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TVアニメ・シリーズ『月がきれい』と『Re:CREATORS(レクリエイターズ)』から、画面内画面(スマホなど)に表示される文字のついて。



もうTV放映も終わって久しいのですが、その意外な?結末で最後の土壇場で〈逆転サヨナラ満塁ホームラン!〉をカッ飛ばしたとも言われたアニメ・シリーズ『月がきれい』ですが、その評価には賛同します。
ただ物語ではなく、その表現の一手段というかあるいは演出の一環なのでしょうが、大いに気になったのはスマートフォンらしきものを多用した、画面の見せ方です。現代の若者青春ストーリーにおいて、ある種必然なのですがこの見せ方に疑問があります。

日本国政府が、TV放映の完全地デジ化!をどう評価しようと、言葉は悪いのですが「知った事ではないッ!」のです。
問題は、未だに地上デジタル放送をアナログ変換(通称デジアナ変換)した上で、まだ使用できるアナログ・ブラウン管TVで同じくアナログVHSビデオ・デッキで保存した、TV放映映像を見ている人がいるという事です。
まァ、国策の問題はここでは置いておいて、液晶デジタル画面の技術的進歩の結果、TV画面の解像力は飛躍的に上がりました。細かい文字まで読めるようになったのは良いんですが、PC画面など細かい文字を拡大すると逆にぼやけて見える(文字の輪郭がぼやける、いわゆる「エッジぼけ」です)という、いわば本末転倒の現象すら日常的になってしまいました。

この問題は実はアニメにおいても顕著で、現在のTVアニメはデジタル化以前とは比較にならない、人手と手間がかかるようになりました。
本来デジタル化によって、人手も手間も縮小されるはずだったのが、なまじ画面の解像度が上がった上に使用できる色数が圧倒的に増えた為に、逆に多くの人手と手間が掛かるようになってしまいました。さらに各部門のエキスパート化、細分化と専門技術化が進み、以前のように手の空いた人が手助け(ヘルプ)に入るという事が、難しくなりました。
所謂(いわゆる)「何でも屋」が、居なくなってしまったのです(完全にではありませんが・・・)。
結果として、関わる人間の数はアナログ時代の倍では効かなくなり、当然のように真面目にスッタフ・ロールを1話ごとに作ると、まるで以前の35ミリ版フィルムで作られた映画並みの人手が、30分1話のTVアニメで必要となります。この問題に最初に気付いたのが、スッタフやキャストに興味の有る人が「あれは誰だ?」と確認しようとすると、文字が細か過ぎる上に表示時間が短く、ほぼ放映時点では確認できない!
では録画をして、後から静止画面で見ようとしても録画条件や表示モニターの解像力など、様々な条件が揃っていないとやはり微妙にぼけてしまって、特に画数の多い漢字は潰れたようになる事も、少なくありません。もちろん経済的にも、技術知識にも恵まれている人ならば、全く問題は無いのですが・・・。

ただこの問題は、インターネットの普及により番組の公式ホーム・ページなど、関連サイトで確認すれば良いという、これも便利な時代になりました。
その中で、スッタフ・ロールような形式的な問題ではなく、純然たる演出上の問題として画面内で、さらに小さな画面に表示される文字を視聴者が読まされる!状況が、頻繁に生まれるようになりました。これを作品の中心に据えた作品が、月がきれいだったのです。


TVアニメ・シリーズ月がきれい全12話


月がきれいDVDBOXA

〈Amazonリンク済み〉



本来、画面内表示で必要な事はそれが戦闘司令室のオペレーター画面であれ、個人の所持する携帯端末(スマートフォンやタブレット端末など)であれ、そこに何か表示された場合には当然のように、読み上げたり字幕で表示するのが常識化しています。
ところが、月がきれいでは、ほとんどそうした場面がありませんでした。この為、その後の行動や言動からその内容を、推測するしかありません。さらにエンディングでも、何やら本編中とは異なる内容のLINEでのやりとりが何画面か表示されているのですが内容が理解できない内に消えてしまいます

これで明らかなように、これは演出上わざと解りに難くしていると、判断せざるを得ません。
それが果たして、良い事なのかどうか、物語が終わっても容易に納得できません。
これに対して、LINEを物語全体ではなく一部として使った、演出上はオーソドックスな作品があり、これはすべて本人の声で吹き替えも同時に行われています。ただし物語の内容と展開は、月がきれいとは比較ならないほど複雑な、Re:CREATORS(レクリエイターズ)という作品のあるエピソードで、実際に見る事ができます。

註:なおこの両作品は、どちらも《オリジナルTVアニメ・シリーズ》という事(要するに原作無しのアニメ・オリジナル創作)でも、奇しくも共通しています!



