、押し付けたとしか思えません。
面白いのは、この絶望的に奇跡を起こす事など不可能と思われる状態で、ついに最後の挑戦という場面で、螢一君に力強い味方が現れます。もちろん、父親により応援以外の手助けを禁じられた、ベルダンディーではありません。
何と、あの湖の選択の女神です!
彼女もまた、あの封印される瞬間、自分のあるべき姿を彼女に手を差し伸べた、ベルダンディーに見たのだと言います。さらに、彼女の思い人と同じ人間の男性である螢一君からも、自分の想いが彼に届いていた事を、知らされたのだと。
「絶望から、解放されたから」封印が、解けたのだそうです。
しかも彼女はただ長い年月、封印されていた訳では無いと言います。今ここに、螢一君と思い人の父親が対決する場所にも、偶然現れた訳では無いと。
「私は磨いたのですよ、選択の力を。自らも選択できるように、強く強く。どんな場所でも、選択した場所に湖ごと、出現できるように」
湖に縛られていた女神が、そこから自由に移動できるのではなく、自らを女神たらしめる選択の湖ごと移動する!
「そんなバカなッ!」
思わず大天界長は、口に出します。
しかしそれは、選択の女神の奇跡であって、螢一君が課題をクリアする事によって、発せられた言葉では無い。と言う父親のコジツケを、ベルダンディーは認めます。この辺は、どこまで行っても正直で融通の利かない、現代の運命の女神なのでしょうか?
するとそれを待っていたかのように、湖の女神は「正直者への、御褒美がまだです」なお、螢一君が正直に申告したのは、湖に落ちたバイクが金でも銀でも無い事です。もちろんそれには、「どっちしても走れないので、普通のを返して下さい!」と言って、自分のバイクを戻して貰いました。この時に選択の女神は、確かに「他の何かで、サービスしましょう」と、言っています。
そして彼女が行ったのは、螢一君のレベル上げる事でも、バイクの性能を飛躍させる事でも、ありませんでした。ただ殺風景で殺人的なコースに、草原と吹き渡るそよ風を。木々を繁らせ森を抜け、山々の峰を越える路に、替えたのでした。
「コースは、替えていませんよ」と言う女神に、大天界長は怒鳴ります。
「命令だ、今すぐ戻せ!」しかしその言葉に、女神は微笑で答えます。「いやです」と。
「第一これは、彼が正直者であったが故の出来事であり、正当な(私の)義務です」この後も多少問答がありますが、何しろ別人の姿を借りている訳ですから、ことごとごく大天界長の惨敗です。
そして選択の女神は、ポカンとしている螢一君に囁き掛けます。「今度は、楽しんできて」その一言が、普段の彼に戻します。バイクが好きで、走るのが好きで、その風と匂いとバイクから全身に伝わる振動全てを、自分のモノにできる感覚が、好きで堪らない螢一君本来の走り。
掛かっているのがベルダンディーとの、関係とか結婚とかそういう事で、この自分本来の純粋な感覚を忘れていた事を、彼は選択の女神に教えられたのです。
それはかつて、彼女が自分の大切なモノを失う恐怖に怯えた時に、彼とベルダンディーが彼女に教えた事でも、あったのです。『もう全て通じいる、お互いに分かり合っている。目的は、とっくに果たしている!』
螢一君は、快調に飛ばします。その行く先が見えない地点に出ます、一瞬速度を落とそうかとしましたが、その先が見えているので気軽に決定します。「軽くジャンプしよう!」ですがそこは、実は大きくUの字に曲がったカーブでした。
もう、減速する暇はないッ!いや、最初からそのつもりないッ!!彼とバイクはそこを軽々と飛び越え、ちょっと着地にもた付きましたが、そのまま走り抜けます。
その瞬間、ベルダンディーの父親は思わず叫んでいます。
「そんな、バカなッ!」
そして今度こそ、文句無しと言う事を、娘に確認されてしまいます。
しかも戻って来た螢一君は、何とベルダンディーを後ろに乗せて、「もう1回、走っていいですか?」これにはさすがの、大天界長もお手上げです。
果たして最初からの計算なのか、それとも丁度良い区切りと思ったのか、あるいはいわゆる大人の事情でしょうか?
とにかく、「異種族恋愛審問システム」とそれを判断するゲート。ここで初めて、ベルダンディーとスクルドの実の母親を登場させた上に、審問の課題は過去にあった出来事。ここに、湖の選択の女神を登場させ、最後に登場した(姿は別ですが)ベルダンディー姉妹の父親である大天界長。
しかも、ベルダンディーの母親アンザスさんまで登場して、更には詳しくないまでもそもそものアンザスさんと、ベルダンディーが生まれる前。どうやって、ウルドが生まれたのか?という逸話まで、披露するというサービス?ぶり。
ただしこの辺は、曖昧といえば曖昧なままですが‥‥‥。
ここで、第48巻の最終話までほぼ一直線なのですが、結果的にベルダンディーは母親の手により、《第9種紫宝級礼装》つまりは、ウェディング・ドレスを着せて貰います。

ただ結果的に、ベルダンディーが女神と知れる事の問題もあるのか、事実上の結婚式は神属の礼法に則り、女神4人と2人の立会人(証人)によって行われます。
結果的に地上界で行われたのですが、ワルキューレのリンドとペイオースがいたので、女神は数が足りたのですが、問題は立会人2名。取り急ぎ、地上人ではマズイとすると?まずは、地上版魔力1/10000のチビ・ヒルド様と、毎度そのチビ・ヒルド様に貧乏クジを引かされる、今回も意識を失ったままのマーラー(女性です)さん。
堅物で知られるペイオースさんが、「魔属が神属の結婚式の立ち会い!?」と、待ったを掛けますがチビ・ヒルドに「そん条項あった?」と言われて、真剣に頭の中で検索するペイオースさん。
「ありませんわ」という事で、万事解決?遂に、女神と地上人の結婚式へと進みます。
ここで面白いのは、基本的に式を司るのは全て女神で、証人も異例?ではあるのでしょうが、魔属の女性です。
つまり、地上人の花婿以外は全てまず女性であり、地上人は1人もいません。
物語がここに至るまでに、御近所に住んでいて同じ大学の後輩になる、螢一君の妹や同じく大学の諸先輩など、ベルダンディーもよく知る地上人も多くいるにも関わらず!です。ここは女神と魔属だけの式だからとも言えますが、絶対に後で問題になりそうです。
以下は完結以降の個人的、妄想です。
きっと、「正式に結婚式を挙げたのなら、披露宴をやれ!いいや、お前は何もしなくていい、こちらで全部用意するから!任せておけ!!」てな事になって、きっと滅茶苦茶などんちゃん騒ぎになるのでしょう。
当然ですが、御近所に澄んでいる妹はともかく、螢一君の御両親とベルダンディーは、既に知り合ってますが、改めて挨拶に行く事になるのでしょう。
たぶん、プチ・ハネムーン!のついでに(何回か温泉旅行のチャンスがありながら、不完全燃焼?だった気もしますので。何しろ、螢一君の実家は北海道ですから!!)なんて、感じになるのではないでしょうか!?
という事で二人と、その周囲の人々と人為らざる、神属魔属を含めモロモロの登場人物達。
この物語を彩った全ての存在と、それを描き上げた藤島浩介氏に!物語最後の式の一節を、捧げます。
花と鳥と風と月と
ここに集え ここに歌え
祝いの意志がある者よ
結ばれし 愛と絆に
祝福を!
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