Re:CREATORS(レクリエイターズ)


Re:CREATORS・DVDA

〈Amazonリンク済み〉



それでは、「月が見ている」最終回からと、「Re:CREATORS(レクリエイターズ)」大11話と第12話から、それぞれのLINE画面の使い方を見比べてみましょう。








月がきれい」第12話・最終回
それから





Re:CREATORS(レクリエイターズ)
第11話「軒下のモンスター




第12話「エンドロールには早すぎる



〈リンク切れ御容赦〉


まずは月がきれい第12話・最終回それからで見てみましょう。
このエンディングのスマートフォンらしきLINEのやりとりは、実は全12話を通してエンディングで描かれていたものであり、放映時の内容に余り関係の無い内容らしき事と読み難い事から、各話毎では単なる各話背景とも思われていました。ところが、最終回のエンディングはまさにそれからで、本編のその後をLINEらしきやりとりとそれを描いた挿絵で、見事に説明していました。

しかもその各話背景に描かれた、LINEらしきやりとりはまさに順不同で、最終話のエンディングで説明されなければ、全く理解不能なものです。
それが最終話のエンドロールで、見事な後日談として一本になるのですから、それも各話エンディングの方がやりとり画面が長い事も含めて、もしかしてビデオ・ディスク販売(普及)目的では?と勘ぐりたくなるほど、ある意味で意地の悪い演出です。



月がきれい第12話・最終回・エンドロール

月が01


月が02


月が03


月が04

〈この部分が第1話のエンディングです〉

月が1話03

月が1話04

月が1話05

〈第1話のエンディングがこういう状況だったとは!〉


月が05


月が06

〈これは身悶えする状況です!まさか第4話でこれとは・・・〉


月が4話01

月が4話02

月が4話03

月が4話04

〈第4話でこんな悶絶会話されても、誰にも分かりませんてッ!〉



月が07


月が08


月が09


月が10


月が11


月が12

このように、エンディング画面ですらワザとのように
読み難くなっています。解像度の高いPCの画面
ようやく何とかなっていますが、通常のTV放映時に
TV画面で見た場合、果たして適切なのでしょうか?


「高校生の恋愛など、熱病のようなもので10年も経てば忘れてしまう」という言葉がありますが、さすが《神社パワーは凄いッ!?》という事でしょうか?
中学生同士で、しかも遠距離恋愛を経て結ばれるとは!さすが、神社(こちらは川越・熊野神社ですが・・・)の熱心な氏子!!って、ところですネ!

註:ただしその中学生の中にも、修学旅行先でもラブホテルへ彼女を誘う(しかも料金彼女持ち!)男子生徒がいるところが、現代の中学生事情らしいのですが・・・当然のごとく後に彼はフラれます。




氷川神社(ひかわじんじゃ)は、埼玉県川越市宮下町にある神社。
太田道灌以来、川越の総鎮守とされ歴代川越藩主の篤い崇敬を受けた。
関東三大まつりで国の重要無形民俗文化財である川越祭り(川越氷川祭)は元々氷川神社の例大祭である。敷地内に、結婚式場である氷川会館がある。埼玉県内では唯一の神社隣接の専門結婚式場として知られる。また、結婚式のなかで行われる誓いの儀式「結い紐の儀」は川越氷川神社独自の儀式として商標登録されている。
埼玉県さいたま市大宮区の氷川神社と区別するため、川越氷川神社と称されることもある
なお、川越市内に氷川神社は当社を含めて14社ある。


祭神

素戔嗚尊・奇稲田姫命・大己貴命・脚摩乳命・手摩乳命。
2組の夫婦神が鎮座していることから古くから縁結びの神として信仰されている。毎朝8時より、持っていると良縁に恵まれるといわれる本殿の小石を縫製した縁結び玉が20体配られる。
七夕を含む夏には天の川に想いが届くよう江戸風鈴に願いが書かれた短冊を結わう縁結び風鈴で賑わう。

〈以下略〉



それでは、逆の事例として明らかに現在(2017年08月)も制作が苦しく、何度も実写の特別編と総集編(実は3回までは、予め公式ホーム・ページで告知済みだそうですが、告知してあれば良いのでしょうか?)が入っています。
果たして無事放映終了できるのか?が、最大の関心事(良いんでしょうか!?)になりつつある作品を見てみましょう。
Re:CREATORS(レクリエイターズ)』第11話「軒下のモンスター」と第12話「エンドロールには早すぎる」からです。

こちらは、ほぼ全ての画面で内容に関する、音声の説明が被ります。
また重要な部分では、その部分が大写しされるなど、明らかに理解させる意図を感じます。もっとも、通常ではこれが普通だと思われます。明らかに先の月がきれいの描写方法が変わっています。


リク01

〈最初はPC画面の説明から入ります〉


リク02


リク03

〈こちらは携帯端末も大きく描写され、読み難い事はありません
さらに、この会話の内容を音声でも説明しています〉


リク04


リク05


リク06


リク07


リク08


リク09


リク10


リク11


リク12


リク13


リク14

〈助けを求める、必死のメッセージが届きます〉


リク16

〈それを主人公は、冷淡に突き放します〉


リク17

〈「その後、返信は来なかった」と言う主人公に、関西弁の女性
イラストレイターがバサッリ切り捨てます「そらそうやわァ~」〉


リク18


リク19

〈気付くとSNSにメッセージが届いています。それが最後の
言葉であり、内容が主人公に宛てた遺言である事は明白です〉


リク20


リク21

〈恐る恐る、画像ファイルを開く主人公〉


リク22

〈最後に「絵」の名前と共に、カッターナイフを暗示する様な影の上に
作者の署名。そしてその間をナイフで切り裂いた様な、線の図形〉


本来は、この『Re:CREATORS(レクリエイターズ)』のような表現が日常的で、アナログTV画面でもハッキリと認識できます。
逆に月がきれいの方がどれほど変わっているのか!?が、お分かりいただけたと思います。この点から考えると明らかに、月がきれいという作品は、主人公と時間を中学3年生の1年間に絞った上でかなり実験的というか、大胆な試みがなされた作品だと思います。

通常の日本アニメの常識である、アフレコ(Afterrecording)ではなくプレスコ(プレスコアリング・Prescoring) という、予め台詞を全て収録してから、作画に入るという手法を取り入れた事もそうです。
また生の現在中学生をなるべく描きたいという意図の元、取材の裏付けを経て(もちろんどのような取材かは不明です)修学旅行先でもラブホテルに入るカップルを描いたり。実際に1クラス分の中学生に文字を書いてもらい、それを組み合わせて劇中の生徒が、ノートや黒板に書く文字に使ったりしたそうです。

そもそもは、おそらく意図的に読み難くしたのだと、思います。
確かに、デジタルTVモニターの解像力があれば、何とか判読できるかもしれません。しかし、視聴環境は千差万別です。仮にアナログTVモニターでなくても、解像力や録画再生時の画質劣化(デジタル録画でも長時間録画をすると、当然のように劣化は起こります)は、「読めなくても良い」作り手の考えで「読みたい」「気になる」は視聴者の自由だとしても・・・何か、釈然としません。
画面上で、読み取るような内容でないのならば(新保昭之監督の「化物語」で、それは納得しました。ですがあの画像は、アナログ再生の一時停止でも十分に読めます)、読み飛ばすという選択肢もあります。
ですが、「月がきれい」では明らかに「読める」場合と、「読めない」場合では物語やキャラクター心情への、思い入れが変わってきます。

まァ、だからビデオ・ディスクは「BOX発売のみ」としたのでしょうが、それでも疑問は残ります。
ただ、疑問や違和感を恐れて野心的な試みを封じる事は規制や反発を恐れて表現の必然を無視する》のと同様に、創作の技術や思想・展望の飛躍を阻みます。そうなれば、所詮商業的な創作産業など、停滞し衰退するだけです

今回の月がきれい全12話は実に素晴らし作品です。
その野心的な試みと共に、大いに評価されるでしょう。ただ、画面内画面の文字表記の取り扱いについては、場合によっては一考する余地が有ると思います。

最後に、〈わかりやすい例〉として取り上げた、「Re:CREATORS(レクリエイターズ)」の、完全で無事な?放映終了願いつつ〈これも作品の内容自体に大きな革新性が見られますが、その内容が内容なので所謂(いわゆる)「突っ込みどころ」は満載なのですが・・・〉、ここまでと致します。






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